ベリーグッドマン インタビューとメンバー選曲プレイリストで振り返る怒涛の5年間

ベリグらしさは「聴き手の生活に寄り添って応援する音楽」

──活動の中で見えた“べリグらしさ”とはどんなものなのでしょうか?

HiDEX

HiDEX 聴き手の生活に寄り添って応援する音楽、じゃないですかね。

Rover うん。僕は高校の吹奏楽部で挫折を経験したときに、Def Techの「My Way」という曲に出会ってものすごく救われたんです。そういう経験があったので、誰かが同じように悩んでいるときに手に取るのがべリーグッドマンの曲であってほしいなって気持ちが大きいんですよね。青春時代って、例えば先生とかにいろいろ言われたりするのをめっちゃ嫌うじゃないですか。妙に反発してしまうと言うか。でも、同じことを歌やラップで伝えられると、不思議とスッと心に入ってきたりすると思うんです。

──確かに音楽にはそういう力があると思います。

Rover 先生的な存在になろうなんて大それたことは思わないけど、俺たちもいろんな悩みを経験してきたからこそ、音楽を通して「大丈夫やで」ってことをね、学生さんをはじめとするたくさんの人に伝えたいなって思うんです。こないだたまたま思い浮かんで妙に納得したことがあるんですけど、ベリーグッドマンって公立高校の野球部っぽいんですよね。私立高校のように強力な選手をどんどん入部させていくと言うよりは、弱小なところから始まって、どんどん成り上がっていく感じと言うか。そういうところに共感してくれる人も多いと思うんで、その力を借りながらこれからもいいペースで強くなって行けたらいいなって今はすごく思ってますね。

──そういうアティチュードもまたべリグらしいところなのかもしれないですね。

Rover だからね、いきなりサングラスかけてEDMとかやり出したりとか、自分たちらしさを忘れて流行りのものに手を出したりし始めたら、ファンの人にはしっかり怒ってほしいですけどね(笑)。

HiDEX そうやな。グループとしての軸がブレ出したら怒ってほしい。ちなみに今はRoverの体型にみんな怒ってますけどね(笑)。

Rover そうですね。太りすぎなんで(笑)。別に太ってることによってファンの方に迷惑は一切かけてないとは思ってるんですけど、まあ違和感はありますよね。前は痩せてたんで。

MOCA 太ったことで性格もひねくれてきてますからね。そこも怒ってもらわないと(笑)。

Rover まあそこもね、今ひねくれてきたんじゃなくて、もともとひねくれてたのが表に出てきてるだけなんですけどね(笑)。

34曲をまとめることで自分らの色が見えてきた

──今回リリースされた2枚組ベストアルバムには新曲を含め、全34曲が収録されています。まさにべリグのこれまでがぎっしり詰め込まれた印象ですよね。

Rover 選曲してるときにはぶっちゃけあんまり覚えてない曲もありましたけどね。しかも、めっちゃ大切な曲なのに入れるの忘れたのもあったんですよ(笑)。

HiDEX 「ミクロコスモス」とかね、絶対入れなあかんかった曲だと思うんですよ。ファンに向けて作った「シンクロニシティ」を入れないっていう斬新な選曲にもなってるし(笑)。

MOCA 選曲は3人でやったんですけど、収録曲を決め終わった2カ月後くらいに気づいたんですよね。「あ、アレ入れてないわ!」って。だから「裏BEST BEST BEST」を出したいですね、翌週くらいに(笑)。

──そこは“あえて入れなかった”ということにしていただいて(笑)。気になった方は、旧譜を掘ってもらえばいいわけですからね。

HiDEX そうですね。ライブに来てもらえば聴けるかもしれないですし(笑)。

──収録曲は“LIFE”と“LOVE”という2つのテーマで各ディスクにまとめられています。曲のタイプはさまざまですが、その両テーマがべリグにとっての大きな柱であることは間違いないですよね。

MOCA 曲作りの段階ではそこまで意識しているわけではないんですけどね。こうやってまとめてみたことで、結果として自分らの色が見えてきたところもあって。

Rover “LIFE”としてまとめられている曲たちは基本が応援歌で、僕らはそれを“パワーソング”って呼んでるんですよ。そこに関してはよく「温かみがある」と言っていただくことが多いけど、本質的に僕らが大事にしてるのは“癒し”やと思っていて。“パワーソング”って言っているくらいやから力強さはもちろんあるけど、その中には心の傷を癒すとか疲れを癒すとか、そういう効果を感じてもらえるように意識して作ってはいますね。

──一方の“LOVE”の曲たちに関しては、どんな特徴があると思いますか?

Rover ベタってことですかね(笑)。僕らのラブソングはベタなんですよ。

HiDEX 3人とも人並みな恋愛しかしてきていないので(笑)。

MOCA ベタな恋愛模様を、難しい言葉ではなく、ポップでキャッチーに描いていくのも特徴ですかね。自分らの半径3メートルくらいにある恋愛をリアルに描くことが、たくさんの人に共感してもらえる理由ちゃうのかなとは思います。