Sho-Comi(小学館)の創刊50周年を記念し、コミックナタリーでは全10回にわたる連載企画を展開中。第2回となる本特集には「オレ嫁。~オレの嫁になれよ~」「幼なじみと、キスしたくなくない。」の佐野愛莉が登場する。「オレ嫁。」「キスない」を振り返るとともに、新連載「ハツコイダンス!」のテーマや、池山田剛「GET LOVE!!~フィールドの王子さま~」で開花したという年下男子への愛、負けず嫌いな胸の内も語ってもらった。

取材・文 / 熊瀬哲子

「GET LOVE!!」で知った、かわいいのにカッコいい男の子

──今回の特集はSho-Comiの創刊50周年を記念したものになりますが、佐野さんは昔からSho-Comiを読まれていましたか?

小さい頃はりぼん(集英社)を読んでいたんですが、小学校高学年か、中学校に入学したくらいからSho-Comiを読み始めるようになりました。池山田剛先生の「GET LOVE!!~フィールドの王子さま~」を単行本で買ったのがきっかけで、読んでいるうちに続きが気になって本誌を買うようになりました。その頃に連載していた作品はどれも好きだったと思います。新條まゆ先生の「愛俺!(愛を歌うより俺に溺れろ!)」とか、くまがい杏子先生の「はつめいプリンセス」もすごく好きで、何度か読者ページにイラストを投稿したこともあります。

──じゃあ過去のSho-Comiを読み返したら、佐野さんのイラストが見つかるかもしれないんですね。

「愛俺!」で投稿したときに載ってたのは覚えてるんですよ。一番いい賞をもらってて。当時はバリバリのコミッ娘でしたね。

──きっかけとなった「GET LOVE!!」はどういうところが好きだったんですか?

かわいいのにカッコいい男の子がいるっていうのを「GET LOVE!!」で初めて知ったんです。「あ、私はこういう子が好きなんだ」と気付いたというか(笑)。主人公の美樹が恋したのが、クラスで一番背が低い相楽っていう男の子で、その子がめちゃめちゃカッコよくて。

──佐野さんの連載作「オレ嫁。~オレの嫁になれよ~」に登場する條森前も、ヒロインより背が低くて、年下という設定でしたね。じゃあ「GET LOVE!!」をきっかけにそういう男子キャラに目覚めて。

「オレ嫁。~オレの嫁になれよ~」より、学園祭のコスプレカフェで女装することになった條森前。

そうですね。それまではマンガを読んでいても女の子しか見てなかったんですよ。恋愛の物語でも肝心なのは女の子の見た目のかわいさで、あまり男子は気にしてなかったんです。だけどSho-Comiを読んで初めて男の子を見るようになりました。中でも、中性的な男の子だったり、女装も似合いそうな男の子が好きでした。

──そういえば「オレ嫁。」の前くんも女装をさせられていたことがありましたね! そういった中性的な男子キャラのどこに魅力を感じているんでしょう?

そうですね……。自分が男目線になれるというか、かわいがれる感じが萌えるんだと思います。でも、大人になってからは年上男子の魅力もわかってきたんですよ。アシスタントさんと話しているときに「背の高い男子と背の低い女子の体格差に萌えるよね」って盛り上がったりすることもあります。

新連載はヒロインが夢追い男子を振り向かせようと奮闘する話

──佐野さんが思う“Sho-Comi像”はどんなものですか?

やっぱりヒロインを溺愛する男子が出てくるってことですかね。男子に愛されたかったら、Sho-Comiを読んだらいいんじゃないかなって思います。全力で愛してくれる男子が、Sho-Comiにはいる。

──それで言うと「オレ嫁。」の前くんもひなたを溺愛してましたもんね。

私自身、そういうキャラクターが好きですし、ある意味安心して読めるような気がするんですよね。私も愛されたいですし(笑)。

「オレ嫁。~オレの嫁になれよ~」より。

──そんなSho-Comiで、8月に佐野さんの新連載「ハツコイダンス!」が始まるとのことですが、どんな話になる予定ですか?

「男子に愛されたかったら……」と言いつつ、自分としては、次の作品では全然違うことに挑戦してみたいと思っているんです。夢を追いかける男子を主人公が振り向かせる話という……。最初から男子が溺愛してくれるのではなく、ヒロインが自分の力で振り向かせようと奮闘するお話です。ちなみに、男子の夢っていうのはダンスなんですけど。

──へええ。ダンスっていうアイデアはどこから?

担当編集さんと男子の夢というのをいろいろと考えていて、楽器とかも案として出たんですけど、私にとって音楽はあまりに未知すぎる世界なのでわからないなと。スポーツが一番わかりやすい気もするんですけど、もう少し新しいジャンルにチャレンジしてみたくて、スポーツのように体を動かすダンスになりました。ダンスは観るのは大好きなので、描けるかもしれないと思って。

「ハツコイダンス!」カット

──去年は大阪の登美丘高等学校ダンス部のバブリーダンスも流行りましたし、近年では学校の授業でも取り入れられているので、より身近なものになっている印象があります。

ダンスって、1人でバシッと踊るのもカッコいいですけど、複数人や団体で息の合った踊りを見せるのも圧巻だと思うので、マンガでどうやってダンスを描いていくのか、どうやって見せられるように描いていくかはこれからの課題ですね。いろいろなDVDを観たり、実際に観に行ったりして勉強しようと思います。

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佐野愛莉
2月7日生まれのみずがめ座で、血液型はB型。滋賀県出身。デビュー作はSho-Comi増刊2010年10月15日号(小学館)に掲載された「拾うな危険」。

2018年12月20日更新