「ケイジとケンジ 所轄と地検の24時」桐谷健太×東出昌大|今期最強のタッグが誕生!?刑事×検事の異色コンビが贈るユーモラスなサスペンス

NHK連続テレビ小説「まんぷく」の福田靖が脚本を手がけ、情熱あふれる刑事と頭でっかちなエリート検事の異色バディを描くドラマ「ケイジとケンジ 所轄と地検の24時」の放送が1月16日にスタートした。神奈川・横浜を舞台に、走り出したら止まらない刑事・仲井戸豪太を桐谷健太、頭脳明晰すぎるが故にどこかズレている検事・真島修平を東出昌大が演じる。

映画ナタリーでは、反発し合いながらも事件解決に奔走するバディに扮した桐谷と東出に取材を実施。脚本に描かれた魅力的な登場人物へのアプローチ法や、現場で飛び出したアドリブとは? さらに相手にあって自分にはない、お互いのよさもたっぷり語ってもらった。

取材・文 / 田尻和花 撮影 / ツダヒロキ
ヘアメイク / AMANO(東出昌大)

「ケイジとケンジ 所轄と地検の24時」は地上波放送後、ビデオパスにて見逃し見放題配信中!

人々が出会うからこそ生まれる展開が素晴らしい(桐谷)

──今回はダブル主演ということですが、オファーを受けていかがでしたか?

桐谷健太

桐谷健太 今回が連続ドラマ初主演だったので、本当にうれしくて! 17年前にデビューしたドラマもテレビ朝日さんだったのですが、17年の時を経て主演に迎えてくださったテレビ朝日さんの太っ腹さ、肝の座り方、そして先見の明。ありがとうございます!

東出昌大 あはは!

──東出さんは今回がテレビ朝日ドラマ初出演。さらに初の検事役に挑戦されました。

東出 刑事ものや事件もの、医療ものと呼ばれる作品は難しいジャンルと感じていたので、テレビ朝日さんの事件ものに携わることになり感慨深かったです。「ああ、そういうチャンスを得られたんだな」と。

──本作の脚本は福田靖さんが手がけましたが、感想を聞かせてください。

東出昌大

桐谷 福田さんは朝ドラ「まんぷく」でご一緒させていただきました。福田さんの脚本は、ストーリーに登場人物をはめていくというよりも、まず人物がいて、生きて動いてるからストーリーが生まれる。彼らがぶつかり合ったり、協力し合ったりして物語が進んでいくんです。人々が出会うからこそ生まれる展開が素晴らしいなと思いますし、出てくる人物がみんな魅力的で人間らしい。

東出 そうですね。僕が演じる真島修平もエリートとしてお芝居することもできますし、人間的にかわいらしく演じることもできるキャラクター。いろんな顔を持っている人間なので、事件ものといっても堅苦しくない。

桐谷 ちゃんと個性的なやつらが集まって、ストーリーが作られているんですよね。

東出 視聴者の方も、「バカだなこいつら」って笑顔で観てくださるんじゃないかな。福田さんの脚本で愛される人物に描かれている分、僕らもお芝居の中で表現しなければいけないなと思っています。

──個性的なキャラを演じるのは簡単ではなさそうですね。

桐谷健太演じる仲井戸豪太。

桐谷 仲井戸豪太は元体育教師っていうキャラクターなので、当時の生徒との距離感に関する想像はめちゃくちゃしましたね。どんな学校で、どういうガラの悪いやつらと向き合ってきたのか。どちらかというと生徒側に立って、ほかの先生と喧嘩したような人なんだろうなとも思いましたし。あとは、犯罪を撲滅したいという思いや心意気を自分の中で大きくしていきました。子供の頃に好きな女の子を助けて「ありがとう」と言われたことがいまだに忘れられないんじゃないか、そのときの心がふわっとあったかくなる感じが今も続いているんじゃないかというような想像もしました。

東出 台本をしっかり読み込むことが一番の役作りになっているように思います。セリフをよどみなくしゃべるには、内容を理解していないとできない。そういう意味では、台本に出てくる「未必の故意」のような知らない言葉を調べることで、検事の仕事に関する勉強もしたと言えるかもしれない。8年のキャリアの中ではああでもないこうでもないと頭でっかちに考えていたことも非常に多いんですが、最近はシンプルに台本をたくさん読もうと思っています。台本にすべてが書いてあるわけですから。

桐谷 台本を読むということで言うと、俺の場合は“食う”という感じ。頭で覚えるというよりもめちゃくちゃ咀嚼して、内臓で吸収してやろうっていうイメージです。そのほうが、声の出方や感覚が全部変わってくるんじゃないかなと思ってるんですよ。

キャラ芝居になってしまってはよくないかなと(東出)

──台本を拝見しましたが、テンポのいい会話劇が気持ちいいものでした。

東出 桐谷さんはアドリブけっこう入れてますよね?

桐谷 いや、アドリブはそんなに入れてないかも。アドリブなんかなって視聴者が思うようなセリフが書かれてるんですよ。

東出 そういえば、桐谷さんのセリフは大阪弁もありますね。脚本には標準語で書いてあるんですけど、ト書きに「大阪弁で」って書いてあって。そこは大阪弁にご自身で変換してますよね(笑)。

桐谷 そう、豪太は妹のみなみとしゃべるときは大阪弁になるんです。関西弁で書かれてたりもしますけど、自分流でやってくれって。

東出 じゃあ「ボケ!」とかは付け足してるんですか?

桐谷 「ボケ!」はもともとあったからね。「アホンダラ!」とかは足してるね。

東出 あはは!

──東出さんは何か演出の提案をされたりしたんでしょうか?

東出昌大演じる真島修平。

東出 監督と相談しながら、現場で足したり引いたりしています。僕の役はキザにもできるし仏頂面で居続けることもできるのですが、あまりにもキャラ芝居のようになってしまってはよくないかなと思っていて。段取り、テスト、本番と3つの工程があれば、まずは段取りで筋道を付けます。テストでは段取りと少し変えて、本番ではさっきよりキザっぽくやったほうがいいですかとか、もうちょっと砕けたほうがいいですかって、さらに監督に言ってから演じています。リアルさが重要視される作品ではあまりやらない手法ですが、今回はどこまでキャラに近付けるかをうまく調整していっています。