映画ナタリー PowerPush -「チャッピー」
愛すべきロボット映画が誕生!ニール・ブロムカンプ監督最新作 「チャッピー」が見つめる未来
キャラクター紹介
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ディオン
(デーヴ・パテル)テトラバール社で働く若き天才工学者。警察用のロボット“スカウト”を開発。次なるステップとして人工知能の研究に熱中するが、会社にこの企画を却下されたことから独自に研究を進め、チャッピーを生み出すことに。
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ヴィンセント
(ヒュー・ジャックマン)テトラバール社の工学者で、以前は軍人だった。自身が開発したロボット“ムース”が警察用に採用されず、“スカウト”を作ったディオンを目の敵にしている。チャッピーの存在に気づき、これを野望の実現に利用する。
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ミシェル
(シガニー・ウィーバー)軍事技術を研究・開発する企業テトラバール社の重役。ディオンの才能を高く評価しているが、部下を増長させぬよう押さえつけることも心得ている。何よりも社の利益を最優先する女性で、人工知能の危険性を唱える。
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ニンジャ
(ニンジャ)3人組ストリートギャングのリーダー格。麻薬取引に手を染めているが、より凶悪なギャングの締め付けに遭い、莫大な借金を作ってしまう。チャッピーを利用し、大金の強奪計画に着手。
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ヨーランディ
(ヨーランディ・ヴィッサー)ニンジャの部下にして恋人。悪事に手を染める一方で母性は強く、チャッピーに対して母親のように接し、いろいろなことを教える。やがてチャッピーから“ママ”と呼ばれるようになる。
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ヤンキー
(ホセ・パブロ・カンティージョ)通称“アメリカ”。ニンジャの片腕で、アジトを共にしている気のいいストリートギャング。チャッピーにとっておじさんのような存在となり、ストリートでのクールな振る舞い方を伝授する。
ヒュー・ジャックマン コメント
ニールから短パンが送られてきたときは笑ったよ
僕が演じたヴィンセントは人の恐怖心を武器として利用する人間だ。彼が作ったメカ、ムースは製造にお金がかかるし、強力すぎる。ヴィンセントも同じで行きすぎた面があるんだ。彼の短パン姿は監督のアイデア。ニール(・ブロムカンプ)から短パンが送られてきたときは笑ったよ。彼はなんでもやってみる監督で、すべてを楽しんでいた。科学だけでなく哲学の知識も豊富で、それは本作の一要素でもあるんだ。僕らは今、重大な転換期にいる。テクノロジーが高いレベルに達し、今後どうなるか誰にもわからない。一方で、技術の進歩は規制されず、それに関する議論もなされていない。ニールはとても楽しく感動的なかたちで、その議論を提示していると思うよ。
ロケ地の南アフリカには初めて行ったけれど、大好きだ。新鮮な体験だった。移民問題をはじめ、目に見える問題がたくさんあるが、それでも、南アフリカでは生涯でもっとも興味深いといってもいいような会話ができた。かの地の人々は政治を生き、政治を呼吸していて、自分たちの国で作りあげてきたことについて心から誇りに思っているからだ。すごいことが起きている国だよ!
シガニー・ウィーバー コメント
「第9地区」の大ファンだったからニールとの仕事はうれしかった
私にとって出演作に大事なのは何よりも監督。その点では、「第9地区」の大ファンだったからニールとの仕事はとてもうれしかったわ。撮影現場での彼は、私たちにいろいろ試す自由を与えながらも、自分の伝えたいものを明確に理解している。こういう監督のもとでは役者も自信が持てるし、思い切ったこともできるのよ。ずっと共演したいと思っていたヒュー・ジャックマンとの仕事も、とても楽しかったわ。彼はヴィンセントというキャラクターをとてつもない熱量で演じていた。彼のようにエネルギーを持ってトライする役者との仕事は最高よ。こっちもいろいろなことを思い切って試せるから。そういう点では、一緒に仕事をする人々に恵まれたわね。
私が演じたミシェルという女性はCEOで、いかにも男性的な兵器会社で働いている。設定だけで興味深かったけれど、正直なところ彼女のキャラクターには髪が逆立つような思いだった(笑)。自社の利益最優先という彼女の優先順位の置き方はクレイジーだけれど、それがビジネスの現実よね。そんなCEOの倫理観や、企業が技術をコントロールして利益を上げようとする姿勢は、本作におけるとても時事的なテーマじゃないかしら。
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- 「チャッピー」2015年5月23日公開
- 「チャッピー」
「第9地区」で鮮烈な監督デビューを飾ったニール・ブロムカンプによる長編第3作。ヒュー・ジャックマン、シガニー・ウィーバー、「スラムドッグ$ミリオネア」のデーヴ・パテルらがキャストに名を連ねている。また、南アフリカの音楽ユニット、ダイ・アントワードのニンジャとヨーランディ・ヴィッサーも参戦。チャッピーの育ての親となるギャングを演じている。
ストーリー
2016年、南アフリカ共和国。犯罪の多発する都市ヨハネスブルグでは、軍事兵器会社テトラバールが開発したロボット警官が治安を守っていた。ロボットの開発者ディオンはそのうち1体に、自分自身で考え、成長するAI(人工知能)を搭載する。だが、上司から開発にストップをかけられたディオンは、ロボットを社外へ持ち出そうと画策。その道中で、ストリートギャングたちに自身もろとも誘拐されてしまう。ギャングの指示のもと起動させたロボットは「チャッピー」と名付けられ、赤ん坊のような状態から急速に成長していく。
スタッフ
- 監督・脚本・製作:ニール・ブロムカンプ
- 脚本:テリー・タッチェル
- 音楽:ハンス・ジマー
キャスト
- チャッピー:シャールト・コプリー
- ディオン:デーヴ・パテル
- ニンジャ:ニンジャ(ダイ・アントワード)
- ヨーランディ:ヨーランディ・ヴィッサー(ダイ・アントワード)
- ヤンキー:ホセ・パブロ・カンティージョ
- ヴィンセント:ヒュー・ジャックマン
- ミシェル:シガニー・ウィーバー
- ヒッポ:ブランドン・オーレット
ヒュー・ジャックマン
1968年10月12日生まれ、オーストラリア・シドニー生まれ。ハリウッドデビュー作「X-メン」のウルヴァリン役でブレイクし、同キャラクターを主人公に据えた「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」「ウルヴァリン:SAMURAI」も製作された。2012年には「レ・ミゼラブル」でゴールデングローブ賞主演男優賞を獲得し、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートを果たす。海賊の黒ひげに扮した「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」が今秋公開予定。ほか、ウルヴァリンのスピンオフ第3弾も待機している。
シガニー・ウィーバー
1949年10月8日アメリカ・ニューヨーク生まれ。1977年「アニー・ホール」でスクリーンデビュー後、1979年の「エイリアン」で主人公のリプリーを演じ、一躍スターに。続編「エイリアン2」ではアカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演女優賞にノミネートされた。主な出演作は「ワーキング・ガール」「愛は霧のかなたに」「アバター」「エクソダス:神と王」など。ニール・ブロムカンプが監督を務める「エイリアン」最新作への出演も予定している。