コミックナタリー Power Push -ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」-Un Nouveau Voyage-

戦士としての3年間、涙と笑顔の卒業、2.5次元を語る

表情がうさぎになってるよ

──それではせっかくなので、1作目の「-La Reconquista-」から少しずつ、この3年間を振り返ってみようと思います。

坂田 え、ちょっと待って。(「-La Reconquista-」と卒業公演「-Un Nouveau Voyage-」のパンフレットの、大久保のページを見比べつつ)これ、誰!?

小山 わ。顔つきが全然違う!!

七木 成長してる。なんか、うさぎになってるよ!!

大久保 本当だね。なんか……全然違うね。「-Un Nouveau Voyage-」のほうが、なんだろう……いろいろ抜けた感じがする。

高橋 うん、表情が優しいね。

──オーディションのときのこととか、覚えてますか?

大久保聡美(月野うさぎ / セーラームーン)

大久保 めちゃくちゃ覚えてますよー! 最初部屋に入って、前から3番目だったんです。しっかりした声優さんの方が前にいて、「うわっ、終わった……」って思って、とりあえず自分がやれるだけやろうと思ったんです。特技披露のときに、私、側転が得意なのでやろうとしたんだけど、どうしてもお手洗いに行きたくなってしまって(笑)。このまま側転したらヤバいなって思って、披露できなかったのが一番悔しかったです。

小山 この話、何度聞いても笑える(笑)。

高橋 (笑)オーディションのこと、私もよく覚えてるけど、絶対受からないと思ったよね。終わった瞬間は。

七木 うん。絶対無理だと思ってた!

高橋 マネージャーさんから「受かったよ」って電話掛かってきたときに「何役ですか?悪役ですか?」ってなんの疑いもなく返したもん(笑)。「ううん、セーラージュピターだよ」って言われて、「私がセーラー戦士になっていいんだ」って、全力でガッツポーズした。

「ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』-La Reconquista-」より。

──「-La Reconquista-」は緊張だらけだったと思いますが(参照:「セラミュ」華やかに本日開幕「絶対にうさぎを守ります」)、お客さんの前に初めて立った瞬間とか、覚えてますか。

大久保 もう、緊張しかなかったですね。大きなステージに立つことももちろん初めてだったんですけど、今までもミュージカルが作られて、すごく愛されてきた作品で。セーラームーンっていう、すっごく大きなものを引き継ぐのが私でいいのかなあ、っていう不安で、初演のときはけっこう、プレッシャーに負けてましたね。でもみんなに支えてもらって、なんとか乗り切れた感じでした。

──公演を終えたら自信は付きましたか?

大久保 私がセーラームーンであるっていうことには、少しは自信があったんですけど、やっぱりファンの方とか、「セーラームーン」ファンの方に受け入れてもらえるのかなっていう不安はもちろんすごくあって。で、(2作目の)「-Petite Étrangère-」が終わって、ようやく「あ、なんか受け入れてもらった気がする」っていうふうに思えた。その後上海に行って(参照:ミュージカル「『美少女戦士セーラームーン』Petite Étrangère-」DVD発売記念、上海公演密着レポート)、そこでの声援とかがすごくて、「あ、私セーラームーンとして観てもらえてるんだな」って強く感じて。そこから本当に自信が付いたし、不安もなくなりました。

フランスでの珍事件

「ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』-Petite Étrangère-」より。

──小山さんは「-Petite Étrangère-」で初参加となりました。

坂田 ももはもう、子供の頃からずっとセラミュー観てきてるんだもんね。

小山 私と亜美ちゃんとは、「ザ・ギャップ大賞」があったらもらえるんじゃないかってぐらい、程遠い存在だと思うんですけど(笑)。オーディションを受けるにあたって、自分の中の亜美ちゃん像を掘り起こして。歴代セラミューで亜美ちゃんを演じた方の身長を、全部調べたりしました。

高橋 へえー!

──最初から亜美ちゃんがやりたかったんですか?

小山 「セーラームーン」が、セラミューが、好きっていう気持ちが大きすぎて、もうステージの隅を歩くだけでもいい、ぐらいの気持ちでいたので、何になりたいとか、そんなおこがましいこと、一度も思ったことはないんです!(笑) だから合格と聞いたときは「えっ…!?うっ……っ」って。

坂田 言葉にならなかったんだ。でもホント、百代が来てくれてよかったよ。

高橋 うんうん。

坂田 (「-La Reconquista-」でセーラーマーキュリーを演じた、松浦)雅ちゃんがいての5人と、百代がいての5人ってまた全然雰囲気が違うんですけど、ここまで仲良くなるのって本当にすごいと思うんです。普通、公演が終わったら「お互いお仕事がんばりましょう」って離れていく感じが多いんですけど。

七木奏音(火野レイ / セーラーマーズ)

