映画ナタリー Power Push - 「ヒーローマニア-生活-」

誇張しすぎたモノマネ動画4連発!プロレスマニアなザコシのヒーロー&ヒール観

福満しげゆきのマンガをもとに、豊島圭介がメガホンを取った映画「ヒーローマニア-生活-」が5月7日に公開される。東出昌大、窪田正孝、小松菜奈、片岡鶴太郎が出演する本作は、4人のヘタレがヒーロー軍団“TURUSI-MA(吊るし魔)”を結成し、腐った世の中を是正するため奮闘するアクションコメディだ。

映画ナタリーでは、「誇張しすぎた◯◯のモノマネ」などで人気が爆発し、芸歴24年目にしてR-1ぐらんぷり初優勝を果たしたピン芸人・ハリウッドザコシショウに、一足早く本作を鑑賞してもらった。プロレスマニアであるザコシが語るヒーロー&ヒール観とは? また特集の終わりには、ザコシによる「誇張しすぎた『ヒーローマニア』のモノマネ動画4連発」を掲載しているので、チェックをお忘れなく。

取材・文 / 浅見みなほ 撮影 / 上山陽介

ハリウッドザコシショウ インタビュー

クエンティン・タランティーノが大好き

──まずは、R-1ぐらんぷり優勝おめでとうございます!

ハリウッドザコシショウ

ありがとうございます。

──お忙しい時期だと思いますが、お越しいただきありがとうございます。

いやいや、全然ですよ!

──え、そうなんですか?

あんまり忙しいって言うと、芸人が妬んでいろんなこと言いますんでね。あんまり仕事入ってないって書いといてください。ははははは。

──そういうことですね(笑)。普段から映画はご覧になりますか?

僕、(クエンティン・)タランティーノがすげえ好きなんですよ。あと(スタンリー・)キューブリックとかも好きですね。「時計じかけのオレンジ」なんかは昔の作品ですけど、今でもDVDで観返しますね。

──一番好きな作品はなんですか?

うーん、なんだろう。「ニュー・シネマ・パラダイス」も好きですし、それこそ「相棒」とかの邦画も観たりしますよ。一番はなんですかねえ、タランティーノの「パルプ・フィクション」? (アーノルド・)シュワルツェネッガーの作品もすごく好きで、この間の「ターミネーター:新起動/ジェニシス」も観ました。そういう派手な映画も好きですし、「レザボア・ドッグス」みたいにあんまり動きのない会話メインの作品も好きです。

「ヒーローマニア-生活-」より。

──「ヒーローマニア-生活-」はにぎやかで派手な作品と言えると思いますが、ご覧になっての第一印象はいかがでした?

率直に、アメコミ系映画の流れを汲んでるのかなって思いましたね。人物の立ち方とか見せ方が、アメコミ原作の「ファンタスティック・フォー」とか「X-MEN」の日本版って感じで。画面をマンガのコマみたいに割ってるところもありましたよね。

僕は“誇張派”ですね

──本作は、ヘタレたちが世直しのためのヒーロー軍団“TURUSI-MA(吊るし魔)”を結成するというストーリーです。24年間芸人として苦労して来られたザコシショウさんとしては、主人公たちの世の中に対する鬱屈した思いに共感するところはありますか?

「ヒーローマニア-生活-」より。

僕は芸人をやりながら水道検針のバイトもしてましたけど、バイトのときは芸人だっていう雰囲気も出さないんですよ。でもバイトが終わってから芸人の仕事をやるときは、180度ガラッとキャラチェンジするので、主人公たちと似てると言えば似てますね。昼間は普通のバイトなり仕事なりをして、夜になるとチームTURUSI-MAの活動をするっていう。だから、僕もTURUSI-MAに入りたいくらいですよ!

──入るとしたらどんなポジションに就きますか? チームの中には、例えばカオリみたいな頭脳派もいますよね。

僕は“誇張派”ですね。

──“誇張派”! それはどうやって世直しに貢献するんですか?

まあ簡単に言うと、スパイですね。敵を偵察しに行って、その様子をいかに誇張してチームの4人に伝えるかという。

──誇張してしまったらスパイとしてうまく機能しない気が……。

相手が弱いとしても、「すごく強い!!!!」と誇張して4人に伝えることで、用心させる役目ですね、はい。

──なるほど。武器は何にしましょう?

ハリウッドザコシショウ

スパイだし、戦う場面は少ないでしょうね。なので、ダンボールで……壁を。

──壁!

ダンボールで壁を作って、そこにサッと身を隠してスパイ任務を行う。そんなのいいんじゃないですか? 5人目のメンバーとして。

INDEX
ハリウッドザコシショウ インタビュー
ハリウッドザコシショウ モノマネ動画

「ヒーローマニア-生活-」2016年5月7日より全国ロードショー

「ヒーローマニア-生活-」

さびれた地方都市・堂堂市。商店街はスラム化し、環境汚染や貧困など暗いニュースばかりが報じられていた。コンビニでバイトをしながらうつうつとした日々を過ごすフリーター・中津は、ある日謎の身体能力を持つニット帽の青年・土志田が下着泥棒をはたらく場面を目撃する。チンピラをも倒してしまう彼の実力に惹かれた中津は「俺と一緒に戦わないか?」と声をかけ、腐った街から悪を排除すべく2人で警備活動をスタートする。さらに“若者殴り魔”のサラリーマン・日下と調査マニアな頭脳派女子高生・カオリも仲間に加わり、自警団“TURUSI-MA(吊るし魔)”を結成。悪いやつらをやっつけてはロープで吊るして見せしめることで、いつしか街のヒーローとなったTURUSI-MAは、日下の提案から“ともしび総合警備保障”として法人化することになるが……。

スタッフ

監督:豊島圭介
原作:福満しげゆき「生活【完全版】」(モーニングKCDX / 講談社刊)
主題歌:NICO Touches the Walls「ストラト」

キャスト

中津秀利:東出昌大
土志田誠:窪田正孝
寺沢カオリ:小松菜奈
日下孝蔵:片岡鶴太郎
宇野正:船越英一郎
オカッパおばさん:山崎静代
日下響子:松岡恵望子
佐々木:村上和成
吉川:黒田大輔

ハリウッドザコシショウ
ハリウッドザコシショウ

1974年2月13日生まれ。静岡県出身。1992年、大阪NSCに11期生として入学。翌1993年に吉本興業よりコンビ・G★MENSとしてデビュー。2002年にピン芸人としての活動を開始。2007年より放送されたTBSの深夜番組「あらびき団」に初回から出演し、「キング・オブ・あらびき」と称される。2016年3月、芸歴24年目にしてR-1ぐらんぷり初優勝を果たした。現在はSMA NEET PROJECTに所属し、自身初となるDVD「ハリウッドザコシショウのものまね100連発ライブ!」の発売を2016年初夏に控えている。