スピードワゴン小沢が語る「インクレディブル・ファミリー」|能力者バトルに釘付け!平成最後の夏、初めての興奮に

手塚治虫のタッチを感じた

──映画にはMr.インクレディブル、イラスティガール、フロゾンと各ヒーローのテーマソングも登場しました。お好きな曲はありましたか?

小沢一敬

うーん。順位は付けられないからその質問には答えられない(笑)。でもテーマソングのように、いいシーンで音楽がかかるのは映画が好きな理由の1つ。若い頃は音楽を聴きながらデートしてた。そして女の子と交差点を一緒に歩き出そうとするとき、かかってる曲が映画のBGMのような気持ちでいたの。

──小沢さんらしいですね。

だから家でも音楽は常に流してる。出かけてる間もそのまま流しっぱなし。家に帰った瞬間、どんな曲がかかってるのか楽しみで。

──(笑)。ちなみに監督のブラッド・バードは1960年代のスパイ映画が大好きで、随所にオマージュがちりばめられているそうです。音楽もそのうちの1つですね。

壁を利用し、スパイ風のポーズを取った小沢一敬。

昔からスパイ映画は大好き。最近だったら「コードネーム U.N.C.L.E.」とか。単純にカッコいいんだよね。おっとりした女子が実はスカートの中に銃を隠し持ってるみたいな。映画を観てるときの感性として、昔はこういう生き方をしなきゃと思ってたけど、今は主人公を見るたびに子供ができたらこういう大人になってほしいなと思うの。スパイになってほしいわけではなく、生き方の話ね。

──なるほど。またインテリアや車、スーツのデザインなどの世界観は、20世紀半ばに流行ったミッドセンチュリーをコンセプトに作られてます。

「インクレディブル・ファミリー」

そうなんだ。昔思い描いた未来みたいな。だからちょっと手塚治虫のタッチを感じたのかな。美術だけじゃなくてボブの肩とか、ヘレンのくびれとか体のラインも手塚治虫の線に似てるよね。ちょっと丸っこいような。

──確かにそうですね。キャラクター造形の話で言うと、映画には実体のない敵・スクリーンスレイヴァーが登場しましたが、いかがでしたか?

キャラクターも設定もすごくいいですね。あのバトルシーンは本当に不思議な感覚になった。光の点滅で絵の見え方も変わって、自分がゲームの世界に入ったかと思っちゃった。結局、人間がこの世で一番怖いのは悪じゃなくて正義なの。正義には悪意がなくて正しいと思ってやってるから一番恐ろしい。そういう意味では「インクレディブル・ファミリー」の敵は恐ろしかった。自分が正しいと思っている悪が、一番恐ろしいことを思い知らされたよ。

子供が7人欲しいのは虹が7色だから

──本作では家族愛も描かれていますが、小沢さんには結婚願望はあるんでしょうか?

「インクレディブル・ファミリー」

正直考えたことがない。だから結婚に対して願望という言葉はないかな。でもずっと子供は欲しいと思っていて。映画みたいに家族でヒーローじゃないけど、子供は7人欲しいの。

──またなぜ7人も?

虹が7色だから。虹をモチーフにして名前も考えたことがある。赤があかね、青があおい、藍であい、紫でゆかり、緑でみどり、橙色でとうじ。黄色だけ難しくて「いえろう」っていう男にしたよ。

──なるほど(笑)。ではご自身にヒーロー願望はありますか?

インタビュー終了直後、試写室でポーズを決めた小沢一敬。

子供の頃はさ、絶対に自分が選ばれし者だって思うじゃん。学校から帰るときに角を曲がったら白衣を着た大人たちが立ってて「急いでください。あなたの力が必要なんです」ってさらわれるとずっと妄想してた(笑)。

──当時、憧れていた能力とかってありますか?

俺、確かに時間を止めれた記憶があるの。少年時代は毎日のように喧嘩をしてて、殴り合いになっても、相手の後ろに回り込む自分が見えたんだもん。だから負けたことがなかったの。でもそれを意識した瞬間にできなくなった。それからはもう勝てなくて。憧れではないけどかつて能力は持ってたの。

──日本版に参加されているサンシャイン池崎さんは「手のひらから無限にのど飴が出る能力」が欲しいとおっしゃっていました。

ヒーローを意識したポーズを取る小沢一敬。

喉、痛めてるんだね。

──(笑)。ちなみに芸人仲間にこの作品を薦めるならどなたがいいでしょう?

芸人はみんな好きだと思うよ。お笑いの世界って、ある意味能力者バトルだから。大喜利、一発ギャグ、トーク。それぞれの得意分野があって、でもときどきダウンタウンさんみたいに全部持ってる人がいる。芸人が能力者バトルが好きなのは、自分がどの能力を持ってるか常に考えてるからだと思う。

──では最後に読者へのメッセージをお願いします。

ついにここまで読んでしまいましたね。最初に読まないでと言ったのに(笑)。この映画が平成最後の夏、初めての興奮になりますように。

ジャック・ジャックを抱っこするボブ(左)と小沢一敬(右)。
「インクレディブル・ファミリー」特集
chayが語る「インクレディブル・ファミリー」chayが語る「インクレディブル・ファミリー」
「インクレディブル・ファミリー」
2018年8月1日(水)全国ロードショー
「インクレディブル・ファミリー」
ストーリー

彼らは、どこにでもいる普通の家族ではない。パパもママも3人の子供も、それぞれ異なるスーパーパワーを持ったヒーロー家族である。超人的なパワーを持つパパ・ボブ、伸縮自在なゴム人間のママ・ヘレン、鉄壁バリアで防御できる長女ヴァイオレット、超高速移動できる長男ダッシュ。さらに、スーパーパワーに目覚めたばかりの赤ちゃんジャック・ジャック……その潜在能力はまだ未知数だ。“家事も育児”も“世界の危機”も、驚異のスキルと家族の絆で乗り越える姿を描いた一家団結アドベンチャー。

スタッフ

監督・脚本:ブラッド・バード

音楽:マイケル・ジアッキーノ

日本版キャスト

ボブ:三浦友和

ヘレン:黒木瞳

ヴァイオレット:綾瀬はるか

ダッシュ:山崎智史

アンダーマイナー:髙田延彦

ヴォイド:小島瑠璃子

ヘレクトリクス:サンシャイン池崎

小沢一敬(オザワカズヒロ)
1973年10月10日生まれ、愛知県知多市出身。1998年12月に井戸田潤とお笑いコンビ・スピードワゴンを結成。2年連続で「M-1グランプリ」決勝進出を果たし一躍全国区へ。著書にはTwitterなどでの発言をまとめた「失恋出来るなら恋したってかまわない」がある。出演番組「オザワナイト」が毎週金曜深夜にTBSで放送中。毎週火曜にはMBSラジオ「アッパレやってまーす!」に出演するなど、バラエティ番組や連載など多方面で活躍を見せる。スピードワゴンとしては毎月最終月曜日に下北沢にて主催ライブを開催中だ。

2018年8月3日更新