ナタリー PowerPush - NOVELS
「TIGER & BUNNY」OPテーマも収録 メジャー1stアルバム「cardioid」
曲順はコイントスで決定
──ちなみにアルバムの曲順っていつ決めたんですか?
楠本 ライブの打ち上げじゃない?(笑)
一同 あはははは。
山田 最初にみんなの意見を黒板に書きだしたら全然違って、どうしようかと。家帰って考えようかってなってたんだけど、いつの間にかあれよあれよと決まった。決まったというか……。
吉田 期限が迫ってた(笑)。結局、間をとったようになって、それでだいたいみんな納得したんだけど、1カ所だけ引っかかるところがあって。それは後日打ち上げのちょっとしたノリで。
山田 コイントスで。それで決まったら運命だってことで。
楠本 最初っからコイントスでやればよかった(笑)。
一同 あははは(笑)。
──5曲目にインストの「忘却事象閲覧所」が入っています。この曲の直前がライブで人気の「Wiz」のアルバムバージョンですよね。だから展開に緩急があって、熱くなった気持ちがそこでフッと一息つく感じで。情報量が多いアルバムだけに、そこで非常にほっとしたんですね。いい曲順だなと思って。
山田 まさにそこですよ(笑)。「Wiz」の位置でモメて。本当は「心細胞学」の後ろだったんです。で、「やだー」と(笑)。それでコイントスで決めることに。
──じゃあコイントスの結果によっては「心細胞学」の後ろに「Wiz」がくることになったかもしれないんですね。
山田 ダダこねたかいがありましたね。僕だけそこの曲順で、なんか引っかかっちゃって。特別理由がなかったんで強く言えなかったんですけど、なんか引っかかる。インストまでに早すぎるとか。「Wiz」が「心細胞学」の後ろにあるのは、歌詞カードの見開きで歌詞の隣にある挿絵の流れにも沿ってたんで、真央が言ってるイメージもすげえわかったし。でも最初から全部通して聴くと、インストが来るのがちょっと早いように思えて。
──なるほど。そうやって曲順まで凝った作品ですが、完成後の気持ちを聞かせていただければ。
楠本 ついに完成かー、っていうのが第一の感想ですね。
山田 長かったもんね、録ってる期間。マスタリングスタジオで秒間見て、その場で全員でひと通り聴いて、「やっと!」っていう感じではありましたね。インディーズのときはずっと半年スパンで作品を出してたのがいきなり止まって、ライブも止まってっていう状況だったんで、もどかしさは感じてて。できたとき、家帰ってひとりで聴いたときはなんとも言えない気持ちでしたね。
ライブは自由な場であってほしい
──今後のライブで楽曲が発展していくのも楽しみです。そのライブですが、10月19日にShibuya O-nest、10月21日に名古屋APOLLO THEATER、11月13日に「TIGER & BUNNY」のイベントで神奈川県民ホールが決まっています。9月に終了した「ミッシングリンク」リリースツアーよりも大きい会場でライブをすることになりますが、どんな感じのライブにしたいですか?
竹内 ライブでこうしたいっていうのはあんまり……まあやれることが限られてるんで、今の自分たちを正直に観てもらうように。毎回そうなんですけど。あとお客さんに対してこうしてほしいみたいな気持ちは僕はなんにもなくて。どう盛り上がってもらってもいい。下向いて聴いてもいいし、手を挙げてくれてもいいし。あんまり強制したくないというか、素の状態で観てほしい。みんなそれぞれバラバラでかまわない。自由な場であってほしいなと思います。ライブは、これからもずっと。……そしたらこのあいだのライブでコイツが手拍子を煽っててびっくりしたんですけど(笑)。
山田 まばらに手拍子が聞こえたりすると、なんか俺もやりたくなるんですよね(笑)。言っちゃえば、俺が手拍子することだって自由やんっていう話になってくるわけ。
竹内 僕が、何かを強制するの大嫌いなんですよ。だから「そういう強制はライブでもしたくない」って言ったら、コイツ「すいません、こないだ手拍子やってました……」って(笑)。僕が別のほうを向いて演奏してるときに。
山田 テンション上がっちゃったんだよね。
竹内 初めてですからね。今までやったことないのに(笑)。
──山田さんはライブの盛り上げ役なんですかね? 先日拝見した渋谷DESEOのライブでもMCを振られてましたが。
山田 いや、渋谷DESEOのライブは真央の無茶ぶりがひどかったんですよ! いつも無茶ぶりはするんですけど、あの日は特にひどかったですね。まあでも僕の立ち位置が一番フリーっちゃあフリーです。コーラスは翔人がやってくれるし、自由に動ける場所も広いし。そういった部分では、俺が盛り上げ役なのかな?とは思ってます。なんかお客さんがワーってなってるのを見るのが好きなんですよ。だから一緒になってワーってなっちゃう(笑)。
──それは竹内さんが「みんな自由に楽しんでほしい」というように、山田さんなりの自由なんでしょうね、きっと。
山田 そうなんです(笑)。
竹内 客目線(笑)。
山田 ただのファンみたいなもんなんで(笑)。
僕、理系なんです
──最後にアルバムタイトルについて聞かせてください。そんなNOVELSのメジャー1stアルバムにつけられたのは「cardioid」、心臓型という意味を持つ単語です。これにはどういった意味が?
竹内 僕、理系なんです。
楠本 嘘つけ!(笑)
竹内 (笑)。いや、歌詞でも結構理系の言葉を使うのが好きで。自分が文系だからか、理系の言葉に惹かれることが多いんです。
──cardioidには「マイクの指向性」という意味もありますよね。いろいろな解釈のできる歌詞を書かれる竹内さんだからこそ、タイトルにも複数の意味を込めたのかと思ったのですが。
竹内 そのとおりです!
山田 絶対、今考えただろ(笑)。
CD収録曲
- 遊星オペラサーカス
- umbrella
- 双生児
- Wiz -Album ver.-
- 忘却事象閲覧所
- 心細胞学
- ミッシングリンク
- Mouth of providence
- コーカス・レース
- 星と君とマーブル模様のこと
- グーイグーワ
NOVELS(のべるず)
竹内真央(Vo, G)、楠本正明(G)、山田裕起(B)、吉田翔人(Dr)の4人からなるロックバンド。全員、現在も出身地である愛知県在住。2007年10月に結成され、インディーズでシングル「鏡の国の二人e.p.」「Wiz e.p.」、アルバム「From the bad lands for Mrs. Witherspoon」「My blood is Your blood.」をリリースし、歌詞の深遠な世界観と確かな演奏力で徐々に人気を博す。また2010年1月に発表したTSUTAYAレンタル限定シングル「レムリア e.p.」では、東海地区での当時のTSUTAYA無料レンタル記録を塗り替え、注目を集めた。
2011年8月に、テレビアニメ「TIGER & BUNNY」のオープニングテーマ曲「ミッシングリンク」にてトイズファクトリー / muff toneよりメジャーデビュー。10月にメジャー1stアルバム「cardioid」を発表する。