映画ナタリー Power Push - 「ヒーローマニア-生活-」

誇張しすぎたモノマネ動画4連発!プロレスマニアなザコシのヒーロー&ヒール観

南米には敵わない

──中津役の東出昌大さんは、コメディ映画への出演は今回が初めてで、劇中ではテンションの高い演技にも挑戦されています。普段からテンションの高い芸をされているザコシショウさんから観て、東出さんの演技はいかがでしたか?

「ヒーローマニア-生活-」より。

よかったですよ! こういう映画であからさまにテンション高い人を演じると、ちょっと痛々しくなったり、イヤミになったりするんですよね。でも、東出さんは暗い面も持ち合わせている役だったし、ちょうどいいというか。自然なテンションの上げ方だったので、いつもこういう演技をやってるんじゃないかなと思いながら観てましたもん。だからコメディは初めてだなんて、むしろ意外でしたね。

──先ほども、ザコシショウさんは普段と芸人として舞台に立つときはスイッチが切り替わるとおっしゃってましたが、あのネタのテンションまでどうやって自分を持っていくんですか?

ハリウッドザコシショウによる、誇張しすぎた中津のモノマネ。

芸人さんって、けっこう根暗な人が多いんですよね。僕もそうで、プライベートではほぼしゃべらないんですよ。いつも長州力さんに例えるんですけど、長州さんは試合でガンガンガンガン、あれだけ暴力的でしょ? でも普段はドMらしいですからね。いや、噂ですよ?(笑) 女性はそういう、普段とのギャップが激しい人に惹かれるんでしょ?

──今の例えはちょっとわからないですけど……。

ノーコメントですか。はっはっは!

──ではテンションに関しては、無意識に切り替えているんですかね。

デビューしたての頃はここまでテンションが高くなかったんですよ。でも、ある収録のときに、テンションを上げてやらなかったことを後悔したんです。そこからですね、「やるんだったらテンション高いほうがいいだろう」と思うようになったのは。あとは周りの影響もあるんじゃないですか? 僕なんか、周りにいたのがケンドーコバヤシとかなだぎ武さんとか、バッファロー吾郎Aさんとかだったので。

──その中でも、ザコシショウさんは群を抜いてテンションが高いと思いますが。

群を抜いてますかね? そうでもないですよ。海外にはもっとテンション高い人がいると思いますよ。ええ、南米のあたりには。はっはっは! 南米のテンションの高さには敵いませんよ!

芸名の由来はハルク・ホーガン

──R-1で優勝されて、今の事務所の後輩芸人さんからはまさにヒーローという目で見られているんじゃないでしょうか?

「ヒーローマニア-生活-」より。

うーんまあ、ヒーローとヒールってあるじゃないですか。僕、ヒーローにも憧れはあるんですけど、ヒールにもすごく憧れてて。ヒールっていうのは悪玉のヒーローじゃないですか。ヒールで売れるっていうのは、普通のヒーローよりも難しいと思うんですよ。

──先ほども長州さんのお話が出ましたが、プロレスがお好きなんですよね? たしか芸名の由来も……。

ハルク・ホーガンなんです。WWFで善玉だったハルク・ホーガンが、WCWに行ったときに悪玉のヒールになったじゃないですか。そのときに彼が名乗ってたのが、ハリウッド・ハルク・ホーガン。僕も、コンビからピンになったときにキャラチェンジしたんですよ。前はベビーフェイスだったんですけど、ヒールになろうかなと思って、ハリウッドを付けました。

──実は本日ザコシショウさんをお呼びしたのは、何かの“マニア”な方に、独自の視点で映画を語っていただきたかったからなんです。

なるほど。プロレス好きとして言うと、ここに映画キャラの相関図がありますけど、プロレスの世界もこういうものに当てはまるんですよ。人間関係で試合が組まれますし、チームを組んで戦うこともあります。軍団と軍団の対抗戦とか。凶暴犯罪者の佐々木役でこの映画に出演してる村上和成さんは、プロレスラーですしね。この人もヒールでね、キレるとすごいんですよ。一時期小川直也さんと組んでいて、新日本プロレスに乱入してきたときは、まあテンションがすごかったですよ。イッちゃってましたよ。僕なんかじゃ敵わないですね。村上さんなら南米とわたり合えるんじゃないですか? ははははは!

