コミックナタリー Power Push -ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」-Un Nouveau Voyage-
戦士としての3年間、涙と笑顔の卒業、2.5次元を語る
続くと思ってなかった
──「JAPAN EXPO」の後には日本での公演(参照:「セラミュー」本日開幕!初の海外公演も決定)がありましたが、「-Petite Étrangère-」はちびうさやセーラープルートが出てきて、未来の世界も登場する、華やかな作品でした。うさぎがプリンス・デマンドに誘惑される、ドキドキするシーンもありましたね。
大久保 そうなんです! 「まさかセーラームーンでこんなシーンがあるなんて」って思いましたもん。デマンドに操られているシーンなので、ダンスの先生にもいろいろ教えていただいて。でもとにかく恥ずかしかった。照れちゃって、最初は。
──(タキシード仮面役の)大和悠河さんと絡むのとは違いました?
大久保 違いましたね。いやあ、どちらも……選べない(笑)。でも(真波)そらさんのサフィールも、ほんとカッコよくて! サフィールに首を掴まれちゃうシーンがあるんですけど、「もっとキツくしてもいいよ」って思っちゃったくらい。
一同 あはは(笑)。
大久保 なんだろう。本当にカッコよくて。あと退場の仕方、そらさんの。
七木 歩き方ね!
坂田 カッコいいの、足音が! そらさん、プライベートでは誰よりも天然で、すっごいフワフワした方なんですよ。私たちがついツッコミたくなるくらい(笑)。そのそらさんを知ってるから、ステージ上で目が合うだけで、逆にゾクッとする感じがありました。
──さっき大久保さんは「-Petite Étrangère-」で自信が付いたとおっしゃってたんですけど、ほかの皆さんはいかがでしたか?
七木 「-La Reconquista-」が終わっていろんな反省点が湧いてきて、でもまた次の公演があるってわかってなかったから、「-Petite Étrangère-」でまたセーラー戦士をやれるって知って、やりたかったことをやろうって、もっと自信を付けた気がします。
高橋 確かに。「-La Reconquista-」が終わったときは、続くと思ってなかったもんね。千秋楽でめっちゃ泣いたもん。
大久保 いったんここで卒業したような気分になったよね。
坂田 なったなった(笑)。最初セーラームーン20周年の記念でってことで始まったから、「20周年のお祭りっていつまでもできないしなあ」と思ってて。毎回毎回すごい思い入れを持ってやってたなあ。でもステージ上で自信を持ってやれたことって、私、ない気がする。がんばって、踏ん張って立ってたら、ファンの方が「そういうところが美奈子ちゃんぽい」って言ってくれて、「ああ、私は明日も美奈子ちゃんとして立っていいんだな」って思えたけど。何回も衣裳を着させていただいて、かつらを着けさせていただいても、やっぱり自分が負けちゃいそうになるぐらいの作品でした。
高橋 そうだね。やっぱり「セーラームーン」っていう作品がとにかく大きいから、プレッシャーはものすごかった。
ウラヌスとネプチューンが登場すると、客席は……
──そして卒業公演となった「-Un Nouveau Voyage-」ではウラヌス、ネプチューン、サターンが加わり、ついに10戦士が集いました。
坂田 もうね、すごいんです。ウラヌスとネプチューンが登場するじゃないですか。客席を見てると、みんな一斉に「スッ」ってオペラグラスを手にするんですよ。
一同 あはははは(笑)。
大久保 すっごい揃ってるんだよね! 毎回ドキドキしたもん。ウラネプがシルエットで出てきて、曲のイントロと一緒に現れるの。鳥肌立ったなあ。
高橋 (ウラヌス役の汐月)しゅうさんと(ネプチューン役の藤岡)沙也香さんは、原作もアニメもめっちゃ研究されてて。「原作でこのポーズしてたからこの動き絶対します」ってこだわってましたね。
──今春からはちょうどアニメ「美少女戦士セーラームーンCrystal」第3期<デス・バスターズ編>が始まり、同じウラヌス、ネプチューンが登場するところからストーリーが描かれるので、照らし合わせて観ても面白そうですね。
大久保 めちゃくちゃ楽しみですね。同時にDVD流してみたいなー。同じシーンを。
小山 私気付いちゃったんだけど、アニメでネプチューン役は大原さやかさんなんですよね。沙也香さんとおなじ「さやか」さん!!って、キャスト発表のニコ生もリアルタイムで観てたので、みんなに速攻、LINEで知らせました(笑)。
坂田 私たち5人としゅうさん、沙也香さんの7人で楽屋が同じ部屋だったんですけど、大千秋楽の日、本番の前に円陣組んだら、沙也香さんが涙を流したんです。「私、みんなのことがすごく好きで。本当に一緒にやれてよかった」って言ってくださって。普段はすごい男前で、引っ張って下さる方なんですよ。だからそんなふうに言ってくれて、「やってやる!」ってすごく思ったし。しゅうさんも、「今まで私はステージ上で一度も泣いたことがない。宝塚の退団公演でも。だから今回も泣かないよ」って言ってたんですよ。なのに……。
小山 千秋楽のカーテンコールでね! ちょっと言葉を詰まらせて……。「やった!」って思っちゃったよね(笑)。
坂田 「セーラームーンというコンテンツがずるいんだ!」って言い訳してましたけど(笑)。しゅうさんのファンの方たちも驚きだったみたいですね。
元宝塚の先輩から学んだこと
──セラミューでは大和さんをはじめ、元宝塚の方と毎回、共演してきました。そこから学んだことはありますか?
