「劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!」濱田龍臣×石黒英雄×青柳尊哉インタビュー|ジードとオーブのウルトラマン愛、あふれる!あの男も乱入!?

最終回はファンの前で泣いちゃいました(濱田)

──映画の撮影以外では、「ウルトラヒーローズEXPO2018」で行われたステージ用の撮影でもお会いされていたみたいですね。しかもウルトラマンギンガ / 礼堂ヒカル役の根岸拓哉さん、ウルトラマンビクトリー / ショウ役の宇治清高さん、ウルトラマンエックス / 大空大地役の高橋健介さん、ウルトラマンゼロ / 伊賀栗レイト役の小澤雄太さんを加えた6人で。

濱田龍臣

濱田 そうですね、あれは昨年の10月だったと思います。

石黒 新世代ウルトラマンと言われる皆さんで集まるのは初めてだったから、新鮮でしたね。

濱田 楽しかったですよね。

石黒 変身ポーズとか掛け声がそれぞれ違うから、その話だけでも想像以上に楽しかったです。ギンガは「ギンガーー!」と叫んで変身するじゃないですか。オーブが同じ形式だったら、「オーブーー!」って言いにくいよな、とか。

濱田 みんなでずっとそんな話をしてました(笑)。

石黒 あの日は1人ずつ撮影していって、ほかのウルトラマンの変身シーンをみんなで見るっていう状況があったんですよ。最初に撮影したのは根岸さんだったんですけど、なんかちょっとモゾモゾしてましたね。

──皆さんが見てるとやりづらいですよね(笑)。

石黒 しかもジードからさかのぼる順でやっていればよかったんでしょうけど、一番ブランクのある根岸さんから撮影始めちゃったから(笑)。根岸さんも「なんか違和感があるな……」みたいな。

濱田 (笑)。エックスの健介さんはすごかったですよね。

石黒 しっかりしてました。でも「エックスー!」の声が、当時みたいな甲高い感じじゃなかったです。

濱田 ちょっと低めになってましたね。

石黒 昔より覇気がありましたよ。あとは、「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」という難病の子供たちを支援する団体があるんですけど、そこから円谷プロさん経由で協力してほしいっていうお願いがあったんですね。だからこの撮影で集まった日に、皆さんに事情を説明して、サインをもらって中国の子に送ったりもしました。

石黒英雄

──そんな活動もされていたんですね。

石黒 もともとウルトラマンっていうのは、皆さんに勇気を与える存在だと思っているので。だからプレゼントして実際に中国でニュースにもなったというのは、「ウルトラマンをやっててよかったな」と思った出来事の1つです。

──勇気を与えると言えば、濱田さんは、「ジード」放送中に全国を回られてましたよね。ファンの皆さんと触れ合って、勇気を与える機会も多かったのでは。

濱田 そうですね、イベントはいっぱいやらせてもらいました。「ギンガ」以降のニュージェネレーションと呼ばれる中では一番いろんなところを回っているらしいです。そこでいろんな人と会って、子供たちとか、“大きなお友達”の皆さんも笑顔で会場をあとにしてくださるのですごくうれしいですね。

──「ジード」最終回も、リアルタイムでファンの皆さんと一緒に観られたそうですね。

濱田 そうなんですよ。観終わって、「リクくんから何か一言」みたいなことを言われて、その時点でもう泣きそうだったんですけど、そこはなんとか我慢してたんですね。でもそのあとにジードとゼロがケーキを持ってきてくれて、ケーキに「ありがとう」って書いてあって……そこで泣いちゃいました。

──そして今回、お二人は「劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!」で共演されたわけですけど、いかがでしたか。

「劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!」より、ウルトラマンジード(左)とウルトラマンオーブ(右)。

石黒 クレナイ ガイというキャラクターは、物語が進むにつれ、登場した当初よりくだけたことをやる場面も増えたと思うんです。

──放送開始時は、ハーモニカを吹きながらの登場シーンに象徴される、昔の映画のような風来坊というキャラクターだったガイですけど、だんだんと周囲との絡みが増えたり、銭湯やラムネが好きなことがわかったり、愛されキャラになっていきましたよね。

