虹のコンキスタドール「Winter Love, Like Summer!~RAINBOW JAM2021-SUMMER SHOWER-~」インタビュー|7周年イヤーに手に入れた大きな変化と成長 (4/4)

めちゃくちゃいい子なのに、なんでフラれたんだ!

──新曲「ナミダ、あわ雪」について、皆さんからも注目ポイントを教えていただければと思います。

蛭田 配信ジャケットが私の顔面のドアップなんです。失恋曲ということで泣いている顔になっていて、この表情が曲のどの部分に一番合うのかなと考えながら聴いたんですけど、2番の「君と 買った おそろいのキーホルダー 捨てられない」の部分とか、楽しかった思い出を思い浮かべながら泣いているのかなと想像しました。あと「さようならよりも ありがとうかな」という歌詞もジャケ写にマッチしていると思います。

蛭田愛梨

蛭田愛梨

──前作の「恋・ホワイトアウト」しかり、蛭田さんは冬曲でフィーチャーされることが多いですよね。

清水 私は「恋・ホワイトアウト」からストーリーが続いているのかなと勝手に思っています。話が完全につながらないところもあるんですけど、前回の曲でフラれて、「ナミダ、あわ雪」はその後の話なのかなって。こんなかわいいのにフラれちゃって……。

鶴見 もうブチギレてますよ。「めちゃくちゃいい子なのに、なんでフラれたんだ!」と憤りを感じています。理解できない!

蛭田 私、不憫なイメージが合うのかな……。

清水 あれからなんやかんやあって一旦はうまくいったけど、また別れちゃったのかな?とか、いろいろと考察が捗りますね。少女マンガが大好きなので。この間個人でネットで配信をやったとき、ファンの方にリクエストをいただいて、最初の冬曲から「ナミダ、あわ雪」までぶっ通しで歌ってみたんですよ。歌詞を見ながら歌ったから、いつも以上にその意味を考えちゃって。最初の「ふたりのシュプール」では「君ととろけそうな恋したいな」と言っていたのに、どんどんフラれていって、めっちゃかわいそうじゃんって思っちゃった(笑)。「来年どうなっちゃうんだろう。新しくいい人が出てくるのかな」と、期待も膨らみますね。

鶴見 夏曲も恋のストーリーがつながっていて、その女の子の成長が虹コンと重なる部分があるんです。私たちも成長したからこういう大人な曲を歌えるようになったわけで、そういう意味では愛梨ちゃんが一番成長を感じられるんだと思います。「わー、こんな大人な曲を大人な顔で歌えるようになって!」って。

鶴見萌

鶴見萌

大和 愛梨ちゃんは声色が変わったなと思います。昔は赤ちゃんみたいな声だったのに、今はこういう失恋曲が似合うようになりました。

清水 右も左もわからなかった虹コンが、こういう曲をしっとりと歌えるようになって、ホントに表現の幅が広がったことを実感します。そもそも昔だったら、もふくさん(虹コンやでんぱ組.incを手がけるプロデューサー・もふくちゃん)が「虹コンにはまだ無理だよ!」って曲は省いていたと思うんですよね。今の私たちなら歌える、と信頼してくれているならすごくうれしいし、「勢いだけでなんとかやるぞ!」という時期から成長したのかなと感じます。

鶴見 虹コンはずっと夏曲と鉄板曲の「トライアングル・ドリーマー」に頼ってライブをしてきた印象があったと思うんですけど、2021年はそういう曲をまったく披露しないライブもあったんです。それでお客さんも楽しんでくれて、勢いから脱却して大人になったのかなと感じています。

──石原さんは「ナミダ、あわ雪」が初めてのレコーディングだったんですよね。ほかのメンバーが感じている大人への成長とは別の新鮮な感想を抱いたと思うのですが、実際どうでしたか?

