柊誠一役・下野紘がいじめられっ子主人公に共感、“ゴリラかわいい”ヒロインに太鼓判!異世界成り上がりアニメ「進化の実」

稲田さんが「私は花澤香菜」と思って演じている

──アフレコの様子はいかがでしたか?

個別で録る場面もありましたが、掛け合いのシーンは人数制限をしつつ収録していました。共演者の皆さんがそれぞれしっかりとキャラクターとして演じてくださるので、隣で聞きながら演技ができるのが改めてとてもありがたいです。稲田さんが演じるゴリラ状態のサリアがこんなにかわいいなんて、1人で録っていたら感じられないと思うので(笑)。

──(笑)。誠一のことが大好きなヒロイン・サリアは、元々はレベル700以上のカイザーコングですが、進化の実を食べたことで美少女に進化します。進化前は稲田徹さん、進化後は花澤香菜さんが演じられていますが、稲田さんのヒロイン役はどうだったんでしょう。

本当にとてもかわいいんですよ! 稲田さんが「『私は花澤香菜だ』と思って演じている」とおっしゃっていただけあって、愛らしくて。稲田さんのおかげで素敵な空気感の中、全力でやらせていただけました。第2話で特に感じたのですが、サリアがピンチになるシーンで誠一に感情移入し過ぎて、僕が少し泣きそうになったんですよ。掛け合いのシーンは並んで収録させていただいたんですが、対面での収録だったら、少し別の意味で危なかったかもしれないです……(笑)。

──腕っぷしは強いけど、健気で一途なサリアの姿が印象的でした。取材前に聞いた話なのですが、アニメの男性スタッフの中には進化前の見た目でも、サリアのような女性が好きという方も多いそうです。

男性はちょろいというか……見た目がとてもかわいらしい人とお付き合いしたいと思っていても、自分に健気に尽くしてくれる人にコロッといってしまうようなところがあるんです。そのパターンの男性は、かなり多いと思います。

TVアニメ「進化の実 ~知らないうちに勝ち組人生~」より。

──進化前のサリアが男性視聴者も虜にしてしまう可能性ありますね。

あるでしょうね、包容力もありますし!

──先ほど、稲田さんが花澤さんの演技を意識してサリアを演じたというお話があったんですが、花澤さんが逆に稲田さんのサリアをイメージしていたという部分もあるんでしょうか?

稲田さんと花澤さんは昔から交流があるそうなので、以前からの関係性もあると思うのですけど、ゴリラのサリアを稲田さんが演じることを花澤さんも喜んでいたんですよ。「私も稲田さんのゴリラサリアを意識して演じます!」と言っていたのですが、稲田さんも花澤さんのサリアを意識して演じているので、「それはもう行き違いなのでは……?」と(笑)。

TVアニメ「進化の実 ~知らないうちに勝ち組人生~」より。

──(笑)。戦闘能力はそのままに、見た目が美少女になったサリアについてはいかがでしたか?

かわいくなったというのはもちろんですが、今後の話の展開で「心が広いなー!」と思うエピソードがたくさん登場します。容姿は変わっても、中身は変わっていないところにこだわっているんだなと、花澤さんのセリフを聞いていて感じました。たまに稲田さんがチラつきますけど……。

知らないことを知りたいなという希望が強くなってきた

──お話は変わりますが、下野さんがコミックナタリーの特集にご登場いただくのが、約2年ぶりとなるんです。この2年間は特に声優という職業にスポットが当たり、下野さんをバラエティ番組などで見かけることも増えたように感じました。この2年間でたくさんのTV番組にご出演されたかと思いますが、声優としての学びになった部分はありましたか?

TV番組に出ることによって、いろいろなアニメ作品や声優さんをたくさんの人に知ってもらえる機会が増えた、ということはもちろんありますが、芝居の面ではそんなに大きな影響はないかなと個人的に思います。ただ、40歳を越える少し前から、自分が普段やったことがないことをしてみたり、知らないことを知りたいなという希望が強くなってきたので、たくさんのことを経験させていただいて、いろいろなものを吸収させていただけることが本当にありがたいです。

TVアニメ「進化の実 ~知らないうちに勝ち組人生~」より。

──下野さんのテレビ出演が増えたこともそうですが、テレビでアニメの特集も多くなりましたし、ここ数年でアニメや声優に関する注目度が以前よりも上がりましたよね。

本当に。今から20年ぐらい前だとアニメや声優が好きというとどこか偏った見られ方をされていたこともあって、自分でもどこか後ろめたさがありましたけど、今は状況が変わったと思います。バラエティ番組自体は以前も出させていただいたことはありましたけど、番組での扱い方が変わってきたような雰囲気があります。声優という職業について、わからないから知ってみようという人が増えた気がしますね。

──以前下野さんはバラエティで1人9役で即興アフレコにも挑戦されていましたが、声優が持つ演技力や、それぞれ印象の違うキャラを演じる職人芸のようなところにも、注目が集まるのではと思いました。

イベントのトークで面白い返答を求められたりすることもあるので、そういう部分も面白がられて注目いただくこともあるかもしれませんね。

──これからのご活躍がますます楽しみです! ではいよいよ10月4日に放送がスタートしますが、物語序盤で下野さんが注目してほしいポイントをお聞かせください。

個人的にゴリラサリアと誠一の掛け合いがとても楽しかったので、注目してほしいです。序盤だと2話は大きな山場があるので絶対に観ていただきたいですね。あとは一見関係なさそうな話が後々物語に意味を与える、という部分もあるのでそこも意識して観ていただいたらもっと楽しくなると思います。

──ありがとうございます。それでは最後に、ファンの方に向けてメッセージをお願いします。

気持ちが忙しくなる場面もありますが、そこまで難しい話でもなく、キャラクターのやり取りを面白がっていただけるような楽しい会話劇です。鼻血は出ますけど、いかがわしいシーンはないと思うので、いろいろな方に楽しんでいただきたいなと思っています。

下野紘(シモノヒロ)
4月21日生まれ、東京都出身。主な出演作に「鬼滅の刃」(我妻善逸役)、「迷宮ブラックカンパニー」(ワニベ役)、「小林さんちのメイドラゴンS」(会田タケト役)、「進撃の巨人」(コニー・スプリンガー役)、「僕のヒーローアカデミア」(荼毘役)などがある。