「プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第1章」特集 第1回 キャスト座談会  古賀葵、関根明良、大地葉、影山灯、古木のぞみ|チーム白鳩再始動!

世界中の人間にトラウマを植え付けた第7話

──コミックナタリーでは2019年に行われた本作のライブイベント「プリンセス・プリンシパル THE LIVE Yuki Kajiura×Void_Chords」の特集記事(参照:「プリンセス・プリンシパル THE LIVE Yuki Kajiura×Void_Chords」特集)も掲載したのですが、皆さんもライブには行かれましたか?

大地 たぶん、私1人だけが行けていないんですよ。続編のOPテーマがそこで初披露されたんですよね……。

左から、ベアトリス役の影山灯、ドロシー役の大地葉。

影山 残念。でもその曲は、インタビュー前の撮影中に流れてたよ。

大地 やっぱり。「あ、これやろうな」と思いながら聴いてた(笑)。超カッコいい。でもライブで聴きたかった……。

影山 ライブで先に聴いたけど、TVシリーズとはまた違う力強さや響きとかあってね。

古木 オシャレだし、カッコいいし。「絶対こんな声出ない」「私もこんな声出してみたい」とか思っちゃった(笑)。

──2月末に公開されるPVで使われるそう(※このインタビュー取材は1月に行われた)なので、大地さんにはそこできちんと聴いていただきましょう。

大地 お! やった!

古賀 楽しみですね。

──ライブで特に印象的な場面はありましたか?

影山 やっぱり「moonlight melody」ですね。第7話(「case18 Rouge Morgue」)の挿入歌を梶浦さんがやってくれて。

大地 ね。

影山 第7話は切なくて悲しいんだけど、面白い話なんだよな……語彙力がないけど(笑)。

大地 あの話は世界中の人間にトラウマを植え付けたよね。

──ドロシーが父親のダニーと再会し、ようやく父娘が心を通わせることができたのに……という悲しいエピソードですね。

古賀 いや、あれは観ていてしんどいですよ……。「moonlight melody」が演奏されたのもライブでも最後の方だったし。

大地 えー、そうだったの!? お客さんも泣いちゃうよ。

──あの挿入歌を梶浦さんは「プリプリ」世界にある映画作品の主題歌をイメージして作られたそうですが、会場の雰囲気は本当に大団円感がありました。ただ、この話をあまり続けても大地さんがつらいだけですよね。

古木 Blu-rayで観よう!

大地 Blu-ray買ったら家で上映会しよーぜ!(笑)

キャラの声を思い出すため、歌う前には少しセリフをしゃべる

──音楽関連だと、続編のEDテーマ「Nowhere Land」はTVシリーズに続いてキャストの皆さんが歌われますよね。今回も全編英語で。

古賀 そうなんですよね。TVシリーズで聴いていたときは「すごい、全部英語で歌っているんだ!」と思っていたのに。

影山 人ごとだったのに(笑)。

古賀 しかも皆さん上手で、まるで現地の人のような英語だったから衝撃でした。だから今回のレコーディングでは本当に「大丈夫か私、がんばれ!」と思っていました。

大地 まあ、みんな「大丈夫か、私」だっただろうし。TVシリーズのときは最初「え、英語で歌うんですか?」って言ったもんね。

古木 みんな震えながら歌ってたよね。

関根 私は全部カタカナで歌ってる(笑)。

影山 英語の発音もそうだし、自分のキャラクターが英語でしゃべったときに一体どういうふうにしゃべるのか想像するのも難しい。私たちは基本的には日本語でキャラクター付けをしているから。

大地 難しいよね。声の出し方とか全然変わっちゃうもん。

影山 英語でしゃべるとドヤ感が出るじゃないですか(笑)。だからベアトリスはかわいいキャラだけど、少しカッコよくなっちゃうかな……とか考えてしまう。

古賀 でも、私は歌う前に収録が最後だった影山さん以外の人の歌を聴かせていただきましたけど、「ちゃんとキャラが歌ってる」と感じましたよ。曲単体でもいいのに、皆さんが歌う言葉1つひとつにちゃんと思いが込められているのがわかって、それでさらに感動しました。

──さすが、英語の歌に慣れた4人ですね。

影山 いやー、そんなことないです。

古賀 私は、歌うときは普段のアンジェの声より少し高く出ちゃうとかあって。だから歌う前に「私は黒トカゲ星から来た……」「ただの嘘よ」とか定番のセリフを口にして、普段のアンジェの声を思い出していました。

ちせ役の古木のぞみ。

古木 歌う前に少ししゃべってみるの、わかる! 私、歌う現場なのに第1章の台本を持って行ったもん。

一同 (笑)。

影山 自己暗示のために?

古木 そう、それで「任せろ……OK、いける」ってやりながら歌った。

関根 私もやってた。「私、スパイです」「アンジェ」ってずっと言って。

影山 私もずっと「姫様ー」と言ってベアトリスの声を思い出してた。キャラのトーンと音程問題っていうのは声優あるあるだよね。

──曲の印象はいかがですか?

大地 今回の曲は歌詞が本当にいいんですよ。

(一同頷く)

大地 私たちは日本語訳の歌詞もいただいているんですけど、もう、その訳が天才!

影山 急にただのオタクになった!(笑)

大地 それを見ながら「Nowhere Landをこう訳すなんて、天才か!」とかずっと言ってた(笑)。本当は皆さんに見てほしいところですが、これは内緒なんだよなあ。みんながんばって訳してくれー!

影山 私は「Just don't say your "goodbye"」というフレーズがあるんですが、そこが好きで。いろんな解釈ができる歌詞だなと思って。

大地 そう! そこ!

影山 前向きな出発とも取れるし、ちょっと切ない別れとも取れる。聴く人それぞれの思い出に寄り添う言葉にもなるんですよ。

大地 本当にそうだよ。

影山 あとタイトルの「Nowhere Land」の「Nowhere」という単語を初めて知ったので、「Neverland」とどう違うのかなって気になって作詞されたKonnie Aokiさんに聞いてみて。そうしたら存在しない「Neverland」と違って、「Nowhere Land」はどこかにある理想郷みたいなニュアンスがあるんだって。それを聞いて「うわー、すごい素敵なタイトル!」と思った。

プリンセス役の関根明良。

関根 私も歌の収録の休憩中に、Konnieさんに「これってこういうことですよね」「このフレーズって、何話のあのシーンを踏まえてるんですよね」ってずっと聞いてた。

大地 みんな「プリプリ」のオタクじゃん!

古木 熱いよ!

関根 それくらいTVシリーズ全話を観て、キャラクターのことを考えて作ってくださった歌詞や曲だったよねという話で(笑)。歌っていても「あ、あのシーンだ」とかチーム白鳩の歩みが思い浮かぶし、かつ未来を見ているようなところもあるし……本当に最高の曲です。

影山 しかもキャラソン過ぎないんだよね。「プリプリ」にすごく沿っているけど、仮に作品を知らない人が聴いても、それぞれの世界観で浸れる。曲としても自立していてすごいです。


2021年2月4日更新