「コンパス」がなければ今のベリーグッドマンは
存在しなかった
──本作の中で、ターニングポイントになったと感じる曲はありますか?
MOCA メジャーリーガーの前田健太選手が広島東洋カープ時代に登場曲に使ってくれた「1988」とか、高校野球をテーマにした映像を作ったことで中高生の間で話題になって、初めて100万再生を超えた「ライトスタンド」、あと僕らのメジャーデビュー曲である「ありがとう~旅立ちの声~」なんかは重要なターニングポイントになったと思いますね。
Rover そうやな。ただ、1曲だけ選べと言われるならば、「コンパス」なのかなとは思うんですよね。5年前にベリーグッドマンとして最初に作った曲やし、初ライブでも1曲目に歌った曲でもあるので。
MOCA メジャーデビューのきっかけになった曲でもあるからね。
HiDEX この曲が生まれなければ今のベリーグッドマンは存在しなかった可能性はありますよね。ただ、しばらくライブではやらなくなった時期もあって。
MOCA そうそう。事務所の人から「『コンパス』みたいな曲を作って」みたいなことをすごく言われ続けてきたんですよ。
──なるほど。名曲であるが故、それを踏襲した曲を求められてしまうという。
Rover それによってトラウマを植え付けられたところもあるんですよ(笑)。「俺らはずっと『コンパス』に苦しめられていくのか」みたいな。だから2年くらいライブでやらなくなった時期があったんですよね。
MOCA まあでもその感情も今は収まって、改めて大事な曲だと思えるようになったんですけどね。「コンパス」のバースはもともと、自分が18歳の頃に作ったものだったりもするので、改めていろんなストーリーが蘇る感覚もある。そういう意味でも、このベストはやっぱり感慨深い作品ですね。リリースされたら暗い部屋で1人、ビール飲みながら聴いて泣きたいと思います!(笑)
大阪城ホールワンマンで大阪への恩返し
──2編の新曲が収録されているのもファンにとってはうれしいですね。それぞれどんな思いで作られたものなのでしょうか?
HiDEX “LIFE DISC”に入っている「プレイヤー」は、最初のデモがさわやかな雰囲気だったので、もっと勢いと熱さを出そうと思ったら勝手にバンドサウンドになっていきました(笑)。
Rover その結果、これまで築き上げてきた“べリグらしさ”をちょっと払拭する仕上がりになったのが面白いなと思っていて。歌詞的にはみんなに寄り添って応援するというテイストにはなっていますけど、新しい僕らを感じてもらえるんじゃないかなと。
MOCA もう1曲、“LOVE DISC”に入ってる「i」は、まさに今の僕らの思いが詰まった内容になっていて。
Rover うん。この5年間、雨の日も風の日も応援し続けてくれたファンの人たちへの恩返しと言うか。ここまでの感謝であり、ここからの物語の新たな始まりにもなる曲だと思うので、恐れ多くも“愛”という大きなテーマで書かせてもらいました。この曲を今度の大阪城ホールで歌い、みんなに伝えることが僕らの責務だと思ってますね。
──来年1月20日にはべリグがずっと目指してきた場所、大阪城ホールでのワンマンライブがついに開催されますね。
Rover 活動を始めてから1年くらい経った頃に、事務所の社長に「お前らどこでライブしたいんだ?」って聞かれたんですよ。そこで、とりあえずでっかい会場を言っとけと思って大阪城ホールを目標にしたんですよ(笑)。
MOCA その段階では自分らがそこに立ってる姿は全然想像できてなかったもんね(笑)。でも、その夢をずっと口に出してきて、自分たちができることとやるべきことに向き合ってきた結果、ついに叶う日が来たっていう。だからとにかくうれしいです。
Rover 大阪城ホールでライブをすることは、多少なりとも自分らが生まれ育った大阪への恩返しにもなると思うんですよね。しかも大阪城には真田丸がありますけど、僕らの今のバックDJの名前が真田(学:MANA-B)やし、ひでは豊臣秀吉に顔が似てるしっていうんで、いろんな縁も感じるっていう(笑)。
HiDEX 似てるか?(笑) まあでも僕は最近、本籍地を大阪城に変更しましたからね。
──え、本籍地ってどこでも変更可能なんですか?
HiDEX そうらしいんですよね。先輩が平等院鳳凰堂を本籍地にしたって聞いたから、「じゃ俺は大阪城にしますわ!」って(笑)。そういう意味ではね、1月20日は凱旋ライブにもなるんやと思います。
──あははは(笑)。結成5周年の集大成であり、ここからの未来が楽しみになるお祭り的なライブになることを期待していますね。
Rover はい。ファンのみんなへの感謝をしっかり伝えたいと思います!