コミックナタリー Power Push - マーガレットコミックス特集 あの頃も、これからも!一生少女マンガ宣言 第11回 佐藤ざくり「マイルノビッチ」「たいへんよくできました。」
“這い上がる女子”の描き応え
「この人ゾッとすること言ったよね」っていうのがグッとくる
──今回ブックパスのキャンペーンでマーガレット、別冊マーガレットの作品がたくさん読み放題になるのですが、ざくり先生のお好きな作品についてお聞かせください。
私、いくえみ綾さんがめちゃくちゃ好きで。今でも全部持ってます。「I LOVE HER」はもうシビれましたね、何回も読み返してます。「バラ色の明日」も。ちょっと怖い話とか好きなんです。ときめくけど、「この人ゾッとすること言ったよね」っていうのがグッとくる。あと河原和音さんも尊敬してます。読み切りもすっごく面白いし、「高校デビュー」が特に好きですね。原作もしはるから、すごいなあって思って。
──つい最近まで「青空エール」と「俺物語!!」、連載を2本並行してましたね。
それでもまだまだやるぞっていう感じが伝わってくるからすごいです。山川あいじさんと共作の「友だちの話」も素敵でしたね。ストーリーの完成度が高くて。山川あいじさんの絵もめっちゃ見ちゃいます。藤村真理さんもすごく好きですね! 「少年少女学級団」、確かまだ完結してないんですよね。幅広いお話を描ける方なんだなあと。たぶん青年誌とかで描いても、絶対面白いんだろうと思います。
──マーガレットは学生時代に読まれてましたか?
小学生のときはりぼんをずっと読んでました。それからは雑誌を読むことをやめてたんですけど、何かの機会に本屋さん行ったときに、親にマーガレットを買ってもらったことがあって。そのときすごく記憶に残っているのが「メイちゃんの執事」の宮城(理子)先生が描かれてた「Rooの王国」。子供の頃読んでた作家さんと、自分が同じ誌面に載ってるのは不思議な感覚ですね。
──プライベートで交流のある作家さんはどなたですか?
葉月めぐみが関西仲間ですね。なんというか、付かず離れずの関係です(笑)。私が20歳で彼女が19歳ぐらいのときに知り合ってから、ちょいちょい会ったりして……。葉月は「檸檬プラネット」がすごく読みやすいと思います。リリカルな感じ。「お嬢様はお嫁様。」はみんな知ってるだろうから、あんまり知られてないであろう作品を挙げました! あと「雛鳥のワルツ」「まりんとゆうれい」の里中実華さんも、集英社のパーティーとかで「好きなんですよ!」って話しかけてくれたりしてうれしいです。繊細な少女マンガを描かれますよね。かわいいなあ。
マーガレットでの役割は「嫌なこと言うやつ」
──ざくり先生は、マーガレットの中で自分の作品はどういう位置づけだと思いますか?
うーん。私は、「嫌なこと言うやつ」だと思います。
──というと語弊がありますが……(笑)、しんどいことを見せる役割、といいますか。
そうです、そうです。「そういうの見たくないのになあ」っていう現実を見せる。浮気されたり、別れたり、いじめられたり、ハブられたり……。
──……つらくなってきました。
あはは(笑)。でもそういうのを描いているほうがやりがいがあるんですよね。「描いたなあ」って思う。ぼたんと甘藤くんのラブラブなところも、描いてたらだんだん物足りなくなってきちゃったりするんです。
──「otona♥pink」の柱では、「私はマンガ家一生続けます」と宣言してらっしゃいましたが、今も変わらず同じ気持ちですか。
私、そんなこと書いてたんですね。たぶん、弱ってたから書いたのかもしれない。何か発しないと進めなかったというか。今はいつでも辞めてもいいかな……と思っちゃいますけど、でも気が付いたらマンガのネタになりそうなことをメモったりしてるから、描くのは好きなんです、きっと。もっと売れたほうがいいんだろうなって思うけど、目立ちたくないですね。目立たない感じで売れたい。
担当編集 難しいこと言うなあ(笑)。
「こんなんやったら面白いかも」って思いつく限りは、描いていきたいですね。
佐藤ざくりオススメのマーガレット作品が読み放題!
ブックパスでは佐藤ざくり作品が期間限定で読み放題。もうすぐ完結を迎える「たいへんよくできました。」や、自身の最長連載となった「マイルノビッチ」をはじめ、短編集「少女、少女、少女なの。」などもラインナップされた。インタビューに登場した、ざくりオススメのマーガレット作品も公開中だ。
※各作品の読み放題提供期間はブックパスの特集サイトでご確認ください。
- マーガレットコミックス特集 あの頃も、これからも!一生少女マンガ宣言 特集一覧・連載作品年表はこちら
- 第1回 河原和音
- 第2回 咲坂伊緒
- 第3回 神尾葉子
- 第4回 中原アヤ
- 第5回 森下suu
- 第6回 あいだ夏波
- 第7回 やまもり三香
- 第8回 水野美波
- 第9回 幸田もも子
- 第10回 宮城理子
- 第11回 佐藤ざくり
- 第12回 椎名軽穂
- 第13回 小村あゆみ
- 第14回 いくえみ綾
- 第15回 ななじ眺
- 第16回 八田鮎子
- 番外編 マーガレット&別冊マーガレット編集長インタビュー
期間限定!auの電子書籍ストアで読み放題
※各作品の読み放題提供期間はブックパスの特集サイトでご確認ください。
ブックパス
スマートフォンやパソコンで利用できるauの電子書籍ストア。月額562円(税別)でマーガレット作品も読み放題! 初回入会なら14日間無料でお試しもできる!
9年間ずっとぼっちな主人公・ぼたんが高校生活をがんばる物語はとうとう恋のうずまく4巻目に突入!! 体育祭で甘藤君に「俺やめた方がいい」と言われ、告白する前にフラれたぼたんはひきこもりグセ再発!! この危機を救ったのはトイレにひびいた聞き覚えのある不思議な声!? 「たいへんよくできました。番外編」も収録。
佐藤ざくり(サトウザクリ)
9月20日生まれ。大阪市出身、京都市在住。2001年、マーガレット(集英社)に掲載されたNEWまんがゼミナール入選作「同じ星に生まれて」でデビュー。同誌にて2008年より「おバカちゃん、恋語りき」を、2011年より「マイルノビッチ」を連載。2014年より”ぼっち女子”を主人公とした「たいへんよくできました。」を連載する。そのほか著作に「MiLK」「otona♥pink」「少女、少女、少女なの。 佐藤ざくり短編集」などがある。
2016年1月22日更新