真っ先に思い浮かんだのがイ・レさんだった
──「大丈夫、大丈夫、大丈夫!」の登場人物は魅力的でした。キャスティングに関してもお話を伺っていいですか? まずは、主人公で母親を突然の交通事故で亡くした高校生のイニョンを演じたイ・レさんから。
私がイニョンというキャラクターに持っているイメージは、明るくて天真爛漫だけど、同時に芯の強さや、しっかりした面もあるというものでした。そして、見ているだけで前向きな気持ちになれるような、希望にあふれた、エネルギーを持った人なので、実際にそんな人に演じてほしいと思いました。また、イニョンがこの物語を引っ張っていくので、優れた演技力も必要でした。そう考えたときに真っ先に思い浮かんだのがイ・レさんだったんです。同年代の俳優の中でも、素晴らしい演技力を持っていると思っていたので、この役にぴったりなのではないかと考えました。一番に候補に挙がって、お願いしたんです。幸い、イ・レさんも快く引き受けてくださいました。それまでイ・レさんは子役として活躍していたんですが、実際にお話ししてみて、大人の俳優と変わらないくらいプロフェッショナルなところを持っている方だと感じました。
──ソラ役のチン・ソヨンさんはいかがでしたか?
チン・ソヨンさんは、以前から本当に演技のうまい俳優さんだと思っていました。これまでの作品も関心を持って観ていたんです。今回、演じられたソラは、ひたすら努力して高みを目指す完璧主義な人物になっていますよね。自分に打ち勝つためには自分を追い込んでしまうところすらあるキャラクター。だから、そういう姿を演じられる俳優が必要だと思ったんです。チン・ソヨンさんは、ソラの情熱を演じられる人ですし、撮影現場でも熱心に取り組んでくださって、私自身も非常に助けられました。ソラは、ちょっと冷たいところもあるクールな人。でも、イニョンと暮らすようになってやわらかい部分も見えてくるキャラクターです。チン・ソヨンさんは、冷たさからやわらかさまでをしっかり設計して演技で見せてくれました。以前の作品では強烈で怖い役も演じていたので、観客の方はそんなイメージもあるのではないかと思います。
──確かに「毒戦 BELIEVER」では、かなり強烈な役を演じられていたので、そんなイメージがありました。だからこそ、本作のやわらかい表情を見て驚きました。
そうなんです。でも私はあるときにチン・ソヨンさんのふとした笑顔を見て、彼女は人間の温かさを表現できる俳優さんだと思ったんです。
ソン・ソックさんはどんな感情でもうまく表現できる
──イニョンと同じ芸術団でセンターを務めるナリを演じたチョン・スビンさんに関してはいかがですか? 最初はイニョンと対立しているし、彼女自身も悩みを抱えていて複雑なキャラクターでした。
ナリというキャラクターは、登場するシーンも多いですし、私自身も、非常に重要なキャラクターだと思っています。演じるスビンさんはオーディションでキャスティングしました。演技をしているときに、非常にリラックスしていて自然体の人だと感じ、まずそこがいいなと思いました。高校生の役なんですが、子供らしい天真爛漫な部分と、それとは反対に影のある部分、両方を兼ね備えているという点でも魅力的に感じられて、キャスティングすることになったんです。
──イニョンにとっての駆け込み寺的な存在でもある薬剤師・ドンウクを演じられたソン・ソックさんについても教えてください。
ソン・ソックさんは、「恋愛体質」でもご一緒しているんです。そのときも本当にナチュラルでうまい演技をされる方だと思っていました。それにユニークな演技をされる方なので、ぜひいつかご一緒したいと思っていました。私の中では、ソン・ソックさんが演じたドンウクという薬剤師は、理想的な大人という感じで捉えていたんです。子供に対して何かを強要することなく、しっかり耳を傾けて話を聞いてくれる。そして、粘り強く、子供の感情の揺れ動きを注意深く見守りながら、ずっと待っていてくれる。そんな大人をイメージしていました。彼自身、ウィットに富んだ演技がとても上手で、どんな感情でもうまく表現できる方ですし、見ていて信頼感を与えてくれます。だから、この薬剤師の役にとても合うと思いました。オファーする際は、私から直接電話をしてお願いしたんです。
──監督は、是枝監督の作品に、日常の大切さが描かれていると感じたと話されていましたが、韓国にはそのような物語はありますか?
日本の映画には、すごく多様なジャンルがあると思います。刺激的なものもあるけれど、平凡な人たちの平凡な物語も多く、本当に面白いと思っています。また、平凡な物語でありながらも、観ている人の心に響き、感動を与える映画がたくさんある。これは私の個人的な考えですが、日本映画は、平凡な人々が日常の中で感じる感情を描く映画が多いと思っていますし、そういうものを描くことに長けていると感じています。もちろん、是枝監督もそんな映画を作る1人だと思います。是枝監督の作品を通じて、私は映画に対するインスピレーションを得て、映画を作りたいと夢見るようになりました。韓国では、私が平凡な人々の感情をうまく描ける監督になれたらいいなと思っているところです。
Pontaパス会員限定【推しトク映画】
「大丈夫、大丈夫、大丈夫!」が土日平日いつでも1100円
- 対象劇場
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新宿ピカデリーほか松竹マルチプレックスシアターズ(全国のMOVIX・ピカデリー)、ローソン・ユナイテッドシネマ グループ、コロナシネマワールド、キノシネマ
- 料金
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一般・大学生 1100円 / 高校生以下 900円
※別途、追加料金が必要な特殊上映や特別席あり
- 対象
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Pontaパス会員、同伴者1名まで
- 利用条件
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会員ならいつでも、公開期間中何度でも利用可能
- 事前購入
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各劇場の公式サイト
- 利用方法
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プロフィール
キム・ヘヨン
「造られた殺人」「エクストリーム・ジョブ」などの助監督を経て、2025年に「大丈夫、大丈夫、大丈夫!」で長編映画デビューを果たす。同作は韓国映画として初めて、第74回ベルリン国際映画祭Generation Kplus部門の最優秀作品賞にあたるクリスタルベア賞を受賞。長編映画2作目として「今夜、世界からこの恋が消えても」の韓国リメイク版を手がけた。ドラマの世界でも活動しており、これまで「ユニコーン~パンギョ物語~」や「恋愛体質~30歳になれば大丈夫」の演出を担当している。



