本仮屋ユイカ×早乙女太一が語る「バツイチ2人は未定な関係」の魅力、結婚も恋愛もいらないけど…男は欲しい!という願いが生んだ新たなラブストーリー

本仮屋ユイカと早乙女太一が初共演を果たすドラマ「バツイチ2人は未定な関係」の「『ふつう』、やめます!編」が1月4日にテレビ朝日系でオンエア。その放送終了後から「人生は二択じゃない!編」がTELASA (テラサ)で独占配信されている。近由子のマンガを原作にした本シリーズは、「結婚も恋愛もいらない! けれど必要なときに一緒にいてくれる男が欲しい!」と公言するバツイチ女性・藤田真実が、同じ価値観を持つ同級生のバツイチ男性・中村修吾と再会し、恋人でも家族でもない、“名もない関係”を築いていく姿を描くラブストーリーだ。

映画ナタリーでは本シリーズの放送・配信を記念して、真実役の本仮屋と中村役の早乙女にインタビューを実施。ドラマの魅力や演じる役との距離を語ってもらった。

取材・文 / 前田かおり撮影 / 清水純一

TELASA関連記事まとめはこちら

地上波版とTELASA版、2つで1つの作品(早乙女)

──人生の再スタートを切るバツイチ男女の姿を描く「バツイチ2人は未定な関係」は地上波放送と動画配信プラットフォームTELASA(テラサ)での配信が連動したドラマになっています。お話を聞かれたときはどう感じましたか?

本仮屋ユイカ 面白い試みですよね! 企画を聞いたときはとてもうれしかったです。地上波で観た人たちがTELASAで続きを観てみたいって思う、そういう力のあるドラマだと思ったので。

本仮屋ユイカ

本仮屋ユイカ

──どちらも見どころ満載ですよね。TELASAオリジナル版のみに、犬飼貴丈さん演じる“嫌味なイケメン眼鏡男子”牧野が登場しますが、すごく個性的なキャラクターでぜひチェックしてほしいと思いました。早乙女さんはいかがですか?

早乙女太一 実を言うと、最初はよくわかっていなくて(笑)。最近はテレビで放送されたあとに、見逃し配信されることが多いから、そういう企画なのかなと思っていたんです。でも、このドラマはそうではないんですよね。もちろんそれぞれ1つの作品として楽しめるんですけど、僕の感覚としては、地上波版とTELASA版、2つで1つの作品。前編、後編みたいな感じで、視聴者の方に楽しんでもらえるドラマだなと思っています。

早乙女太一

早乙女太一

──タイトルの響きに加え、バツイチ同士の同級生が再会するという設定からライトなラブコメディを想像しました。ところが、「結婚も恋愛もいらない! けれど、必要なときに一緒にいられる異性が欲しい!」という男女が、友達でも恋人でも家族でもない関係を築いていくという物語で、ラブストーリーでありながら、親や周囲との人間関係などいろんなことを考えさせられます。お二人はこの作品のどんなところに魅力を感じましたか?

早乙女 プライベートで、「彼女じゃなくてもいいんだけど……」「彼氏じゃなくてもいいんだけど、一緒にいる相手が欲しい」という話をよく聞くんです。僕自身は、ちゃんと付き合いたいタイプだから、その感覚がまったくわからないんですけど。でも、わからない感覚のまま、この作品に参加することで、そういった人たちの心情を見つめることができるんじゃないかなと思えて、そこに魅力を感じました。

本仮屋 私は、最初に近由子先生の原作マンガを読ませていただいたんです。真実の生き方にとても共感しましたし、いろんなことに気付かされました。真実と同じように、私のことをあまり知らない人から「結婚しないの?」と聞かれることって実は嫌だったんだなと。人生の中でそういう機会が訪れれば幸せなことだけど、それがマストだと思っていなくて。質問されれば普通に答えてきたし、そこに悲しさもつらさもなかったんです。でも、そうじゃない、私にとっては聞かれることがストレスだったんだなって。

左から本仮屋ユイカ演じる藤田真実、早乙女太一演じる中村修吾。

左から本仮屋ユイカ演じる藤田真実、早乙女太一演じる中村修吾。

左から早乙女太一演じる中村修吾、本仮屋ユイカ演じる藤田真実。

左から早乙女太一演じる中村修吾、本仮屋ユイカ演じる藤田真実。

──結婚しないんですか?という質問に、何か思うところがあったんですか?