大久保 立ち姿からして目がそっちにすぐ惹き付けられちゃうような、すごく美しい方たちで。姿、見せ方っていうんですかね、そのあたりをすごい学びましたね。歩き方とか階段の降り方とか、基礎的なところから。
──出演者が全員女性ということもあって、やっぱりほかの作品とはカンパニーの雰囲気も違いますか?
坂田 全然違いますね。全員女性の舞台って、私何度かやらせていただいたんですけど、それともまたセラミューは違うんですよ。やっぱり宝塚の方は皆さん共通して、ストイックだなっていうのは感じました。休憩時間とかお休みの日を、とことん皆さん楽しんでて、切り替えがすごくうまい。私たちは5人で楽しく遊んだらそのままお稽古にも引きずっちゃって、注意されたことも何回かあったんですけど。
大久保 やっぱり宝塚の方がいると稽古中も引き締まるんですよね。経験、場数を踏んでる方たちなので、負けないようにがんばろうっていうふうに周りも思うし。でも年齢も離れているのに、めちゃくちゃ気さくに遊んでくれるんです。あちらからすっごい誘ってくれるんですよ!
坂田 変な距離感は生まれないよね。悠河さんも「みんな。ディズニーランド一緒に行かない?」って言ってくれて。早く実現させたいなあ。
大久保 女だらけだけど、年齢がみんな違ったりするから、女子校ともまた違う感じ。ちゃんとメリハリがあって、みんなが「セーラームーン」を好きな女の子たちだったから、すごく愛に溢れてて。殺伐とした空気とかは一切なかったよね。
坂田 ないね。お互いがお互いを認め合ってて。「女の子だらけで大変でしょ?」ってよく言われるんですけど、ホントに何もないって言っていいぐらい仲が良かったです。
小山 やっぱりみんな「セーラームーン」っていうコンテンツへの愛がある、っていうところは大きいよね。そこで繋がれた。
──セラミューを卒業した後、高橋さんは「スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE~さよなら絶望学園~」、坂田さんはミュージカル「黒執事」、七木さんは残酷歌劇「ライチ☆光クラブ」と、それぞれ異なる2.5次元作品にも出演しましたが、また座組ごとに空気も全然違いますか。
高橋 「ダンガンロンパ」ももちろんカンパニーの仲はすごくよかったですけどね。やっぱり男性がいると敵わない部分があったりして。それはそれですごくいいことだなって思うんですけど、セラミューは全員が本当にひとつになれたので、それってすごいことだったんだって改めて思います。
坂田 原作のある作品だと、カンパニーの雰囲気は、作品に寄ってくるところも大きいと思います。セラミュー千秋楽の次の日が「黒執事」の顔合わせだったんですけど、また全然違いましたね。「黒執事」はそれぞれがそれぞれの使命を果たすっていう作品だったんですけど、キャストの関係性もそういう感じがしました。
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- ミュージカル「美少女戦士 セーラームーン」-Un Nouveau Voyage-
収録内容
本編+映像特典
映像特典
- 東京公演ダイジェスト(ちびうさ:久家心)
- セーラー5戦士+タキシード仮面 座談会
- セーラー5戦士+外部太陽系4戦士 座談会
- セーラー5戦士卒業式
- ミュージカル「美少女戦士 セーラームーン」-La Reconquista- / 2014年7月9日発売 / [DVD2枚組] 8424円 / キングレコード / KIBM-446~7
- ミュージカル「美少女戦士 セーラームーン」-La Reconquista-
制作スタッフ
原作:武内直子
監督:今千秋
脚本・シリーズ構成:小林雄次
キャラクターデザイン:高橋晃
美術監督:倉橋隆
音楽:高梨康治(Team-MAX)
音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:東映アニメーション
ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」-Un Nouveau Voyage-DVD発売記念イベント“セーラー5戦士同窓会!”
2016年2月28日(日)
会場:ニコニコ本社
【1部】開場14:30 開演15:00
【2部】開場18:00 開演18:30
2部はニコ生配信有。タイムシフト予約はコチラから
大久保聡美(オオクボサトミ)
10月30日、千葉県生まれ。2013年の新生ミュージカル「美少女戦士セーラームーン-La Reconquista-」で本格デビュー。主な出演作に舞台「セブンフレンズ・セブンミニッツ」、CM「外為どっとコム」など。
小山百代(コヤマモモヨ)
11月30日、北海道生まれ。劇団フルーツバスケットにてミュージカル出演。ミュージカル「美少女戦士セーラームーン-Petite Étrangère-」より、松浦雅の後を継いでセーラーマーキュリーを演じた。
七木奏音(ナナキカノン)
2月7日、東京都生まれ。主な出演作品に映画「告白」、舞台「ロック☆オペラ サイケデリックペイン」「ライチ☆光クラブ」、セブン&アイ グループCMなど。
高橋ユウ(タカハシユウ)
1月19日、滋賀県生まれ。Cawaii!(主婦の友社)、PINKY(集英社)の専属モデルとして活躍し、東京ガールズコレクションなど多数のファッションショーに出演。劇場版「仮面ライダーキバ」のヒロイン・麻生ゆり役のほか、現在ではバラエティ番組にも多く出演している。
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- 高橋ユウの記事まとめ
坂田しおり(サカタシオリ)
8月4日、東京都生まれ。2008年よりアイドルユニット・アイドルカレッジのメンバーとして活躍し、2012年の卒業後、女優として本格的に活動開始。主な出演作はテレビ「金魚倶楽部」、舞台「鬼斬」「龍狼伝」「黒執事」など。