胸が鳴るのは君のせい|浮所飛貴は俳優としても通用するジャニーズでありたい!「胸が鳴るのは君のせい」で決意新たに、監督・髙橋洋人×堤幸彦の対談も

浮所飛貴( 少年 / ジャニーズJr.)の主演作「胸が鳴るのは君のせい」が、6月4日に公開される。

紺野りさの同名マンガを原作とする本作は、クールだが実は優しい性格の有馬隼人と、彼に一途に思いを寄せる篠原つかさの関係を軸にした青春ラブストーリー。つかさの告白が失敗したあとも変わらずにいい友達として接し続ける2人の日常に、不意打ちのように訪れる“ときめき”の瞬間が描かれる。浮所のほかには白石聖、板垣瑞生、原菜乃華らが出演に名を連ねた。

映画ナタリーでは、主人公の有馬を演じた浮所にインタビュー。本作で映画初主演を果たした心境や、同世代のキャストとの共演エピソード、俳優としての目標などを聞いた。さらに本作が長編映画の監督デビューとなる髙橋洋人と、彼が多くの現場をともにし、師事する映画監督・堤幸彦に、浮所らジャニーズ事務所所属の俳優が出演した作品の魅力を語ってもらった。

取材・文 / 秋葉萌実 撮影 / 佐藤類(P2)

主演・浮所飛貴インタビュー

演技は“超”がつくほど楽しい

──浮所さんは本作で映画初出演にして初主演を飾りました。この作品にどう挑んだのでしょうか?

初映画、初主演としてやらせていただくので、何かをモチーフにしてキャラクターを考えたり、誰かからアドバイスをもらうのではなく、全部自分で解釈してオリジナルでやりたいなと考えていました。完成した作品を観たときは演技面の反省点が生まれましたし、それはきっといつまで経ってもあるものだと思いますが、そのときの自分のベストを出しきれた感覚はありました。恥ずかしながら自分でもちゃんとキュンキュンできたのでよかったです(笑)。

──以前、ドラマ「真夏の少年~19452020」にも出演されていましたが、浮所さんが映像作品でお芝居をされるのはまだ新鮮な印象があります。今回の作品を経て、演じることは楽しいと感じましたか? それとも大変さがありましたか。

「胸が鳴るのは君のせい」より、浮所飛貴演じる有馬隼人(右)と白石聖演じる篠原つかさ(左)。

“超”がつくほど、めちゃくちゃ楽しいです! 自分の芝居を映画館やテレビで観てもらえる機会は普通に生きていたらないと思うし、自分ではない存在になれるのもすごく面白いです。今となっては演技をすることがクセになったくらいで、またぜひやりたいと思っています。

──今回演じた有馬隼人は、クールだけど実は優しい性格の持ち主ですね。台本を読みながらニヤけたというお話もありましたが……。

有馬がヒロインの篠原つかさに「シャー芯貸して」と言うシーンが印象的です。原作にも描かれている場面ですが、まさかこれを実際に演じると思っていませんでした。そこで有馬が意地悪をして「体で返す」と言うときの、余裕のある感じがいいなあと。あの場面にはニヤニヤさせられました。体育のときに“つかさ”という名前の話になって「俺はいい名前だと思うけど」としれっと褒めるところもかっこいい。役と“いつもの浮所”の整理はできていましたが、胸キュンシーンは照れたら負けだと思っていたので、自分が有馬隼人だと思って演じていました。

──有馬のクールなところはご自身とは少し違うとおっしゃっていました。

僕自身は人にパワーを分けられるような、明るくて太陽みたいな人間です! 有馬はクールなところが魅力的ですよね。同年代の子たちより精神年齢がちょっと上で考え方も大人っぽいし、一歩引いて周りをよく見ているところには憧れます。有馬からの影響なのか、サッとドアを開けて 少年のメンバーを先に通してあげたり椅子がない人に譲ったり、紳士的なかっこいい振る舞いは今でも続けています(笑)。

最初に芝居をしたときは鳥肌が立った

──同世代のキャストが多かったと思いますが、撮影現場はどんな雰囲気だったのでしょうか?

