ドラマ「鈍色の箱の中で」久保田紗友×萩原利久×神尾楓珠|キスシーンの回数は“覚えてない”、幼なじみの高校生が繰り広げるドロドロ恋愛ドラマ

監督もリミッター外れちゃってるんですよ!(神尾)

──では、本作の見どころの1つであるキスシーンについて聞かせてください。撮影全体では、どれくらいの回数があったか覚えてますか?

久保田 それが全然覚えてないんですよ。でも3日に1回くらいでキスシーンがありましたね。

萩原 全然覚えてないな……。シーン数で多いのは利津なのかな?

──脚本を読む限りですが、皆さん10回前後はしてらっしゃいました。

神尾 美羽と基秋のシーンが多いもんなあ。

久保田 回数だったら確かにそれくらいかも。

──それぞれのシーンでは細かい演出があったのでしょうか?

「鈍色の箱の中で」

神尾 利津はこういう人だから攻撃的にキスしてくれとかは言われましたね。

萩原 美羽とのキスシーンに関しては、最初と最後で全然感じが違うんです。だんだん変わってくから、都度どんなふうがいいというのを監督と話しました。キスシーンはほぼほぼ受け身な役なんですが、最初の美羽とのキスでは「何がなんでも絶対動くな」と言われました。

久保田 あはは!

萩原 ちょっとでも動くと受け入れたように見えちゃうから、一歩も動くなと。直立不動でキスするってすごい難しくて(笑)。

「鈍色の箱の中で」

久保田 私はアキちゃんのことが好きっていう一心で演じていました。キスシーンの撮影で言えば、外で撮った日で風がすごいことがあって……。

萩原 美羽と基秋のシーンではとにかく風に嫌われていて、キスしようとしたらボーッと風が吹いて髪がザーッて(笑)。

神尾 そうそう、風で顔が飛ばされちゃったりね。

萩原 顔は飛ばされてないけど!(笑) 現場では「どっちが風を持ってきてるんだ」って疑われるぐらいでした。ほかのシーンではそういうことがほぼなかったらしいんです。

久保田 穏やかでね。

──ちなみに、リハーサルからきっちりキスしていたというお話を聞きましたが……。

神尾 リハーサルからキスするって、ほかの現場ではなかなかないんですよ。

久保田 それで台本に書いてないキスも増えましたね。リハーサルで一通りやってみて、監督と話し合いながら「ここでもキスしたらいいよね」と。

神尾 監督もリミッター外れちゃってるんですよ!

久保田萩原 (笑)

──キスシーン以外に、幼なじみたちの切ない心模様も気になるところです。

左から萩原利久、久保田紗友。

久保田 キスシーンが多いし、最初にあらすじを聞いただけだと一体どういう物語なんだろうって感じる方もいると思いますが、ドラマでは人生の中で経験する繊細な感情がたくさん描かれています。それぞれのキャラクターに感情移入して、今までの自分の感情と重ね合わせて観ていただけると思います。

神尾 今回は分譲マンションという1つの狭い世界をフィーチャーしていますが、実はこういうドロドロした出来事って幼なじみの間や高校でありふれた話ですよね。でも若い頃にそういう中で生まれる感情って大人の皆さんも持っていたと思うし、だからこそ共感できると思います。利津がやることに対しても、やり方はいいのかどうかわかりませんが、感情としては共感できることが多い。登場人物は、みんなすごく真っ当な感情で生きています。

萩原 あと、高校生がドロドロしているドラマってそこまで多くないんじゃないかな。大人のドロドロしたドラマはもちろん面白いんですけど、10代では共感するのが難しい部分もあります。でも高校生のドラマだったら、僕らや下の世代の方でも共感できるものがあるんじゃないでしょうか。そういう意味では新しいドロドロドラマというか、すごく新鮮に感じられると思います!

神尾さんはミステリアスだけど頼りがいがある(久保田)

──幼なじみの物語ということで、今作は同世代キャストの共演も見どころですね。役者としてそれぞれのよさや個性はどういう部分にあると感じていますか?

左から久保田紗友、神尾楓珠。

神尾 利久は声。一発で利久だとわかるじゃないですか。

久保田 確かに!

神尾 雰囲気のある声だなと思います。普段しゃべっているときも、言ってることは中身ゼロなんですけど(笑)、この声だと「真面目に聞かなきゃいけないのかな」って思わされちゃう。

萩原 そんな感じなんだ……!

神尾 久保田さんは、目がすごく好きで。なかなかない目ですよね。しゃべり方もハキハキしていて、それも個性だなと思います。

久保田 萩原さんと神尾さんは、お芝居がすごく素敵だなと思っていました。それで萩原さんは役に入り込むストイックなタイプなのかなと思っていたんですけど、現場に入ってみると意外と少年っぽさがある無邪気な感じで(笑)。単純に人柄がいいなと感じました。

萩原 ありがたいです。

久保田 声もそうですけど、芝居では力の抜け具合が絶妙なんです。舞台でも映像でもなんにでも対応できる方だなと思っています。

萩原 恐縮です。

左から神尾楓珠、久保田紗友、萩原利久。

久保田 神尾さんとは以前ドラマで共演したのですが、人柄を知れるほどはお話したことがありませんでした。それで今回ご一緒させていただいて、どこかミステリアスな部分がありますが、思ったことはストレートに言う方だとわかったんです。何か相談をしてみたらどんなふうに返してくれるんだろうと思いますし、的を射たことを言ってくれそうな頼りがいを感じています。

神尾 そうなのかな? 適当なことしか言わないけどなあ(笑)。

萩原 楓珠も久保田さんも目が力強くて素敵。それと久保田さんは集中力がすごいです。美羽は感情的な役柄でしたが、頭で理解していてもそういうふうに演じるのは単純に体力を使います。あれだけ1日に何回も感情的になって、それをうまく維持できる集中力はすごいですよ。僕は今回あまり感情的になる役ではなかったので受け身というか、フラットでいられましたけど……僕は集中力ないので。

久保田 いやいやいや。

萩原 最近は、集中力の持続が自分のテーマなんです。現場で集中し続けられる力があるというのは憧れますね。そして楓珠は能力が高いんですよ、この人間は!

神尾 (笑)

萩原 いろんなものをくみ取って周りにちゃんと合わせることができる人です。周りを見られているのはすごいし、それで現場のみんなが助かってるんですよね。

フォローすれば面白さ倍増! SNSから物語にどっぷり浸かれる360°ドラマとは?

“360°(サンロクマル)ドラマ”と銘打たれた「鈍色の箱の中で」では、本編の一部を切り出した見どころシーンや、ドラマ内では描かれない登場人物同士のやり取りなどが番組公式の特設ページ「360°サイト」や番組SNSで発信されている。Twitter、Instagram、TikTokなどのSNSをフォローすることで、本編とは違う角度からドラマをより深く味わえる。

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2020年3月11日更新