タカアンドトシがMCを務める毎年恒例のお笑い特番「日本で一番早いお笑いバトル!フットンダ王決定戦2025」が、2025年1月1日深夜2時より4時間にわたって生放送される。お笑いナタリーではこの番組の特集を展開中。2回目の今回はタカトシのインタビューを紹介する。
2人が語るのは14回目を迎えた今大会への意気込み、前回初優勝した真空ジェシカ川北、今注目している若手のことなど。彼らが期待している芸人たちの“初日の出”とは?
文 / 成田邦洋
ロートルレスラーの戦い方を見ていただきたい
──前回は真空ジェシカ川北さんが初優勝されましたね。振り返ってみていかがでしょうか?
トシ 本当に新世代が台頭して熱い戦いを見せてくれました。
タカ 素晴らしかったです。川北はその前の年も(準優勝で)惜しかった。
トシ 決勝の常連ですから。
タカ 常連で、やっとのことで優勝しました。しかも連覇で勢いに乗っている粗品を倒しての優勝。かなり注目を集めましたね。
トシ 新世代の勢いを見ました。
タカ そこからパッタリと見なくなりましたね(笑)。
トシ そんなことない!(笑) 勢いを継続しているだろう。
タカ すごくハイレベルな戦いでした。
──14回目となる今大会が決定したときの心境は?
タカ またあの熱い戦いを観られるのか、とホッとしました。もともとは毎週レギュラーでやっていた番組が年1回になりましたが、ずっと続けていきたい番組なので。「この枠だけはどうしても死守したい」という気持ちをずっと持っています。長く続けられるのは本当に幸せなことだなと。ここ最近のテレビ番組は定着するのが難しくて、そう考えると「フットンダ」は伝説の番組になるんじゃないかと思っています。
トシ 自画自賛ですねえ(笑)。 毎年だいたい夏を過ぎたくらいの時期に「今年もやります」と教えていただいて、年が明けてすぐこの番組をやって、というルーティーンが十何年。風物詩になっています。ありがたい習慣です。
タカ これからも続いてほしいです。死ぬまで。できれば「フットンダ」の生放送中に死にたいぐらいです(笑)。
トシ 困るんだよ! 事故だよ事故。
タカ それができたら芸人冥利に尽きる(笑)。
トシ 十何年も続くと、メンバーが変わるのを目の当たりにします。その年がんばっていた人や勢いのある人が来てくれる。それも楽しみです。
──タカさんは今回もMCだけではなくプレーヤーとして出場されるでしょうか?
タカ 若い奴に席を譲らなきゃいけないんじゃないか、邪魔していいのか、という気持ちもありますけれども、制作側が行けと言うんだったら行きますし、「もう引退していいんじゃないですか?」と言われたら引退します。
──番組を観ている方はタカさんの回答にも期待していると思います。
タカ ありがたいですけどね。“ロートル”がどこまでがんばれるのか。(プロレスファンとして)ロートルレスラーの戦い方を見ていただきたいです。
トシ 脚の細ーいロートルレスラーね(笑)。トレーニングをあまりしない、フットワークだけでなんとかやっているような。
タカ 関節技ばっかり決めて、全然面白くない試合をしてね。地味な戦いを見ていただきたいです。
トシ 番組に出さねえよ、そんな奴(笑)。
タカ いつも(自分が出る)Aブロックは強者ぞろいなんですよ。グループ突破はなかなか難しいです。
トシ そこを突破したらすごいんですよ。
タカ 突破しても先が見えないんですよね。夜眠くなっちゃって何も思いつかない(笑)。ズタボロにやられちゃう。その死に様を見せたくないんですよ。朝方の決勝で、粗品と川北の打ち合いなんて若くなきゃ無理ですよ。
トシ 何年か前には“あんまり誰も答えない決勝”がありましたね。みんなおじさんだから(笑)。朝方はスタミナのある若手が強いんじゃないでしょうか。
タカ まあがんばりますよ。“いぶし銀”を見せたいと思います。
「そんな飛ぶ?」初日の出のような“初ザコシ”
──ここまで番組が続いてきた理由はなんでしょうか?
