ナタリー PowerPush - THE BAWDIES

事故や震災を経てついに完成 ありったけの愛を詰め込んだ新作

THE BAWDIESがメジャー3作目となるニューアルバム「LIVE THE LIFE I LOVE」を6月8日にリリースする。前作「THERE'S NO TURNING BACK」から1年2カ月ぶりに発表される本作には、先行シングル「JUST BE COOL」「LOVE YOU NEED YOU feat. AI」をはじめ、シンプルでストレートなロックンロールから、サイケデリックなナンバーやカントリー調のミディアムチューンまで、バラエティに富んだ楽曲を収録。さらに、曲によってゲストプレイヤーを迎えるなどこれまで以上にカラフルな内容に仕上がっている。

ナタリーではメンバー4人にインタビューを実施。さまざまな出来事があった2010年を振り返りつつ、彼らが新たに得たもの、そしてそこからどのようにして新作に向かっていったのかを赤裸々に語ってもらった。また、レコーディング期間に発生した東日本大震災によってアルバムの方向性が変化したこと、さらには11月に控えた初の日本武道館公演についても言及。4人の素直な思いをこのインタビューから感じてほしい。

取材・文/西廣智一 インタビュー撮影/中西求

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事故を経験したことで精神面を鍛えられた

インタビュー風景

──2010年はTHE BAWDIESにとっていろんなことがありましたが、振り返ってみるとどんな1年でしたか?

ROY(Vo, B) アルバム「THERE'S NO TURNING BACK」ができたことが、まずうれしかったですね。自分たちの内面をさらけ出した自然体の作品になったので、その後のライブツアーでも心を裸にすることができたし。そうすることで「THIS IS MY STORY」のとき以上にお客さんとの距離感が近づいて、一緒になってツアーを作り上げることができたと思います。

──昨年は夏フェスにも14本出演して、本当に精力的に活動しましたよね。

ROY どれだけ汗をかいたかわからないくらい、楽しかったですね。フェスに来てるお客さんたちはみんな開放的で、それを観てるのも気持ち良かった、そこで演奏できることも気持ち良かった。あとは、AIちゃんと出会ったのも去年の夏フェスでしたし、いろんなアーティストさんとお話ができたのはうれしかったです。

──秋にはツアーの移動中に交通事故に遭うアクシデントもありましたが。

インタビュー風景

ROY フェス出演を経て、夏から秋にかけてバンドがグンとレベルアップして、充実していたところで事故に遭って。自分たちは早くお客さんに音を届けたいのに、動きたくても動けない。でもみんなが待っていてくれるし、「早く復活してくれ」って気持ちが周りからすごく伝わってきて、みんなの愛情を強く感じました。だから、事故を経験したことで精神面を鍛えられましたね。

──なるほど。

ROY あとは、生きていることへの喜びや日々生活してる中で些細なことに感じる喜び、そして家族や近くにいてくれる人の愛情に触れてから、サウンドがどんどん表情豊かに変化していって。そこから生まれたのが「LOVE YOU NEED YOU feat. AI」といった楽曲ですね。事故はマイナスなことだったけど、それをしっかりプラスに変えてバンドとしてより成長できたのは大きかったと思います。

AIは同志というかソウルメイト

──その「LOVE YOU NEED YOU feat. AI」ですが、ゲストプレイヤーとしてキーボーディストを迎えた「JUST BE COOL」を聴いたとき以上に驚きました。「JUST BE COOL」で新たなステップを踏み出したと思っていましたが、さらに前進してますね。

ROY 「THERE'S NO TURNING BACK」で自由にやってみた結果、最高の作品を作ることができたのがやっぱり大きくて。前作で、ルーツ色を強くしてもそこに負けないオリジナリティを出せるって確信できたから、ゲストを入れても自分たちの色を保てる自信も生まれて、「JUST BE COOL」を作ったんです。で、AIちゃんはそれこそ圧倒的な存在感と歌唱力の持ち主だけど、彼女を入れてもちゃんとTHE BAWDIESとしてのカラーが成立するっていう自信は最初からあって。

──レコーディングはどういった点に注意しましたか?