クレナイ ガイ

石黒 でも今回は1年ぶりの再登場ということもあって、シンプルに風来坊としてのガイの芝居に専念しました。「オーブ」が始まった当初に、脚本の中野(貴雄)さんの中にあったイメージに近いガイに専念したというか。だから今回の共演では、「ウルトラマンジード」の世界観を壊してるんじゃないかな、ご迷惑かけてないといいな、というのはあります。クセのあるキャラクターなので。

濱田 そんな(笑)。でもガイさんはすごく気さくで、現場を盛り上げてくれるのでカッコよかったですね。「ジード」と「オーブ」で同じスタッフさんもいらっしゃるんですけど、ガイさんは1年経って戻ってきても皆さんと仲良く会話してました。

石黒 そう言われるとうれしいです。

「セブン」50年目で「ノンマルトの使者」をやりたかった(石黒)

──今日はせっかくウルトラマンシリーズ主演のお二人がいるので聞いてみたいんですが、ウルトラマンを経験すると、街で子供から「変身して!」みたいに言われることはありますか。

濱田 僕は街で声をかけられないんですよね。

石黒 街に出ないからじゃない?(笑)

濱田 それもありますけど(笑)、普段は直毛でしかも眼鏡をかけてるんですよ。そのせいなんですかね。

石黒 僕は友人や業界関係者の方に「子供のために写真を一緒に撮ってくれ」とか「子供が小学校受験だから動画でメッセージが欲しい」とか、そういうのは気軽にお願いされますね。

──それには応じてるんですか?

石黒 なるべく気さくに応えるようにはしています。でもこの間は知り合いから「子供がガイさんのファンだから」って電話があったんですけど、電話を替わってもらおうとしたら「子供が恥ずかしくてテーブルの下に隠れちゃった」って言われましたね。

濱田 かわいいですね(笑)。

石黒 イベントのウルトラマンショーでも、親の背中に隠れて観ている子供は多いですから、恥ずかしがり屋が多いのかもしれない。

──なるほど。逆に、ウルトラマンを演じた人は大変なことも多そうですよね。ヒーローという立場的にコンビニで立ち読みもできないんじゃないか、と思ってしまいます。

濱田 いや、全然全然。

石黒 しますします。……って「立ち読みします」ってのもあんまりよくないですよね(笑)。これは誘導尋問ですか? 怖いなー。

──(笑)。いえ、なんというか、お二人はちびっ子憧れの存在なので、絶対に悪いことできないですよね。例えばちょっと急いでいるときにも絶対に信号を守らなきゃいけないというか……。

石黒 それは守りますよ(笑)。やっぱり誘導尋問じゃないですか、怖っ! ラフな気持ちでインタビュー受けてたらシュッとスルーパスが来ましたね。

濱田 誘導がうまいですね、怖いですね(笑)。ここからは気を引き締めないと……(笑)。

──すみません、話題を変えます……(笑)。お二人の共通点として、昔からのウルトラマン好きを公言されています。

濱田龍臣

濱田 そうですね。僕は「ウルトラマンネクサス」とか「ウルトラマンマックス」をリアルタイムで観ていて、幼稚園の頃からずっとウルトラマンになりたかったです。あとはあれが好きですね。映画の「ウルトラマンコスモスvsウルトラマンジャスティス/THE FINAL BATTLE」。

──その正式タイトルをスラスラと言われただけでも、大好きなことが伝わってきました(笑)。

濱田 一番好きなウルトラマンがジャスティスなんです。最初は地球の敵として現れたジャスティスが、地球人の優しさに触れて改心して、コスモスと合体してウルトラマンレジェンドになって……というところで胸が熱くなるんですよ。

石黒 僕は親父がウルトラマン世代なので、ソフビ人形とかそういうのは積極的に買ってくれましたし、「ウルトラセブン」とかを再放送で観ていました。「ノンマルトの使者」(第42話)が好きなんですよ。

