amazarashi「リビングデッド」 PR

amazarashi|“検閲”を解除せよ、日本武道館を前に紐解く「新言語秩序」

amazarashiが11月7日にニューシングル「リビングデッド」をリリースする。

本シングルは11月16日に開催される自身初の東京・日本武道館公演「朗読演奏実験空間 新言語秩序」のために作られた作品。表題曲「リビングデッド」、カップリングの「月が綺麗」「独白(検閲済み)」という3編の収録曲は、日本武道館での公演において重要な役割を担うことになるのだという。またシングルリリースに先駆けて公開されているiOS / android向けアプリでは、「新言語秩序」と題された秋田ひろむ書き下ろしの物語を読むことができ、そこで描かれている“「言葉が殺された」世界”の結末は本シングルを経て、日本武道館公演で明らかにされる予定だ。CD、アプリ、ライブという異なるメディアを横断しながら展開される壮大なプロジェクト。それはamazarashiにとっては大いなる実験的な意味合いを持ち、リスナーにとっていまだ味わったことのないような刺激的な体験となることだろう。

果たしてamazarashiは「新言語秩序」プロジェクトを通して何を伝えようとしているのか? その手がかりを探るべく、秋田ひろむにメールインタビューを実施。ニューシングルに込めた思いを中心に、日本武道館に向けた目論見について聞いていく。

取材・文 / もりひでゆき

前回ツアーで迎えたバンドとしての大団円

──まずは「地方都市のメメント・モリツアー」で得た手応えについて聞かせてください。先日発表されたコメントでは「目標にしていた音楽と表現に一先ず到達した」とおっしゃっていましたが、amazarashiがこれまでの活動の中で目指してきた音楽と表現とはいったいどんなものだったのか、そしてそれをどのような形で手にしたと感じたのでしょうか?

もともとはメンバー2人でのアコースティックスタイルでやってたのが、デビューしてからはサポートメンバーを加えてのバンドスタイルに変えてライブをやるようになり、そこからはずっと手探りで自分たちのライブスタイルを模索する日々でした。いろいろ試しては捨ててを繰り返して、ようやく前回のツアーでこれだと思えるライブができた気がしました。僕が目指していたのは高揚感でした。ライブの最後にバンドがジャンと鳴らした瞬間に、嫌なことも苦しかったこともすべて浄化するようなライブを目指していました。そこに至るまでの手法をようやく見つけたという感じです。音楽と言葉と映像とで、どうやって感情の昂りのゴールを目指すか、みたいな話です。

──同時に「バンドとして一つの大団円を迎えてしまった」ともコメントされていました(参照:amazarashi初武道館公演「朗読演奏実験空間“新言語秩序”」の詳細発表)。そこにはすがすがしい達成感があったのか、はたまた大団円を迎えたことでの切なさがあったのか、未来に対しての新たなビジョンが浮かんできたのか……。その発言の裏に秘められた秋田さんの心情を教えてください。

そんな感傷的な話ではないんですが、バンドとして長くやればやるだけ思いは強くなりますし、メンバーとの信頼関係とか強くなりますし、皆さんには見えないアクシデントがあってそれを乗り越えたりとか、そういうものの積み重ねが成就したんだと思います。それは単純に時間の積み重ねなので、もう空っぽでやりたいことがないということではありません。ようやくここまで来られたという達成感がありました。

武道館で繰り広げられる「朗読演奏実験空間」

──「地方都市のメメント・モリツアー」を経て、キャリア初めての日本武道館公演が決まりました。まずはそれについての率直な感想を聞かせてください。多くのミュージシャンがそうであるように、日本武道館という場所には強い思い入れはありましたか?

「amazarashi 武道館公演『朗読演奏実験空間“新言語秩序”』supported by uP!!!」キービジュアル

親に自慢できるのでうれしいです。わかりやすくミュージシャンの勲章みたいなものなので、今までの自分とamazarashiチームを誇りたいです。武道館を目標にしてきたわけではないんですが、と言うかまさか武道館でやれるとは夢にも思ってなかったので驚いています。

──日本武道館という場所で行うamazarashiとしての初ライブ、その内容に関してはどのようなイメージをもって構築されているのでしょうか? 「これからのamazarashiを占う試金石」というコメントの真意も教えていただければと思います。

今回の公演も集大成ではあるんですけど、今まで培ったもので新しいものを作ろうと思いました。上でも書いた「試しては捨てて」の捨てなかった部分を集めて、そしてそれプラスα新しい試みに挑戦しようと思います。

──「朗読演奏実験空間」というタイトルを見た瞬間、実にamazarashiらしいなと感じました。“朗読”と“演奏”を盛り込むライブスタイルはこれまでも行われていたものであり、それは演出方法も含めて常に“実験的”で、シーンの中において特異な存在感を放つものだったと思います。しかし、初の武道館タイトルにあえてそれらの言葉を掲げたことには何か大きな意味があるように感じました。率直に聞きます。何をたくらんでいますか?