リアルに学生生活を楽しんでいる感覚があって、カメラが回っていないときはずっとみんなで仲良く話していました。特に若林時英が本当に面白くて。彼が演じた高岡俊樹という役も愉快なムードメーカーですが、普段も明るく盛り上げてくれました。

──お芝居をメインに活動されている方々との共演は、大きな刺激になったのでは?

「胸が鳴るのは君のせい」より、板垣瑞生演じる長谷部泰広(左)と浮所飛貴演じる有馬隼人(右)。

めちゃくちゃ刺激になりましたね。最初に芝居をしたときは、うわっと鳥肌が立ったくらいです。これはすごい!と感じる俳優さんばかりでしたし、たくさんの発見がありました。演技に力を入れている人たちとこのタイミングで共演できて本当によかったです。自分もアイドル活動をやりつつ、演技も突き詰めていきたいと思うようになりました。

──劇中には夏祭り、林間学校、文化祭など青春を感じさせるイベントが盛りだくさんです。夏祭りでの“間接キス”がお気に入りだそうですね。

かき氷のシーンは、台本を読んで「うわっ、有馬これはずるい!」と思いました。今思い返してもキュンとします。かき氷のシロップはブルーハワイとメロンだったのですが、白石聖さんは浴衣、僕は白っぽい服を着ていたんですよ。こぼして浴衣についたら落ちないだろうし、本番は2人そろって緊張していました(笑)。ザクっとスプーンを入れたときとか、こぼしちゃいがちなんですよね。だからかき氷の中のほうを崩してやわらかくして、がんばって演じました。1つのかき氷を一緒に食べるのは僕もやってみたい! 「いいなあ」とキュンキュンしたシーンでした。

俳優としても通用するジャニーズでありたい

──浮所さんは今後も俳優として映画・ドラマ界に求められる存在になるのではと感じています。ご自身としてはどうなっていきたいですか。

本当ですか……! めっちゃうれしいです! 俳優としても通用するジャニーズでありたいと、改めて強く感じています。キュンキュン系や学生ものの作品には賞味期限があって、大人になってからではなかなかできないと思うんです。だから今のうちに学園ものをたくさん経験したい。この作品で学べたことがたくさんあったので、またキュンキュン系をやれたら……というか、やりたい!と思いました。もう1つ自分の目標としては、二宮和也くんみたいに主演を張れるし、脇でもちゃんと爪痕を残せる俳優になりたいと考えています。

──いろいろな作品に出演される機会が増えるかと思いますが、共演してみたい方はいらっしゃいますか?

「胸が鳴るのは君のせい」

夢が広がりますね! (しばし考えて)……佐藤健さん! 「恋はつづくよどこまでも」を観て、すごい俳優さんだなと思いました。「VS魂」で共演させていただいたときに「演技ってどうやったら上手になりますか? アドバイスをください」とお願いしたら、「演技だと思わずに演じることを意識している」と教えてくださいました。健さんとは刑事ものだったら先輩後輩の関係性で、あわよくばタッグを組んでみたいです! 憧れるなあ。運動神経には自信があるので、個人でもアクションものを経験してみたいです。

──最後に、映画の公開を楽しみにしている方に向けて一言いただけますか。

片思いをしている人の後押しができて、大人の方が観ても「こういう青春あったな」「この雰囲気懐かしいな」と昔を思い出してもらえる作品になったらいいなと思います。自分にとって記念すべき映画なのでぜひ映画館で観てほしい。 少年として主題歌もやらせていただいたので、そこも含めて楽しんでいただけたらうれしいです。

──ちなみに 少年のメンバーは作品をご覧になりましたか? これからでしたら、浮所さんが考える一番キュンとしてくれそうなメンバーは?

実はまだなんです(取材は5月上旬に行われた)。キュンキュンポイントがたくさんちりばめられているので、1つひとつを楽しんでほしいな。(佐藤)龍我は素直にキュンキュンしてくれそうな気がします。メンバーからどんな反応があるのか想像がつかないので楽しみです!