──地球にはノンマルトという先住民がいて、それを海底に追いやった地球人は侵略者ではないのか……というような重いエピソードとして有名です。

石黒 2017年が「セブン」放送開始50年ということもあって、「ノンマルト」みたいな話をずっとやりたいって言ってたんですけど、叶わなかったですね。

──石黒さんは少し前にTwitterで、ウルトラマンモチーフのアニメ「ウルトラニャン」を薦めていましたよね。だからいろんな作品を観てらっしゃるな、とは思ってました。

石黒 あのときは「マニアックなの知ってますね」とか言われたんですけど、でも今はもうネット配信で昔の映像を観れますから。マニアックってほどでもないですね。

──確かに、小さな子供が古いウルトラマンについて詳しいことも珍しくない気がします。

石黒 ですよね。あと今のお子さんって、1週間に1話ずつ放送だと待ちきれないという話をよく聞きますよ。すでに全話配信されてる昔の作品を一気見するのに慣れてるから。

濱田 僕の頃はまだ1週間我慢しながら観てましたけど、今はそんなふうになっているんですね。

……と、ここまで対談で盛り上がっていた濱田と石黒だったが、ウルトラマンが2人集まっている現場で事件が起こらないはずはなかった。次ページでは、あの男が乱入!

盛り上がる濱田龍臣(左)と石黒英雄(右)。その様子を背後からのぞき見る男が……!?
「劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!」
2018年3月10日(土)公開
「劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!」
ストーリー

知的生命体が住む星々を破壊していく巨大人工頭脳ギルバリスが、ギャラクトロン軍団を率いて地球に接近。彼らが狙う“赤き鋼”についてジャグラス ジャグラーから話を聞いた朝倉リクは、その手がかりを求めて仲間とともに沖縄へ向かった。沖縄でガイドとして働くアイルは、リクがウルトラマンであることを見抜き、重大な使命を託そうとする。一方、ギャラクトロン軍団は沖縄に襲来。ウルトラマンオーブやウルトラマンゼロらも駆け付けるが、自分の使命にこだわり焦るジードの行動がさらなる危機を招く──。

スタッフ / キャスト

監督:坂本浩一

主題歌:May J.「絆∞Infinity」

出演:濱田龍臣、石黒英雄、小澤雄太、本仮屋ユイカ、青柳尊哉、山本千尋、長谷川眞優

声の出演:小西克幸、潘めぐみ、三森すずこ、宮野真守、神谷浩史、緑川光、関智一、入野自由

「劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!」特集 濱田龍臣×坂本浩一
濱田龍臣(ハマダタツオミ)
2000年8月27日生まれ、千葉県出身。子役として、2010年放送のNHK大河ドラマ「龍馬伝」やテレビドラマ「怪物くん」に出演して注目を集める。その後も「ガッチャマン」「疾風ロンド」といった作品に参加。特撮ドラマ「ウルトラマンジード」に続き、監督の坂本浩一とタッグを組んだ主演ドラマ「モブサイコ100」はテレビ東京で放送中のほか、Netflixでも配信されている。4月放送スタートのテレビドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」ではメインキャストの1人である平海斗を演じる。
石黒英雄(イシグロヒデオ)
1989年1月10日生まれ、栃木県出身。2005年、テレビドラマ「ごくせん」第2シリーズで俳優デビュー。主な主演作に2009年公開「激情版 エリートヤンキー三郎」、2010年公開「彼岸島」などがある。2016年放送の特撮ドラマ「ウルトラマンオーブ」に主人公クレナイ ガイ / ウルトラマンオーブ役で出演。舞台にも活躍の場を広げ、2017年上演「黒薔薇アリス」に主演、2018年9月には舞台「オセロー」に出演する。
青柳尊哉(アオヤギタカヤ)
1985年2月6日、佐賀県出身。映画・テレビドラマ・舞台など多数の作品に出演。2016年放送の特撮ドラマ「ウルトラマンオーブ」では、主人公の宿敵ジャグラス ジャグラーの怪演が話題に。主な出演作に「怒り」「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」「Father『手を伸ばせば』」、テレビドラマ「緊急取調室2」「わにとかげぎす」、舞台「BLOODY POETRY」、アニメ「怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画」第2期、「寄生獣 セイの確率」「HUNTER×HUNTER」などがある。2018年4月には主演映画「HE-LOW」が公開予定。

2018年4月20日更新