石原 今までレコーディングをしたことがなかったので、すべてに対して「私、アイドルになったんだな」という気持ちになりました。自分では声を出しているつもりでも、声量が足りなかったり、思っていた以上に大変でしたね。

10年後の虹コンメンバー

──続いてほかの収録曲の紹介もお願いします。1組目には「終末でーと部!」について熱く語ってもらったので、ここではもう1つの新曲「BE MYSELF」の話をぜひ。

鶴見 「BE MYSELF」は10年後の虹コンが歌っているという設定の曲なんです。この曲の中の子はもうアイドルをやっていなくて、昔を懐かしんでいる。それは全然マイナスな気持ちではないんですけど、やっぱりちょっと切なかったり物悲しかったりして。そういう感情をディスコ調のサウンドに乗せて歌っていて、サビでは「朝まで踊ろう!」というノリになっている。そのギャップがまたエモみを演出しているんです。曲が届いたときから、みんなこの曲が大好きだよね。

大和 聴けば聴くほど今までの思い出がよみがえってきて泣けるんです。

蛭田 寂しい気持ちを明るく歌っているのが、逆に悲しくなってきます。

清水 「青春は過ぎるもの」という歌詞があるんですけど、10年後も今ここにある時間は色褪せない、過ぎていくからこそこの瞬間がかけがえのないものなんだ、ということが私たちにもファンの皆さんにも伝わるような曲になっています。「ずっとサマーで恋してる」で「今を生きる わたしたちは 無敵だっ!」と歌っていたり、虹コンの曲には訴えかけるような歌詞がたびたびあるんですけど、今回は特にメンバーにもファンの方にも刺さる曲なんじゃないかなって。それ以外もかけがえのない青春を経験した人は、誰しもこの曲を聴いて大号泣しちゃうと思います。

清水理子

清水理子

大和 30代になったら、自分はきっと今よりも落ち着いてると思うんです。「BE MYSELF」を聴いたらサビのわちゃわちゃしてるところで虹コンの元気さがよみがえってきて、きっと泣くんだろうなと想像しています。

清水 NOBEさんが歌詞を書いてくださったんですけど、どうしてこんなに私たちがリアルに想像できるような歌詞を書けるんだろうと驚きました。「お決まりだったフリルのミニスカート どこにしまったかなぁ」とか、まだ現実に起こってないのにすごく想像できるんですよ。

大塚 私はレコーディングのとき、タンスを思い浮かべました(笑)。

鶴見 歌詞の初稿では「仕事帰りにピラティスに行って、家でワインのボトルを開けた」みたいな歌詞になっていて、もふくさんが「虹コンはこうじゃない!」と言ってはねたらしいです(笑)。その結果、虹コンに馴染む曲になりました。

山崎 私は将来、この曲のようになっていたいなと思いました。アイドルをやっていてつらかったことを思い返すんじゃなくて、楽しかったなと前向きに感じてるじゃないですか。引きずっているだけじゃなく、ちゃんと今の自分を生きていくという意思も見えるので、ホントに強い子だなと尊敬します。アイドルでいた自分をちゃんと誇りに思っている。「BE MYSELF」はアイドル全員に共感してもらえる曲だと思います。

石原 私は虹コンに入ったばかりなので、先輩方と比べたら曲に対する共感はまだそんなにないんですけど、自分も後悔ないようにアイドルをかんばって、この曲の主人公のようになれたらと思いました。

──大塚さんは一度卒業を経験しているだけに、この曲がより胸に響くんじゃないですか?

大塚 そうですね。辞めたあともう1回加入した今のルートじゃなく、そのまま一般人として生きていたルートだったら、この曲を聴いて泣いていたと思います。

鶴見 この曲のようにアイドル時代を思い返せるよう、ちゃんと気持ちのいい形でアイドルをまっとうしようと元気付けられますね。

清水 でも、虹コンメンバーはきっとみんな結婚できないだろうから、みんなで老人ホームを作ろうと話してるんです。そこでミラーボールを設置して踊るしかない(笑)。

山崎 死ぬまで虹コンメンバーと一緒ってこと!?(笑)

結婚式はないけど、私、日本武道館でライブやるから!

──日本武道館公演の開催が決定したことを知らされたとき、一同シーンとなったと1組目のインタビューで聞いたのですが、皆さん的にはどういう心境だったんでしょう?