JIM(G) THE BAWDIESとして、ROYくんとAIちゃんのバックバンドになっちゃダメだなって。僕らはバンドだっていうところを見せたいし、でも歌の良さを消すほど前に出るのも違うし、そこのバランスを取るためにいろいろチャレンジしました。特にギターのフレーズや音色はすごく気を遣って作りましたね。

インタビュー風景

TAXMAN(G, Vo) 一見異色コラボっぽいですけど、AIちゃんも僕らと同じくルーツミュージックを愛してる人だから、僕らからしたら相性が良いのは当たり前だと思ってたんです。ROYが作る曲って、言ってしまえばどの曲にも女性の声が入っていても変じゃないとずっと思っていたんですよ。だから「LOVE YOU NEED YOU feat. AI」でAIちゃんが歌うイメージは簡単に想像ができたし。で、AIちゃんも僕らの中にスッと入ってきてくれたので、違和感なく、THE BAWDIESの新メンバーみたいな感覚で一緒にやれた。もちろん初めての試みっていうことで新鮮味もあったけど、意外とサクッといけた気はしますね。

──AIさんは個性の強いシンガーだから、THE BAWDIESの個性とぶつかり合ってもおかしくないのに、できあがった曲でのAIさんとROYくんのハーモニーはナチュラルですよね。

TAXMAN 本当に自然体そのもので、同志というかソウルメイトみたいな感じ。そういう人と一緒にやることで僕らも刺激をもらえるし、たぶんAIちゃんにも良い刺激を与えられたんじゃないかな。すごく良いムードだったと思います。

ニューアルバム「LIVE THE LIFE I LOVE」 / 2011年6月8日発売

  • [CD]2800円(税込) / Getting Better / VICL-63746 / Amazon.co.jpへ
  • [アナログ]2800円(税込) / SEEZ RECORDS / SEZ-3019 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. A NEW DAY IS COMIN'
  2. ANNE
  3. JUST BE COOL
  4. SHOW ME UP
  5. LOVE YOU NEED YOU feat.AI
  6. LOVE YOUR LIFE
  7. WHAT A LONELY NIGHT
  8. THANKS BILL
  9. BITTER BUTTER
  10. WHAT YOU SAY
  11. YEAH
THE BAWDIES「LIVE THE LIFE I LOVE TOUR 2011」開催決定

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THE BAWDIES(ぼうでぃーず)

小学校からの同級生であるROY(Vo, B)、JIM(G)、MARCY(Dr)と、高校からの同級生TAXMAN(G, Vo)によって2004年1月1日に結成。メンバーが敬愛するリトル・リチャード、レイ・チャールズに代表される、リズム&ブルースやロックンロールをルーツとする。唯一無二の圧倒的なボーカルを武器に、ロックンロールの本来持つピュアな魅力やエネルギーをストレートに伝える楽曲やライブが各地で噂を呼ぶ。

2006年3月に1stアルバム「YESTERDAY AND TODAY」、2008年2月に2ndアルバムとアナログ盤「Awaking of Rhythm And Blues」をリリース。2度のオーストラリアツアー、34公演にわたる全国ツアーを成功させ、数々のロックフェスにも出演。さらに自主企画「FREE FOR ALL」を実施するなど、めざましい活躍を見せ、着実に知名度を高めていく。

2009年3月、先行限定7インチアナログ盤&配信シングル「EMOTION POTION」を発表。2009年4月には、NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)初プロデュース曲を含む、メジャー1stアルバム「THIS IS MY STORY」をリリースする。2010年2月には同作で第2回CDショップ大賞を受賞。同年3月発売のシングル「HOT DOG」は、オリコンウィークリーチャートトップ10入りを果たす。4月にメジャー2ndアルバム「THERE'S NO TURNING BACK」を発表し、全国津々浦々をまわるライブツアーを開催。また、夏には計14本にもおよぶ夏フェスに出演。エネルギッシュなステージで新たなファンを獲得した。

2011年3月にはAIをフィーチャリングゲストに迎えたシングル「LOVE YOU NEED YOU feat. AI」をリリース。同年6月には待望のメジャー3rdアルバム「LIVE THE LIFE I LOVE」を発表し、全国37本にわたるライブツアーを行う。ツアーファイナルの11月27日には、バンドにとって初となる日本武道館公演を予定。