ベリーグッドマン インタビューとメンバー選曲プレイリストで振り返る怒涛の5年間

ベリーグッドマンが初のベストアルバム「BEST BEST BEST」を10月24日にリリースする。

本作は今年11月で結成5周年を迎えるべリグが、ファンへの感謝とここまでの歩みを総括する意味を込めて制作したもの。自らが“パワーソング”と呼ぶ応援歌と、胸を打つラブソングの数々を“LIFE”と“LOVE”でテーマ分けした2枚のディスクにそれぞれ収録。既発曲のニューミックスや新録バージョン、「プレイヤー」「i」という2つの新曲を含めた全34曲の大ボリューム作となっている。

音楽ナタリーでは、来年1月20日に念願の大阪城ホールでのワンマンライブの開催が決定した彼らに初のインタビューを実施。5年の活動を振り返ってもらいながら、ベストアルバムに込めた思いを聞いていく。また、特集の最後には、メンバー自らがテーマを設け、本作収録曲から5曲をピックアップして構成したプレイリスト企画も掲載。3人の個性を感じさせる新鮮な選曲をぜひチェックしてみて欲しい。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 後藤壮太郎

「この激動の5年を走り抜いた俺ら、よくがんばったな」

──ベリーグッドマンはこの11月で結成5周年を迎えます。まずはここまで過ごしてきた時間を振り返っていただけますでしょうか?

Rover いいときも悪いときも、3人で思いをしっかり分け合ってこれたと思いますね。リリースで言うと、ペースがけっこう速かったからしんどいこともあったんですけど、こうやってベストアルバムができた今思うのは「この激動の5年を走り抜いた俺ら、よくがんばったな」ってことでもあって(笑)。元気いっぱいに活動してこれてほんまによかった。それはもちろんね、いろんな方々に支えられていたからこそなので、そこに対してのありがたい気持ちもものすごく感じていますね。

HiDEX どんな曲を書けばいいのか、どんなふうに活動していけばいいのか、みたいなことに対して迷う暇もないくらい怒涛の毎日を過ごしてきたので、気付けば「もう5年も経ってたんや!」っていう気持ちですね。あっと言う間だった気もするけど、めちゃくちゃ濃厚な時間だったから逆に長くも感じていると言うか。その中で、人間的にも音楽家的にも成長してこれたなっていう感覚は確実にあります。

MOCA 最初の1、2年はもう意識朦朧としながらただただ走ってたような感覚でした(笑)。でも、5年間しっかり走り続けてきたことで、最高の“今”にたどり着けている実感があって。3人の関係性なんかも、今が一番いいですからね。ここから先、5年後の未来も楽しみになるような節目が迎えられたことが単純にすごくうれしいです。

──今回のベストアルバムはある意味、ここまで走り続けてきた3人にとってのご褒美でもあるのかもしれないですね。

Rover うん、そういう感覚もありますよね。ずっと目指してきた大阪城ホールでのライブが決まったタイミングでもあるので、ほんまにありがたい。

MOCA 60曲くらいのレパートリーの中からベストアルバムの選曲をしていったんですけど、「もっと入れたい!」っていう感覚になれたのは自分たちにとってすごく幸せなことやなって思いましたね。がんばってハイペースに曲を作ってきてよかったなって。

弁当と冷凍ご飯で乗り切った活動初期

──Roverさんは先ほど「いいときも悪いときも」とおっしゃいましたが、結成以降、つらい時期もあったんですかね?

Rover

Rover ほんまの初期は単純にお金がなかったっすね(笑)。死ぬほどがんばったのに、「今月これだけ?」みたいな。応援してくれる人たちに愛されてなんぼっていう気持ちがあったからがんばれてはいたけど。

HiDEX そうやな。大事なのはお金じゃないとは言え、「最低限の生活はしたいなあ」っていうね(笑)。

MOCA 楽曲制作はHiDEXの家でやってたんですけど、僕とRoverは自分で作った弁当を持参してましたからね。HiDEXは冷凍ご飯食ってましたし(笑)。

Rover マックスに質素な生活をしてましたよ(笑)。でもね、誰でも最初はそういうものじゃないですか。平凡な人間がちょっとずつ収入面でも人間面でも成長していくっていう。その物語を僕らも歩んできたんだなって今は冷静に思えるかな。当時はまあまあキツかったんで、そこでたまったフラストレーションを酒にぶつけてましたけど(笑)。

MOCA ただ、結成して3カ月くらいのときに事務所とレーベルが決まったので、どっちかと言うと恵まれた環境だったとは思いますけどね。人との巡り合わせで、最初からいいレールには乗せてもらってたと言うか。

HiDEX うん。いろいろ大変なことはありながらも止まらずに走れてこれたのは、人とのいい出会いがあったからやとは思いますね。

──べリグとしての音楽性に関しては当初から固まっていたのでしょうか?

HiDEX とにかく曲をどんどん作り続けてきた感じだったから、どんなものがべリグらしいのか、みたいなことが自分らではよくわかってなかったところもあって。そこに関しては応援してくれる人が増えたことで、求められているものがわかってきた感じなんですよね。「あ、こういうのが俺ららしい曲なんやな」って。

MOCA そうやな。活動していく中で、求められていることと自分らのやりたいことが比例してきた感じはあったかな。

HiDEX で、そうなってきたことで、より自由に曲作りできるようになったところもあるんですよね。自分たちらしさが見えてない時期は、「こんな言葉を使ったらあかんかな」とか、先回りしてブレーキを踏んでたことが多かったと思うんです。でも今は自分たちの気持ちをより素直に表現できるようになったかなって。