──謎の市民・オカッパおばさん役の南海キャンディーズしずちゃん(山崎静代)はいかがでした?

しずちゃんならではの演技で、これはほかの人にはできないですよね……。できるとしたら、しずちゃんか、アンドレ・ザ・ジャイアントだけですかね。アンドレでしょ、これもう。セリフもあんまりなかったし。

──そうですね(笑)。

「ヒーローマニア-生活-」より、小松菜奈演じるカオリ。

俺はこの役はちょっとできないかな……やってみたいですけど、オカッパおばさん役。あ、でもね、カオリちゃんがかわいかったから、やっぱりTURUSI-MAのメンバーに入りたいですね。カオリちゃんが好きなんですよ、半ズボンだから。足が綺麗なんです! これで小松菜奈さんを好きになりましたね。

──地味な女子高生とセクシーな女性を演じ分けていましたが、セクシー系のほうがお好みで?

ハリウッドザコシショウによる、誇張しすぎたカオリのモノマネ。

いや、地味なほうも好きですね。小松菜奈さんに限らず、ジャージ着てる女の子っていいじゃないですか。開花前の女の子! はっはっは!

──フェチですか。

ジャージの半ズボンの女の子なんて、絶対フェチじゃないですか! ずるいところですよ! そういうのを入れたほうが絶対に盛り上がりますね。あー、リーダー(中津)になりたい!

INDEX
ハリウッドザコシショウ インタビュー
ハリウッドザコシショウ モノマネ動画

「ヒーローマニア-生活-」2016年5月7日より全国ロードショー

「ヒーローマニア-生活-」

さびれた地方都市・堂堂市。商店街はスラム化し、環境汚染や貧困など暗いニュースばかりが報じられていた。コンビニでバイトをしながらうつうつとした日々を過ごすフリーター・中津は、ある日謎の身体能力を持つニット帽の青年・土志田が下着泥棒をはたらく場面を目撃する。チンピラをも倒してしまう彼の実力に惹かれた中津は「俺と一緒に戦わないか?」と声をかけ、腐った街から悪を排除すべく2人で警備活動をスタートする。さらに“若者殴り魔”のサラリーマン・日下と調査マニアな頭脳派女子高生・カオリも仲間に加わり、自警団“TURUSI-MA(吊るし魔)”を結成。悪いやつらをやっつけてはロープで吊るして見せしめることで、いつしか街のヒーローとなったTURUSI-MAは、日下の提案から“ともしび総合警備保障”として法人化することになるが……。

スタッフ

監督:豊島圭介
原作:福満しげゆき「生活【完全版】」(モーニングKCDX / 講談社刊)
主題歌:NICO Touches the Walls「ストラト」

キャスト

中津秀利:東出昌大
土志田誠:窪田正孝
寺沢カオリ:小松菜奈
日下孝蔵:片岡鶴太郎
宇野正:船越英一郎
オカッパおばさん:山崎静代
日下響子:松岡恵望子
佐々木:村上和成
吉川:黒田大輔

ハリウッドザコシショウ
ハリウッドザコシショウ

1974年2月13日生まれ。静岡県出身。1992年、大阪NSCに11期生として入学。翌1993年に吉本興業よりコンビ・G★MENSとしてデビュー。2002年にピン芸人としての活動を開始。2007年より放送されたTBSの深夜番組「あらびき団」に初回から出演し、「キング・オブ・あらびき」と称される。2016年3月、芸歴24年目にしてR-1ぐらんぷり初優勝を果たした。現在はSMA NEET PROJECTに所属し、自身初となるDVD「ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ!」の発売を2016年初夏に控えている。