同時に8万人がNOVELSの曲を聴いてくれた事実に鳥肌が立った

──テレビアニメ「TIGER & BUNNY」がとうとう最終回を迎えましたが、皆さんご覧になりましたか？

一同　もちろん。

──エンディングには次を期待せざるをえないような含みがありましたよね。

山田裕起（B）　そうですね。あんな終わり方されたら……。

──NOVELSの「ミッシングリンク」はアニメ後半のオープニングテーマとして使われていました。少し前の話になりますが、7月の放送初回時、キャラクターが動いてパッとオープニングテーマが始まったときの気分ってどうでしたか？

山田　感無量です。感無量です。……感無量でしたね。

──3回言うほどだったんですね（笑）。

楠本正明（G） テレビから僕らの曲が流れてくるのは初めてだったので、すごく違和感がありましたけど、でもすごくうれしかったですね。

山田　僕はUstreamで観てたんですけど、同時に8万人くらいが観てたんですよ。それだけの人がNOVELSの曲を聴いたんだと思うと、鳥肌が立ちましたね。

「ミッシングリンク」は周りの大人についても歌った曲になった

──NOVELSは2007年に結成されたということですが、3年で紡ぎあげられたバンドサウンドとは思えないほど、独特の緻密な世界観が鳴らされていると感じました。そこで、まずはどんなふうに楽曲を制作しているかについて伺えればと思うんですが、作詞作曲は竹内さんがひとりで？

竹内真央（Vo, G）　はい。ほとんどの曲は家でひとりで作ってますね。そうやって作ったものをリハーサルのスタジオに持っていって、みんなに聴いてもらって、どうやってアレンジしようかと相談していく感じで。

──着想点はどんなものなんですか？

竹内　曲によってさまざまなんですけど……本を読んでとか映画を観てとかっていうときもあるし、なんにもないところから作ったりもするし。「ミッシングリンク」は、「TIGER & BUNNY」さんから話が来て、主要キャラクターの「虎徹とバニー？」という疑問からスタートして。台本も途中までいただいたんですけど、それだけでは“ヒーロー”を歌うのに情報が足りなかったんで、「ヒーローってどういう悩みを抱えてるんだろう」って考えてみたり。

──「ミッシングリンク」は、完全にアニメのために書き下ろした曲なんですね。

竹内　そうですね。「TIGER & BUNNY」のために書いたんですけど、でも書き上げたときに「TIGER & BUNNY」とか「X-MEN」とかっていうヒーローだけじゃなくて、周りの大人についても歌った曲になったんじゃないかと感じてて。だからアルバムに「ミッシングリンク」を入れてもあんまり違和感がなかったんですよね。

──確かに、アルバムではこの曲だけ浮くということもなく作品の世界観になじんでいて、アニメのための書き下ろしというのを知りむしろ驚いたぐらいです。ところで、アルバムを作ろうという話になったのはいつ頃ですか？

竹内　「ミッシングリンク」を書いたくらい、今年2月ぐらいにはアルバムの曲を録り始めてたんですけど、まだアルバムにしようっていう話は全然出てなくて。「ミッシングリンク」が発売されたぐらいのときに、「じゃあアルバム作ろうか」みたいなことに。10月くらいに出せたらいいねっていうのだけ漠然と決まって、そこからアルバム制作を開始したんです。

山田　だからリリースが決まってなかったときは不安でしたね（笑）。

楠本　どうなってくの？みたいな（笑）。

山田　今考えると「ミッシングリンク」がなかったら出てない可能性もあるからね（笑）。どうなるかわからない状態でワーっと書いてて。あんまり言わないんですよ、会社の人たち。だから「あれ、このまま終わっちゃうんじゃない？」って気持ちもありましたよ、最初は。