観に来るお客さんはもしかしたら集大成的なライブを期待して来る人もいるかなと思って、内容が見えやすいタイトルにしました。がっかりされるのは本意ではないんで。あとはせっかくの武道館なのでむちゃくちゃやってやろうという気持ちも少しはありました。

表現することに対する息苦しさ

──アプリで公開され、“検閲”を解除することで物語の全貌が明らかになるという仕掛けが施された小説「新言語秩序」の第3話まで拝見しました。フィクションではありながらも、我々が生きている現代とのリンクを強く感じ、忌むべき未来を見せつけられているような気持ちになりました。この物語が秋田さんの中から出てきた経緯を教えてください。

「実験空間」とは銘打ってますが、武道館で何をやるかと考えたときに僕らが今までやってきた集大成をやろうと当然考えました。それでテーマを「言葉」にしようと思いました。amazarashiを構成する重要なファクターだし、僕らをここまで連れてきたのも「言葉」だと思ったからです。そこから考え始めて「新言語秩序」の物語を作りました。

──秋田さんが1人の人間として生きるうえで、言葉を発することへの息苦しさを感じる瞬間は多いですか?

そうですね。だから僕はもう発言したくないですね。音楽だけやってればいいかなと思ってます。でももし音楽制作まで息苦しさを感じてしまうような状況になるのであれば、それは戦うしかないのかなって思います。

──またamazarashiとして表現することにおいての息苦しさを感じることもありますか? 鋭さを伴った生々しい心情を描くamazarashiの楽曲群には、他者からの弾圧さえも跳ね飛ばす力強さがあるように思います。それらを生み出す過程で、自ら表現に制限、ブレーキをかけてしまう瞬間があったりもするのでしょうか? あるいは誰かからの“検閲”が入ることも……?

自分でブレーキをかける瞬間はあります。例えば起こってしまった事件とか災害とかと書いたばかりの歌詞がリンクしてしまう瞬間がたまにあって、これはさすがに今はやめとこうっていうことはあります。他者からの検閲っていうのは常識の範囲内であります。メジャーでやっているので、そういう想定は僕にもあるので、一応書いてみて、ああこれはいけるんだとか、歌詞カードには載せられないかとか、白々しくやってます。僕としてはライブで歌えたらそれでいいと思ってます。ライブ中は誰も止められないので。

amazarashi「リビングデッド」
2018年11月7日発売 / Sony Music Associated Records
amazarashi「リビングデッド」初回限定盤

初回限定盤 [CD+グッズ]
2300円 / AICL-3590~1

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amazarashi「リビングデッド」通常盤

通常盤 [CD]
1280円 / AICL-3592

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収録曲
  1. リビングデッド
  2. 月が綺麗
  3. 独白(検閲済み)
  4. リビングデッド -instrumental- ※初回限定盤のみ
  5. 月が綺麗 -instrumental- ※初回限定盤のみ
初回限定盤グッズ
  • 新言語秩序バリケードテープ
iOS / android向け“検閲解除ツール”アプリ
「新言語秩序 amazarashi 武道館公演」
配信中
amazarashi 武道館公演「朗読演奏実験空間“新言語秩序”」supported by uP!!!

2018年11月16日(金)東京都 日本武道館

amazarashi(アマザラシ)
青森県むつ市在住の秋田ひろむを中心としたバンド。2009年12月に青森県内500枚限定の詩集付きミニアルバム「0.」を、翌2010年2月にその全国盤となる「0.6」をリリースした。その後2010年6月に「爆弾の作り方」をSony Music Associated Recordsから発表。アーティスト本人の露出がないまま、口コミを中心に話題を集めていき、2011年11月には初のフルアルバム「千年幸福論」を発表した。2015年2月に発表した1stシングル「季節は次々死んでいく」の表題曲がアニメ「東京喰種トーキョーグール√A(ルートエー)」の主題歌となり、3月には台湾にて初の海外ライブを実施。2016年2月にアルバム「世界収束二一一六」をリリース。10月にはミニアルバム「虚無病」を発表し、千葉・幕張イベントホールにて360°全方位から映像を投影するという自身初の試みとなるワンマンライブ「amazarashi LIVE 360°」を開催した。2017年3月に初のベストアルバム「メッセージボトル」を発表。12月には秋田が千葉・舞浜アンフィシアターにて弾き語りライブ「理論武装解除」を2日間行った。同月には4thアルバム「地方都市のメメント・モリ」をリリース。2018年4月からは今作を携え、全10公演のライブツアーを実施した。11月にシングル「リビングデッド」を発表し、初の日本武道館公演「朗読演奏実験空間“新言語秩序”」を開催する。