映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」|脳みそを置いて劇場へ!映画ライター3名が語る、クレイジーすぎる“極”悪党たちの100%不可能な極秘ミッション

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズで知られる“ぶっ飛んだ天才”ジェームズ・ガンの監督作「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」が8月13日に全国で公開される。

本作は、首の後ろに爆弾を埋め込まれたクレイジーすぎる“極”悪党たちが、減刑と引き換えに世界を脅威から救うための極秘デスミッションに臨むサバイバルアクション。ハーレイ・クインをマーゴット・ロビーが演じ、イドリス・エルバ、ジョン・シナ、ジョエル・キナマン、ピーター・カパルディ、シルヴェスター・スタローン、ヴィオラ・デイヴィスがキャストに名を連ねた。

この特集では映画ライターの猿渡由紀、SYO、よしひろまさみちの座談会を実施。すべてが“ぶっ飛んだ”本作への期待を語り合ってもらった。

取材・文 / 小澤康平

ルール無用の天才反逆児ジェームズ・ガンによる“新生”スーサイド・スクワッド

「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」

全員終身刑のクレイジーすぎる14人の悪党が、減刑と引き換えに政府の超危険な極秘ミッションに挑むさまを描いた本作。2016年公開「スーサイド・スクワッド」から独立した“新スースク”の物語を、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズで知られるジェームズ・ガンが大規模な戦闘と爆発、ノリのいい音楽、悲壮感のない色彩豊かな映像によって、刺激たっぷりのサバイバルアクションに仕立て上げた。もちろん、ガンならではのエッジが効いたユーモアも盛りだくさん!

クレイジーすぎる“極”悪党VS超危険な“極秘ミッション”

「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」

“悪カワ”ハーレイ・クインをはじめ、最強のスナイパー・ブラッドスポート、誰彼構わず食べることにしか興味がないキング・シャーク、敵をすべてチーズに変えてしまう最強の陰キャラ・ポルカドットマン、平和のためには暴力もいとわない超矛盾キャラのピースメイカーらぶっ飛んだ悪党が、地球規模の脅威を排除するというミッションのために独裁国家が統治するコルト・マルテーゼ島へ。首の後ろに爆弾を埋め込まれ、命令に背けば即死、ミッション失敗でも即死の彼らを待ち受けるのはとてつもなく巨大な敵⁉ 3月に公開された特報ではその体の一部が一瞬だけ確認でき、モニター越しに監視していた本部のスタッフが「カイジュウ」と叫ぶシーンも。奇跡のように噛み合わない会話、飛び交うカオスなディスり合戦……彼らは世界を救う気があるのか? そして彼らが立ち向かう敵の正体とは⁉

猿渡由紀×SYO×よしひろまさみち 映画ライター座談会

マーベルでは見られないものを

──2018年10月にジェームズ・ガンが本作の脚本を執筆すると報じられ、その後監督を務めることも発表されました。そのことを知ったとき、どう思いましたか?

SYO 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」3作目の監督を解雇された直後の出来事でしたよね(※編集部注:過去にTwitterに投稿した内容が不適切だったとして、ウォルト・ディズニー・スタジオは2018年7月にガンを解雇。その約8カ月後の2019年3月、ガンが監督に復帰することが発表された)。まず感じたのは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の監督がDCコミックス原作の映画を手がけるのは面白そうだということ。はみ出しものである悪党たちを描く映画が、はみ出してしまった監督を拾い上げる構造にも「おお!」と思いました。

猿渡由紀 捨てる神あれば拾う神ありですよね。あの頃は発言内容などが原因で首を切られる人が多かったんです。その中で、昔のツイートを掘り起こされて解雇されたジェームズ・ガンに関しては、かわいそうという風潮がアメリカではありました。

よしひろまさみち あたしの周りにも「それはちょっとやりすぎじゃない?」という声が多かった。でもまさかDC映画の監督として拾い上げられるとは思ってなかったです。

猿渡 マーベルの監督であるジェームズ・ガンをDCの監督として引き入れるチャンスはあのときしかなかっただろうし、その後ガンは「ガーディアンズ」の監督にも復帰できたし、1周回ってめでたしめでたしって感じですよね。

よしひろ 結果として両方のユニバースで監督を務める人が生まれたというのは、とてもいいことだと思います。どんな業界であっても、お抱えってよくないじゃないですか。

SYO そうですね。ヒーロー然としていない「ガーディアンズ」ってMCU作品の中ではDCっぽさがあるし、ジェームズ・ガンが「スーサイド・スクワッド」を手がけることに「これは相性がいいぞ!」と感じた方は多いと思うんです。そのうえで、ガンならマーベルでは見られないものを見せてくれるだろうと。