鶴見 私たちはなんでも真に受けて考えちゃうので、「何をすればいいかな……」とか、その先に頭がいって固まっちゃいました。

清水 ホントにその場の空気が止まった感じがしたよね。

山崎 一生忘れないと思う。あの感覚。

山崎夏菜

山崎夏菜

蛭田 伝えられたときに、頭の中でその言葉の文字起こしができなくて、右から左にスッと流れていきました。それで全員シーンって。

清水 スタッフさんが重いカメラを持って撮影してたのに、ちゃんと正しい反応ができなかった(笑)。

山崎 ちゃんと正しい反応すればよかったー。

──何が正しいリアクションなのかはわかりませんが、大喜びしたり、泣き崩れたりするのが普通かもしれませんね。

清水 それくらいガチの反応だったんですよね。もふくさんもそれに困惑してました(笑)。

鶴見 第一声が歓喜の声じゃなくて、何かの質問だった気がします。「いつ発表するんですか?」とか。

──では楽しみな気持ちよりも、現実的な不安のほうが大きい?

鶴見 日本武道館のステージに立つからには、根本的なスキルからちゃんとしなきゃいけないということで、メンバーそれぞれボイトレをやるようになったんですよ。人として生まれ変わらなきゃいけないくらいの感覚がありますね。体作りもしっかりやって、パフォーマンスのための筋肉を付けることを考えてるメンバーもいます。

左から山崎夏菜、清水理子、鶴見萌、大塚望由、蛭田愛梨、大和明桜、石原愛梨沙。

左から山崎夏菜、清水理子、鶴見萌、大塚望由、蛭田愛梨、大和明桜、石原愛梨沙。

──石原さんは加入して間もないですし、かなり急展開の人生ですね。

山崎 加入から1年経ってないときに日本武道館のステージに立つってことだよね。すごい……!

石原 日本武道館でワンマンをやると聞いたときは頭の中が真っ白になりました。でも、そこから細かい振りのレッスンをするようになって、日本武道館に向けた練習を始めています。

清水 もふくさん本人は覚えてないと思うんですけど、以前ある曲のレコーディングで「ここはしみちゃんに日本武道館で気持ちよく歌ってほしいんだよ!」と言われたことがあるんですよ。それを果たさなきゃいけないと思いつつ、めっちゃ高音のパートなので今の実力だと気持ちよくじゃなく、苦しく歌うことになってしまいそうで。日本武道館までがんばらないといけないですね。……私、今25歳なんですけど、友達がどんどん結婚していって結婚式に呼ばれるんですよ。でも私は結婚式じゃなくて、地元の友達を全員日本武道館に呼んでやります。「結婚式はないけど、私、日本武道館でライブやるから!」って。

山崎 わー、カッコいいー!

大塚 鳥肌立った!

ライブ情報

Over the RAINBOW~なんたってアイドルなんですっ!!~ in 日本武道館

  • 2022年4月16日(土)東京都 日本武道館
  • 2022年4月17日(日)東京都 日本武道館
虹のコンキスタドール
虹のコンキスタドール

プロフィール

虹のコンキスタドール(ニジノコンキスタドール)

自分たちが思う「かわいい!」や「好き!」を追い求めるインドア系正統派アイドルグループ。通称、“虹コン”。2017年4月に映画「聖ゾンビ女学院」の主題歌を収めたDVDシングル「✝ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド✝」でキングレコードよりメジャーデビューした。2018年よりディアステージに所属している。同年12月に「結成5周年プロジェクト」の一環としてベストアルバム「THE BEST OF RAINBOW」を発表。2019年7月には神奈川・神奈川県民ホールにて初のバンド編成ワンマンライブ「RAINBOW JAM 2019」を開催した。2021年4月に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行ったワンマンライブ「いつかキミと見たミライより遥か」にて大塚望由と桐乃みゆを新メンバーとしてお披露目。夏に結成7周年記念作品「RAINBOW SUMMER SHOWER」を発表したほか、石原愛梨沙と神田ジュナもメンバーに加えて総勢14人体制に。2022年1月にライブBlu-rayとシングルCDをセットにした作品「Winter Love, Like Summer!~RAINBOW JAM2021-SUMMER SHOWER-~」をリリースし、4月16、17日には東京・日本武道館でワンマンライブ「Over the RAINBOW~なんたってアイドルなんですっ!!~ in 日本武道館」を行う。