社会問題を扱うライダーをもう一度(押田)
──ここからは皆さんに自由に想像していただければと思います。ゲスト発表のたびにSNSで大きな反響があった「ジオウ」は、今の時代にすごくマッチした作品でした。これから先、令和の時代の新たなライダーは、どんなヒーローになっていくと思いますか?
渡邊 実は、今回の劇場版には次の新仮面ライダーが登場するんです。だから僕ら、ちょっと見ちゃってるんですよね……(笑)。
奥野 そう、見ちゃったんです! だから「仮面ライダーゼロワン」(参照:令和ライダー第1弾「仮面ライダーゼロワン」主演は高橋文哉、主人公はAI企業社長)よりもっと先の作品を考えるとしたら……やっぱりもっと未来的でハイテクなライダーになっていくんじゃないかな? 僕らはタイムマジーンで自由に時を行き来しますが、それよりもずっと未来の話が出てくるかもしれない。あと、逆に時代をさかのぼって、昔の話をやるのも面白そう。
大幡 それ、面白そう!
押田 さかのぼるのは面白そう。「ジオウ」に出てきた「仮面ライダーキカイ」の世界観がすごく面白かったんですよね(参照:「仮面ライダージオウ」キカイダー&ザミーゴこと入江甚儀、仮面ライダーキカイに変身)。あれは2121年という設定なんですが、あえてすべて昭和っぽく描かれていたのが意外でした。未来の世界がすべてすぐれたものになるとは限らない、という考え方もいいですよね。
渡邊 僕は、ベルトがなくなる可能性もあると思うんだよね。
押田 いや、それはないんじゃない!?
奥野 いやあ、それはないでしょー!! なになに、ベルト否定派なの!?
渡邊 いやいや違うよ! 勝手に想像していいコーナーなんだってば!(笑) ベルトに何かを装填するっていうアナログな方法じゃなくて、もっとCGグラフィックを使って変身するようになるのもいいかなって。
押田 ウォズみたいな仕様?
大幡 グラフィック……?
渡邊 例えば腕時計に手をかざしたらホログラムのボードが出てきて、ピッて操作すれば、装備が出てくるみたいな! そういうのって、未来的な表現としてもよく出てくるし、人類の憧れみたいなところがあるじゃないですか。ちょっとアメコミヒーロー的な感じになっちゃうけど、それもかっこいいと思う。グッズ化するのが難しいかもしれないですけど……。
──そういった技術が日常的なものになれば、おもちゃから実際にホログラムを出すことも可能になるかもしれませんね。
渡邊 そうですよね。
押田 あと僕は、もう1回社会問題を扱うような作品をやってほしいです。平成仮面ライダーの第1期はけっこうそういった部分に切り込む作品が多かったですよね。でもやっぱり子供が観る番組だから、難しい要素は減ってきていて……。あれから10年経っているので、今ならまた違う問題を扱えるんじゃないかと思うんです。「ゴジラ」だって戦争や原子力の問題を描いているわけですし。
渡邊 お前が戦争もの好きなだけ説!(笑)
押田 (笑)。でも、現実的な問題とつながる内容を描いたら面白いと思うんですよ!
奥野 差別みたいな問題を扱うのは興味深いかも。難しいとは思うけど……。
押田 そうそう! 人間とオルフェノクの対立を描いた「仮面ライダー555」はそういう内容だったじゃん。
──大幡さんはいかがですか?
大幡 令和ライダー、難しいですね……。
渡邊 それこそ、女の子のライダーとかね。
大幡 なるほど。女の子ライダーいいですね。
奥野 どんなライダー?
大幡 うーん、空飛びたいです!
渡邊 いや、それ自分の願望じゃん!
一同 (笑)
大幡 でもそういう能力があったら戦いやすそうじゃないですか? 女の子は空を飛べる、みたいな!
渡邊 男は飛べない!?(笑)
──ガジェットではなく、特殊能力で戦うということですかね。
奥野 「(美少女戦士)セーラームーン」みたい!
大幡 そうそう、そういう感じの。
押田 確かに、みんながそれぞれの特殊能力を持ってる、みたいな仮面ライダー作品はないかも。面白そう。
僕らも楽しみにしています!(奥野)
──では最後に代表して、奥野さんに伺います。映画を楽しみにしているファンの方々へ、見どころを伝えるとしたら?
奥野 僕としては印象的な場面がすごく多くて、ウォズと1対1で話すシーンや、ゲイツとツクヨミと3人になるラストシーンが見どころだと思います。テレビシリーズを観てくれている方々にも、必ず「よかった」と思ってもらえる作品ができたと自負しているので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。
──ちなみに、皆さんはテレビシリーズ最終回の展開はすでにご存知なのでしょうか……?(※この取材は5月下旬に行われた)
押田・大幡 まだ、知らないんです!
渡邊 どうなるんですかね。
奥野 そうだね。僕らも楽しみにしています!