虹のコンキスタドールがニューアルバム「レインボウグラビティ」をリリースした。
現在の12人体制になってから2周年を迎えた虹コン。安定した状態を保ちながら新規のファンを獲得し続け、まさに上り調子にある彼女たちは、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う外出自粛期間中も各メンバーの個性を生かした動画をアップするなど、“インドア系・正統派アイドルグループ”としての強みを生かして前進を続けている。そんな虹コンの約2年半ぶりのオリジナルアルバムは、新曲の「夕暮れグラデーション」や「ワンルームマジック」を含む全17曲を収めたボリュームたっぷりの作品に仕上がった。
音楽ナタリーでは岡田彩夢、鶴見萌、的場華鈴の3人に“STAY HOME”期間中の活動やアルバムの収録曲について話を聞いた。
取材・文 / 近藤隼人
家にいることが苦にならない
──新型コロナウイルスの影響によりライブ活動ができない状況が続いていますが、正直なところモチベーションは下がっていませんか?(取材は緊急事態宣言下の5月下旬にリモートで実施)
岡田彩夢 それが、むしろモチベーションが上がってるんですよ。
的場華鈴 爆上がりです!
岡田 早くライブをしたいという感情があふれていて、「こんなにいいものを届けられていないなんて!」という気持ちでいっぱいなんです。でもそのフラストレーションが、モチベーションの上昇を加速させていますね。
鶴見萌 以前、私はあまり積極的にSNSをやらないタイプの人間だったんですよ。オフの日はTwitterにまったく投稿しない、みたいな。でも外出自粛期間に入ってからはツイートするようになったし、自分で撮って編集した動画をYouTubeに上げるようになって。自分を見つめ直すきっかけになったというか、活動に対する意欲が湧いてきて、いろんなことに挑戦するようになったんです。なので、とても有意義に毎日を過ごせています。
的場 なんだか虹コンのことばっかり考えちゃうんですよね。これまでは毎日を過ごすのに必死でしたが、今は余裕を持って物事を考えることができて、いろんな願望が湧いてくるんです。
──人によってはずっと家にいることでダウナーな状態になることもあると思います。皆さんはいかがですか?
的場 虹コンはもともとインドアな人たちの集団なので(笑)。
岡田 家にいることが苦ではないんですよ。
鶴見 みんな工夫していろんなことを発信していて。私は次から次にやりたいことがあふれてくるので、プライベートと同じように時間を使ってるというか、自分がやりたいことを楽しくやっている感覚です。
──鶴見さんはコロナ禍真っただ中である4月に1stソロ写真集「le germer」(ル・ジェルム)を発売しましたね。
鶴見 あー、それは正直残念でしたね。ホントはイベントをたくさんやって、遠征で各地を回る予定だったので。虹コンのことを知ってもらえる機会を作れただろうし、悔しい時期に重なっちゃったなという思いはあります。書店の店頭に写真集が積まれているところも見れていなくて。
メンバーのことを強制的に覚えてもらおう
#理想のだぁやめ
— 岡田 彩夢@虹のコンキスタドール (@okada_ayame) April 12, 2020
「メイク動画(前半)」
ガチすっぴん太郎 恥は捨てた pic.twitter.com/kzoBq7COPh
──岡田さんはメイク動画や髪をセットしている動画もアップしていましたが、これも自発的に?
岡田 正直、私は今不得意なことばかりやっていて……(笑)。ファンの方に動画の内容についてリクエストを募った結果なんですけど、虹コンは女子力が高いグループではないし、ピンチだなと思いながら始めました。そしたら、やっぱり「メイク道具を使う順番がおかしい」とか言われてしまって(笑)。
鶴見 えー!(笑)
岡田 「こっちは不得意なことにがんばって挑戦してるんだよ!」と思いつつやってます(笑)。でも、いろんなリクエストにがんばって応えていたら皆さん喜んでくれて。挑戦してよかったなと思います。
──的場さんはひたすらメンバーのことを紹介する動画を上げていましたね。
的場 ライブやイベントで虹コンについて発信できる機会が少なくなってしまった分、みんながSNSをめちゃくちゃ見てるこの時期に虹コンメンバーのことを半強制的に覚えてもらおうと思ってあの動画を作りました。虹コンのことを知ってはいるけど、メンバー12人全員について覚えられないという人はたくさんいると思うので、これを機に虹コンに対しての知識の幅を広げてもらいたいなと(笑)。
虹コンにとっての快挙
──今の12人体制になってから2年が経ちました。去年のインタビューで「虹コンは黎明期が長かった」と語っていましたが、メンバーの入れ替わりなく安定して前に進めているのはかなり感慨深いことなのでは?(参照:虹のコンキスタドール「愛をこころにサマーと数えよ」インタビュー)
的場 めちゃくちゃその通りです……! これは虹コンにとって快挙なんですよ。だからTwitter上でも祭りのようになって。
鶴見 「ホントにこの12人で進んでるんだ!」と感動しました。去年の現体制1周年のときですら大騒ぎだったのに。
岡田 この2年でファンの方が増えましたし、メンバーの変動がないことがグループとしてのスキルアップにつながったと思います。絆の面でも強くなったので、すごくいい傾向だと思います。
──2年間で何が一番変わりましたか?
的場 昨年末にグループの目標だったZeppワンマンをやったんですけど、それって結成時からの目標だったので、途中から入ってきたメンバーは一緒に走りながらも、先輩たちが掲げたものに付いていくような感覚だったらしいんですよ。実際、一番後に加入した山本莉唯ちゃんはZeppのときも夢が叶ったという感覚はなかったと言っていて。で、そのZepp公演で「武道館でライブをやりたい」という次の目標を宣言したんですが、今の12人全員の目標ができたことは虹コンにとってすごく大きい出来事だと思います。
岡田 確かにそうですね。
──パフォーマンス面だと昨年7月に神奈川・Yokohama Bay Hallで行われた公演で約50分の“推し曲メドレー”をノンストップで披露するなど、“体力おばけ”と言われるようにもなりましたね。
鶴見 特別みんなで特訓をしてるわけではないんですけど、自然と体力が付いてきたり、動きがそろったりするようになって。それはやっぱり、みんなが同じ方向を向いているからなのかなと思います。
岡田 虹コンは毎年夏曲を発表していますが、インドア系なのに夏曲だとすごくアグレッシブになるのがいいところだと思うんです。夏曲ってキーが高くてテンポが早いうえ、振り付けがめっちゃ激しいんですよ。曲によってはアクロバット的な要素もあるので、その積み重ねで鍛えられてきた部分もあるんじゃないかな。
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“エモさわやか”な曲が欲しかった