本仮屋 ないと思っていたんです。でも、真実と中村は軽く流してしまいがちなことに真摯に向き合っているし、あまり人には言わないことを口に出して、互いに確認して関係を築いていていいなと。そんな2人の姿を見たときに自分の中でも気付いていなかったストレスに気付いたんです。

──2人の姿に救われる視聴者もたくさんいると思います。

本仮屋 私自身は、親子関係でも、姉妹関係でも、自分と相手にとって心地いいところはどこなんだろうとベストな場所を探したいタイプなんです。でも、現実では母だからとか、子供だからという型にはまることを求められることもありますよね。そこに生きづらさを感じている人もいる。新しい関係を描くこのドラマをきっかけにみんなが心地よい場所ってどこだろうとそれぞれの人に寄り添い尊重し合えるといいなと思います。

キュートな早乙女太一全部乗せみたいになってます(笑)(本仮屋)

──お二人は今回、初共演とのことですが、共演して感じたそれぞれの真実らしさ、中村らしさがありましたら教えてください。

早乙女 本仮屋さんの普段のことを知らないので、それこそ真実の姿しか知らないんですよ(笑)。ただ、現場での様子を見ていると、いつも何かメモを取っていたり、台本を読んでいたり。まっすぐで真面目で。なんにでも懸命に取り組んでいるようなところが真実とつながる感じがします。

本仮屋 ありがとうございます。私の早乙女さんのイメージはクールな方で、職人気質。すごくパーフェクトな方という印象があります。だけど、この作品では人として隠しておきたい弱さやだらしなさを持つ中村を演じている。慌てたり照れたり、ちょっと嫉妬してみたりすることもあって。今までにないキュートな早乙女太一全部乗せみたいになってます(笑)。

左から本仮屋ユイカ、早乙女太一。

左から本仮屋ユイカ、早乙女太一。

──ご自身は演じた役からは遠いですか、それとも重なるところがありますか?

早乙女 中村は僕からは遠いですね。もちろん痛みはわかるんです。弱さや脆さがあるけれど、真実と関係を築いていく中で、自分の問題ときちんと向き合えるようになっていく。そのへんは要所要所で共感できました。

早乙女太一演じる中村修吾。

早乙女太一演じる中村修吾。

本仮屋 早乙女さんは中村くんと遠いとおっしゃっていますけど、私は近いんじゃないかなと思う部分もありました。中村くんはお花が好きで、小さいものに美しさを感じたり、変化を感じたりする繊細な人という印象があるんです。この間、早乙女さんが、ロケのお土産だとほうじ茶の茶葉を買ってきてくださって。「どうしてこれを?」と聞いたら、「あまりコーヒーを飲まない気がして」と言っていて。確かに、私は現場でコーヒーを飲んだことがなかったんです。そんなにブレイクタイムをご一緒したわけでもないのに、そういう気配りをしてくださって。中村くんの繊細さとリンクしていると感じました。

早乙女 ありがとうございます(笑)。

本仮屋 実は始めにこの作品のオファーをいただいたときに、中村くん役が早乙女さんになりそうですといううわさを聞いて、絶対に早乙女さんがいいと思っていたんです。真実と中村くんが新しい関係を築いていきましょうという中で、ドキドキするような展開もあるので、色っぽい方と化学変化を起こしたいなと思っていて。早乙女さんは、本当にセクシーな俳優さんなので、中村くんを早乙女さんが演じてくださると聞いたときはうれしかったですね。

2023年1月5日更新