amazarashiがニューシングル「空に歌えば」をリリースした。
テレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」オープニングテーマに採用されている表題曲は、挫折や敗北を繰り返しながらも、生きることに対してあがき、未来に向けて突き進まんとする決意を歌った力強いナンバー。シングルにはカップリングとして、ポエトリーリディング曲「月光、街を焼く」や、“もしも”を想像しながらも今の自分を肯定するメッセージが温もりのあるサウンドの上に乗せられた「たられば」、さらに「たられば」のアコースティックバージョンも収録されている。
大充実の内容となったニューシングルの発売を記念し、音楽ナタリーではamazarashi・秋田ひろむへのメールインタビューを実施。本作の制作エピソードに加え、3月にリリースされた初のベストアルバム「メッセージボトル」のことや、それを引っ提げて回った全国ツアーのことなど、多岐にわたる話題について回答してもらった。
取材・文 / もりひでゆき
ベストアルバムは「ちゃんといい曲作ってたんだな」
──まずは今年の活動を少し振り返らせてください。3月29日に初のベストアルバム「メッセージボトル」がリリースされました。これまでの楽曲群を1枚にまとめたことで、amazarashiというバンドについて、ご自身で生み出してきた楽曲について改めて感じたことを教えてください。
リリース順に楽曲が並んでるんで、サウンドの変化とか技術が上がっていく感じとか、初めて客観的に見れて面白いなあと思いました。反面、言ってることはほぼ変わらないなと思いました。自分の足跡みたいでいい選曲をしたなと思います。あと、昔の自分の歌詞にハッとさせられる瞬間があって、そういうのがうれしいです。「ちゃんといい曲作ってたんだな」と思って。
──ベストアルバムを携えて行われた全国ツアー「メッセージボトル」、さまざまなことがあったと思いますが率直な感想を聞かせてください。
波乱万丈でした。今までで一番過酷なツアーでした。精神的にも体力的にも追い詰められて余裕もなくなる瞬間が多々ありました。でもおかげでタフになれた気がします。大変だったからこそ見られた素晴らしい景色もあったので、プラスマイナスゼロといった感じです。延期になった中野サンプラザホール公演も残っているので、そこでプラスになれたらなあという感じです。
──今回のツアーで特に強く感じたこと、印象的だったことを教えてください。
やっぱりサポートメンバー2人が体調不良になって公演が延期になったことです。サポートといってもデビューライブからずっと同じメンバーだったんで、仲間が減る感覚はつらかったです。お客さんに迷惑かけた責任も感じますし。いかに僕らがサポートミュージシャンにおんぶに抱っこでやってたかっていう無力感もありました。でもそこでなんとかライブを成立させようとして四苦八苦したり、新しいミュージシャンと一緒にライブを作り上げたりっていう作業は、ここのタイミングでやれてよかったのかなと思います。今後の僕らの力になると思います。
中野サンプラザホール延期公演は借りた以上のものを返すつもり
──ツアーファイナルとなった8月13日、地元・青森での公演はいかがでしたか?
とてもよかったです。地元のリスナーにもやっと直接届けられたし、地元のお世話になった人たちにやっと観てもらえて、会って話ができてうれしかったです。何か、喉のつっかえがやっと取れたような感じです。
──地元での凱旋公演ということで、何か気持ち的に違った部分はありましたか?
よくよく考えると、ホームってこんな感じだったよなあと思いました。デビューしてから今までホームを知らずにライブをやってたなって。やはり安心感がありました。
──青森公演では新曲「空に歌えば」を初披露したと聞いています。地元での初披露にかけた秋田さんの思い、また会場の反応はどんなものでしたか?
ライブの前日に、僕らの思い入れがある青森の各所でMV撮影をしてたので、何か過去から今までを追体験するような感覚で歌えました。みんな気に入ってくれたかはわかりませんが、僕らにとっては感慨深い瞬間でした。
──6月に予定されていた中野サンプラザホール公演が10月に延期されました。ある意味、もう1つのツアーファイナルという意味合いもあるこのライブにはどんなお気持ちで臨もうと思っていますか? またライブに参加する人たちに向けてひと言いただけるとうれしいです。
この中野公演が終わらないと「メッセージボトル」は完結しないと思っているので、もう一度ファイナルをやるつもりで挑みます。お客さんには貸しができたので、借りた以上のものを返すつもりです。
──8月19日に出演された「SUMMER SONIC 2017」の感想も聞かせてください。RAINBOW STAGEのトップバッターを務めていましたが、個人的には「午前11時に聴くamazarashiもいいよなー」と思いました。もちろん何時に聴いてもいいものはいいんですけど、なんとなくamazarashiには夜のイメージがあったので。
そうですね、僕も完全に夜のイメージです。やはりそこは、どれだけ僕らの世界に引き込めるかの勝負でもあると思うんで、朝でも遠慮せずやれたと思います。フェスに関しては、僕らを知らない人に向けて、いかに引きずり込めるかを目標にやってます。
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「王道少年マンガのオープニングなんて、僕らで大丈夫かな」
- amazarashi「空に歌えば」
- 2017年9月6日発売
Sony Music Associated Records -
初回限定盤A
[CD+DVD+ラバーバンド]
2052円 / AICL-3405~7 -
初回限定盤B
[CD+ラバーバンド]
1706円/ AICL-3408~9 -
通常盤 [CD]
1296円/ AICL-3410
- 初回限定盤A / 通常盤収録曲
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- 空に歌えば
- 月光、街を焼く
- たられば
- たられば -acoustic ver.-
- 空に歌えば -instrumental-
- 初回限定盤B
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- 空に歌えば
- 月光、街を焼く
- たられば
- たられば -acoustic ver.-
- 空に歌えば -TV edit.-
- 初回限定盤A付属DVD
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- ヨクト(amazarashi Live Tour 2017「メッセージボトル」at Nakano Sunplaza 6.23)
- 少年少女(amazarashi Live Tour 2017「メッセージボトル」at Nakano Sunplaza 6.23)
- 命にふさわしい(amazarashi Live Tour 2017「メッセージボトル」at Nakano Sunplaza 6.23)
- 「僕のヒーローアカデミア」ノンクレジットオープニングムービー
- amazarashi Live Tour 2017
「メッセージボトル」追加振替公演 - 2017年10月19日(木)東京都 中野サンプラザ
- amazarashi(アマザラシ)
- 青森県むつ市在住の秋田ひろむを中心としたバンド。2009年12月に青森県内500枚限定の詩集付きミニアルバム「0.」を、翌2010年2月にその全国盤となる「0.6」をリリースした。その後2010年6月に「爆弾の作り方」をSony Music Associated Recordsから発表。アーティスト本人の露出がないまま、口コミを中心に話題を集めていき、2011年11月には初のフルアルバム「千年幸福論」を発表した。2015年2月に発表した1stシングル「季節は次々死んでいく」の表題曲がアニメ「東京喰種トーキョーグール√A(ルートエー)」の主題歌となり、3月には台湾にて初の海外ライブを実施。8月には東京・豊洲PITにて3D映像を駆使したアニバーサリーライブを行った。2016年2月にニューアルバム「世界収束二一一六」をリリース。10月にはミニアルバム「虚無病」を発表し、千葉・幕張イベントホールにて360°全方位から映像を投影するという自身初の試みとなるワンマンライブ「amazarashi LIVE 360°」を開催した。2017年3月に初のベストアルバム「メッセージボトル」を発表。9月にテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」オープニングテーマの新曲「空に歌えば」をリリースする。