よしひろ 2016年の「スーサイド・スクワッド」にザック・スナイダーは製作総指揮として参加していますが、監督は「エンド・オブ・ウォッチ」「フューリー」で知られるデヴィッド・エアーです。あの作品を観たとき、ザック・スナイダーが仕切っているDC映画の中では異色で、監督のやりたいことを存分にやっていると思ったんですよね。そんな「スーサイド・スクワッド」を新たに構築した物語の監督として、ハリウッドの中でもエッジの効いたユーモアが持ち味のジェームズ・ガンを引っ張ってこれたのはラッキー。正直、DCコミックス原作の映画ってMCUと比べると暗いイメージがある。アメコミのファンが多くいない日本ではちょっと取っつきにくかったと思うんです。近年は「ワンダーウーマン」や「シャザム!」、「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」などこれまでのDC映画とは異なるテイストの作品が製作されていて、それは5年前の「スーサイド・スクワッド」がゲームチェンジャーだったということだと思うんですが、ガンの今作はさらにゲームチェンジしてくれる可能性を秘めてますよね。

猿渡 この間、プロデューサーに話を聞く機会があったんです。「今作はリブートでもなく続編でもなく、ジェームズ・ガンの『スーサイド・スクワッド』」だと言ってました。

よしひろ うまいこと言うわね(笑)。

キング・シャークのギャップがたまらない

──まだ伏せられている部分もありますが、現時点で「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」にどんな印象を抱いていますか?

左からブラッドスポート、キング・シャーク。

よしひろ キャラクターのデザインが面白いですよね。デヴィッド・エアー版も十分に面白かったし、個人的にはカーラ・デルヴィーニュ演じるエンチャントレスがすごく好きだった。ただ2016年版には、取って付けたようなユーモアしか入っていなくて。なんでそう感じるんだろう?とのちに考えてみたら、そもそものキャラクターのルックが真面目すぎるの。でも今作って全員ぶっ飛んでるでしょ?(笑) ジョン・シナとかひどい格好させられてるし、なんつっても一番かわいいのがキング・シャーク。

猿渡 (シルヴェスター・)スタローンが声を当ててますね。

よしひろ そう! 声はスタローンなのにめちゃめちゃかわいい見た目なのがギャップ萌えで。1人だけおじいちゃんになってしまうから、ルックの観点から本人を出せないのはわかるんです。最初に予告を観たとき、ちらっと映った姿で「何今の!?」と思って、全身を見たときに造形がかわいすぎて惚れました。ぬいぐるみになったら買いたい!

SYO あはははは(笑)。

猿渡 キング・シャークは、ジェームズ・ガンがスタローンの声をイメージして書いた役みたいですよ。ガンがスタローンに直接「すごく頭の悪い肉食のサメ役を、あなたをイメージして書いたんだ」って。そしたらスタローンは「え、俺をイメージしたの? まあいいや。君の映画なら出るよ」と。

よしひろ へえー! 初対面の監督だったら、スタローンにブチ切れられてますよね(笑)。

SYO 「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」に出ていたスタローンが、今作に出演していることにもテンションが上がりますよね。スタローンは自分のInstagramアカウントでも映画の告知をしていて、そのファミリー感もいいなと。「ガーディアンズ」でヨンドゥを演じたマイケル・ルーカーも、接近戦の達人サヴァント役で出演していますし。

よしひろ ジェームズ・ガンってものすごく愛されキャラですよね。俳優からもスタッフからも愛されていて、彼が声を掛けたら絶対に出てくれそうな感じがある。

SYO あとやっぱり僕は、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインにもう一度スクリーンで会えることがうれしいです。日本でここまでアイコニックな存在になったのは驚きですけど。

よしひろ 2016年の「スーサイド・スクワッド」の公開前、ジャレッド・レト演じるジョーカーがハロウィンキングになるんじゃないかとうわさになっていたけど、実際はハーレイのほうが圧倒的に人気だった。マーゴット本人に「絶対ハロウィンで流行るよ!」と取材時に言ったら、彼女は「それを狙ってるんだよね!」と(笑)。マーゴットの思惑通り世界に波及したのは、それだけ魅力的なキャラクターだってことですよね。たぶん10年前の映画にハーレイが出ていたら、男尊女卑の世界で描かれるキャラクターになっていたと思うんです。でもマーゴットが演じるハーレイは自立していて、現代の女性とリンクする点があることも世界的に人気を誇る理由だと感じます。