七木 ほかの現場で、私があまりにもしゃべらないから「友達いるの?」ってすごく聞かれるんだけど(笑)、「セーラームーンのキャストさんと、すっごいよく遊んでます。昨日も遊びました」って言うと、「珍しいね」って。しかもこの5人だけじゃなくて、敵役とかも含めてキャスト全員に集合が掛かったりするんです。稽古場から、みんなが「セーラームーン」っていう作品が好きで集まっているのがよくわかったから、もうこれは作品の力だなって思います。

──でも小山さん、最初は人見知りしていたっておっしゃってましたね。

小山 もし私が「-La Reconquista-」を観てなくて、みんなの再現度とか、すごく仲がいい感じを知らなかったら、もっとフランクに入れたかもしれないんですけど。いちファンとしてそれを知ってたが故に、飛び込むのが最初は怖かったですね。(2014年7月に)「JAPAN EXPO」でフランスに行って(参照:「セラミュ」キャスト、フランス開催のJapan Expoに参加)、そのときに面白いことがたくさんあって、打ち解けられました。

高橋 なんだっけ。あれか、非常ベル?

小山 ホテルの非常ベルが意味もなく夜中の3時に鳴って。廊下に出たらみんな出てきたんだよね(笑)。あとプールね!

七木 そうそう。ホテルにすごく綺麗なプールがあったから、みんなで探検しにいったら。

大久保 1回外に出たら、すごく素敵な、ディズニー作品に出てきそうな噴水があって。「キレーイ!」ってみんなで見とれて戻ろうとしたら、ドアが……開かない。

坂田 「これは私だから開かないんだ!」と思って、まこちゃん怪力キャラだし「ユウちゃんやって」ってとりあえずユウちゃんにやってもらったけど、開かない(笑)。「自分たちだけで出ちゃダメだよ」ってスタッフさんに言われてたから、「うわーヤバい!もう仕事来ない!!」って焦ったら……。

七木 すぐ30mくらい先に、ホテルの入口があったんだよね(笑)。

高橋 みんなでそのハプニングを過ごしたのも大きいよね(笑)。百代も含めてみんなで、ひとつになったなあって思った。

ミュージカル「美少女戦士 セーラームーン」-Un Nouveau Voyage- / 2016年2月24日発売 / [DVD2枚組] 8424円 / キングレコード / KIBM-543~4
ミュージカル「美少女戦士 セーラームーン」-Un Nouveau Voyage-
収録内容

本編+映像特典

映像特典
  • 東京公演ダイジェスト(ちびうさ:久家心)
  • セーラー5戦士+タキシード仮面 座談会
  • セーラー5戦士+外部太陽系4戦士 座談会
  • セーラー5戦士卒業式
アニメ「美少女戦士セーラームーンCrystal」第3期 今春放送開始
アニメ「美少女戦士セーラームーンCrystal」第3期 今春放送開始
制作スタッフ

原作:武内直子
監督:今千秋
脚本・シリーズ構成:小林雄次
キャラクターデザイン:高橋晃
美術監督:倉橋隆
音楽:高梨康治(Team-MAX)
音楽制作:キングレコード
アニメーション制作:東映アニメーション

ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」-Un Nouveau Voyage-DVD発売記念イベント“セーラー5戦士同窓会!”

2016年2月28日(日)
会場:ニコニコ本社

【1部】開場14:30 開演15:00

【2部】開場18:00 開演18:30

2部はニコ生配信有。タイムシフト予約はコチラから

大久保聡美(オオクボサトミ)

10月30日、千葉県生まれ。2013年の新生ミュージカル「美少女戦士セーラームーン-La Reconquista-」で本格デビュー。主な出演作に舞台「セブンフレンズ・セブンミニッツ」、CM「外為どっとコム」など。

小山百代(コヤマモモヨ)

11月30日、北海道生まれ。劇団フルーツバスケットにてミュージカル出演。ミュージカル「美少女戦士セーラームーン-Petite Étrangère-」より、松浦雅の後を継いでセーラーマーキュリーを演じた。

七木奏音(ナナキカノン)

2月7日、東京都生まれ。主な出演作品に映画「告白」、舞台「ロック☆オペラ サイケデリックペイン」「ライチ☆光クラブ」、セブン&アイ グループCMなど。

高橋ユウ(タカハシユウ)

1月19日、滋賀県生まれ。Cawaii!(主婦の友社)、PINKY(集英社)の専属モデルとして活躍し、東京ガールズコレクションなど多数のファッションショーに出演。劇場版「仮面ライダーキバ」のヒロイン・麻生ゆり役のほか、現在ではバラエティ番組にも多く出演している。

坂田しおり(サカタシオリ)

8月4日、東京都生まれ。2008年よりアイドルユニット・アイドルカレッジのメンバーとして活躍し、2012年の卒業後、女優として本格的に活動開始。主な出演作はテレビ「金魚倶楽部」、舞台「鬼斬」「龍狼伝」「黒執事」など。