逆賊の幕臣

ギャクゾクノバクシン

大河ドラマ

あらすじ・ストーリー

万延元(1860)年。小栗忠順(おぐりただまさ)は、日本初の遣米使節団の中核として米艦ポーハタン号に迎えられ、大海原に乗り出す栄誉を得ていた。一方、日本の軍艦として随行する咸臨丸(かんりんまる)の勝海舟は、体調不良で船室から出ることができず、米軍士官に指揮権を譲渡するという屈辱に震えていた。
だが後世、偉業として語り継がれているのは「咸臨丸」の方だ。なぜなら小栗は、明治新政府に「逆賊」と見なされ、歴史の闇に葬られたからである──

小栗を最初に取り立てたのは、大老・井伊直弼だった。黒船来航により日本が世界経済の渦に巻き込まれ混乱が増す中、武士には珍しく金勘定や数字に強く、上役にも直言する小栗に目をつけたのだ。小栗は遣米使節として西洋文明を目の当たりにし、外国に飲み込まれない近代国家づくりを急ごうと決意する。
しかし、それは容易なことではなかった。井伊の暗殺、朝廷による開国拒否、生麦事件など攘夷事件の続発。そしてその賠償金や、皇女・和宮の降嫁(こうか)、将軍の上洛(じょうらく)、長州征討などが、財政の逼迫に拍車をかける。更に西郷隆盛ら薩長の志士たちや島津家など大大名が幕政に干渉し、インフレや格差に苦しむ民衆は暴動を起こす。そんな中で、列強が軍事力を背景に国の独立を脅かしてくるのだ。
小栗は財政・外交・軍事を預かる要職を歴任しながら、侵略の危機と国内の分断を食い止めようと奔走する。やがて起死回生の策としてフランスから支援を取り付け、改革の加速を狙うが、協調していたはずの将軍・徳川慶喜の本心が徐々に見えなくなっていく。そんななか勝は、薩長やイギリスとも気脈を通じながら、独自の近代化路線を構想していた。

片や堅物のエリート、片や人たらしの叩き上げ。何もかも対照的な小栗と勝だが、二人とも開明派で幕府内では疎まれながら、事態が窮すると結局は頼られ、利用された。また、やるべきことをやればやるほど敵を増やし、命さえ狙われるところもやけに似ていた。
自分にない才を互いに見て取り、対立しながらも一目置き合っていた二人。だが、 幕府を「改良」して人々を束ねる「仕組み」を作りたい小栗と、幕府を「解体」してでも実力ある「個人」を活躍させたい勝、その運命は大きく分かれていく……。(公式情報より)

キャスト

小栗忠順:松坂桃李
勝海舟:大沢たかお

スタッフ

作:安達奈緒子
演出:西村武五郎 / 末永創 / 川上剛

放送情報

NHK総合 2027年1月~放送予定

最終更新日時:2025年10月23日