トシ 出場者の皆さんの「本気で勝ちたい」という本気度じゃないですかね。正月気分で楽しくやるのかなと思いきや、みんなガチで。1ポイントの差を必死で追って、すごいですから。
タカ その年を幸先よくスタートしたいという気持ちもあるし。
トシ 負けたくないという気持ちが伝わってきます。
タカ みんな意外と真面目で、真剣に戦う。「布団が吹っ飛ぶ」というダジャレから生まれたような番組だけど、そのシンプルなわかりやすさもいいのかな。「飛んだら合格」というのは観ていてすぐわかるじゃないですか。企画がシンプルに素晴らしいです。あとは戦っているみんなの邪魔をしない“回し方”とかね。MC力があるのかな?
トシ 結果、自画自賛なんだよ(笑)。
──前回について、初優勝した川北さん以外に印象的だった芸人はいますか?
タカ 令和ロマンのケムリがいました。
トシ サルゴリラ児玉は「キングオブコント」優勝の勢いで、そのまま決勝に行きましたね。
タカ ハライチ岩井も、以前チャンピオンになったことがあります。
トシ カベポスター永見は強そうだなと思っていて、やっぱり強かったです。
タカ あとはハリウッドザコシショウのジャンプです。
トシ それは本戦ではなく「深夜も眠らせない芸人!ネタ祭り」のほうですね。
タカ 何かを叩き付ける反動でジャンプして一番高く飛んでいます(笑)。生で見たら高すぎて笑いますよ。「そんな飛ぶ?」っていう(笑)。
トシ きれいに飛んで、初日の出を見ているみたい(笑)。今年もいい年になるわという感じでめでたいんですよ。
タカ “初ザコシ”をお見逃しなく!
スベったあとにチャンスがある
──タカさんは今の段階で作戦を立てられていますか?
タカ いかに早く回答を出すか。生放送で時間が限られているので、とにかくポイントを最初に獲っておかないと間に合わなくなるんですよ。同じブロックに6人いて、6番目に手を上げたら最後のほうは自分に当たらないまま終わっちゃう可能性があるから、とにかく打席に多く立つ。こいつ(=トシ)は本当に平等に当てるので、1人1回は答えて一巡するまでは次の人に当ててくれないんです。なので早めに手を上げて一発確実に獲る、ということは考えています。
──トシさんは平等に当てていくのは心がけていますか?
トシ そうですね。みんな最初の問題から、どんどん手を上げて……。
タカ 答えが思い付かなくても、どんどん手を上げて解答権だけもらっとく、という技術を駆使しています。
トシ それはダメですよ(笑)。
タカ まだフリップに書いてもいないのに「ハイハイハイ!」と言っとけば一番先になってくる。で、ちょっと待ってもらってから答えを出す。ギリギリの戦い方です。
トシ それは困ります。レッドカードを出します。ちゃんと答えを書いておいてください。予約はズルいのでやめていただきたい。
タカ そのあたりの戦い方を見ていると面白いですよ。
トシ あと、誰かの答えがスベったあと、「このあとはいいぞ!」という入れ食い状態でウケることもあるよね。
タカ スベったあとはチャンスがあります。それと、考えていた答えが先に言われて「ヤバい!」ということも。運もあります。
トシ 実力と運が大事なんですよ。
──若手の方が出場される中、ジェネレーションギャップを感じることはありますか?
トシ 答えによっては「ほぉー、そういう感じで来るんだ」みたいな。ダウ90000の吉原が出たときに「こういう答えなんだ。若いなー」って。
タカ 若い子に響く感覚が、我々はなくなりかけています。だから当日の会場にいるお客さんの年齢層も、もうちょっと上げてほしい。30代、40代、50代と。
トシ 朝方までは無理かもよ(笑)。最後はしんどくなって笑わなくなる(笑)。
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タカトシが注目の芸人を総ざらい