無名街へ実際に行ったような感覚に
──では、この高画質・高音質で観るのにぴったりな「HiGH&LOW」の名シーンを選ぶとしたらいかがでしょう?
僕、スモーキー役の窪田正孝くんのファンなんです。だからマサくんが山王の(鈴木伸之演じる)ヤマト相手にローキックをかましているシーンを観たいです! 「窪田正孝、やっぱすごいな……」と思った瞬間なので。
──ドラマ版シーズン1の第7話ですね。このビエラはネット回線をつなげばVODやYouTubeも視聴できるので、今度はHuluを使って観てみましょう。
僕も普段テレビでVODやネット動画を観ているんですが、別売りのストリーミングデバイスがなくても使えるのは便利ですね。
ドラマ「HiGH&LOW ~THE STORY OF S.W.O.R.D.~」シーズン1 第7話
山王連合会のヤマト(鈴木伸之)が、チハル(佐藤大樹)を探すため無名街に足を踏み入れた。しかし無名街の守護神・RUDE BOYSに見つかり、バトルに発展。ヤマトはスモーキー(窪田正孝)と手を合わせることになる。
やっぱり家のテレビで観るよりも画質がいいですね。あ、ここです! マサくんはこのシーンでローキックを3発連続で繰り出しているんですが、これってアクションの中でも本当に難しい技なんです。ハイキックは煽って撮れば足が高く上がっているように見えるんですが、ローキックは煽れない。しかも連続3発なんて、体幹が相当通っていないと無理なんです。
──一見するとハイキックのほうが難しそうに見えるので意外です。
あと、無名街の引きの画はこういう画面で観るといいですね! 奥の景色まであんなにはっきり見えたのは初めてでした。このテレビで観たことで、僕の中で「HiGH&LOW」の世界が広がったのが一番うれしかったです。僕は無名街を生で見たことはないんですが、実際に行ったかのような記憶が刻まれました。
──「HiGH&LOW」のような美術クオリティの高い作品では、セットの細かいところまで確認できるのも大画面や高画質の醍醐味ですよね。
そうですね。MIGHTY WARRIORSのきらびやかな世界(FUNK JUNGLE)とか、赤が映えそうな達磨一家の本拠地も観てみたいです。
“噛ませ犬”として120%の力で吠えよう
──後半では、轟という役や新作映画について詳しく伺っていければと思います。2016年のドラマ版シーズン2から登場した轟ですが、役が決まった当初はどんなコンセプトがあったのでしょうか?
「インテリメガネだけど、熱いものを持っているキャラクター」というビジュアル面以外は、ほぼ情報がなかったんです。最初は七三分けの予定だったんですが、「やっぱり坊ちゃん刈りにして、前髪を作ってほしい」という話になりました。でも僕は、それで全日のトップに立つ人間としての強さが表現できるかな?と不安に思ったんです。坊ちゃん刈りはいじめられっ子だった轟を表現するためのアイデアなのかもしれませんが、元いじめられっ子だったら、そんな見た目を払拭しようとする意思が働くかなと思って。それであの髪型を提案させてもらいました。あと当時の僕は「村山が映えるように」「轟は村山の“噛ませ犬”だ」と思っていて。だからこそ、自分は120%の力で吠えようと思っていましたし、ビジュアルでヒール感を出せるようにしたかったんです。当時はこの「HiGH&LOW THE WORST」でまた鬼邪高全日や轟が取り上げてもらえるなんて思ってもいませんでした。
──ではこの映画「HiGH&LOW THE WORST」や、その前日譚を描くドラマ「HiGH&LOW THE WORST EPISODE.O」の企画を聞いたときは、驚きが大きかったですか?
うれしかったです。僕のことを応援してくださっている方の中には、轟という役を愛してくれている人が特に多いんですよ。道で声をかけていただくときも「轟!」って呼ばれることが多いですし。なので、これだけ影響力のある作品にもう一度参加できて、なおかつ轟として戻ってこられたのはこのうえない幸せでした。最初は映画の話しか聞いていなかったので、その後ドラマを作ってもらえることになったのも本当にありがたくて。僕はドラマのシーズン2と映画「HiGH&LOW THE MOVIE」でしか撮影に入っていないので、轟の歴史には空白の時間があるんです。ドラマでその空白の期間(「HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY」「HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION」の裏側)を描いてもらえて、本当によかったです。
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轟がやっと少し“鬼邪高”という看板を感じ始めた
2019年10月4日更新