モリタイシ的キャラ原論

──モリさんの作品といえば魅力的な女の子キャラが特長だと思うのですが、どんなことを考えて女の子キャラクターを作って動かしているのか、そういったキャラ作りとかキャラの動かし方について教えてもらえればと。

僕は「いでじゅう！」のときから結構、モデルを決めて、それを二次元に落としこんでいく、というやり方が多いですね。まずキャラの性格なり特性なりがあって、それに合うビジュアルを探していくみたいな。内面に合ったような入れ物を。

──具体的にはどういう作業なんでしょう。

まずはキャラクターの設定を考えます。身長体重とか家族構成やらいろいろ。そうやってだんだん固めていってから、例えば占いサイトを使ったりして、ぼんやりとイメージしていたキャラの性格に、いちばん当てはまる星座はどれだろうと探すんです。

──例えば「まねこい」のヒロイン、ホンチーこと本田千華子で言うと……。

ホンチーは最初に、清楚なんだけどどこかフワッとして掴みどころがないイメージがありまして。これは12星座で見ていくと乙女座の特徴に近いな、と。けど、さらに血液型によっても変わってくるので、血液型と星座の組み合わせでも調べて。そうすると乙女座のAB型の組み合わせが近そうだと。「真面目だけど夢見がち」とか、「努力家」「几帳面」「優等生的」「ロマンチスト」だとか書いてあって、うん、こんな感じだなー、とか。

──占いの結果からキャラの性格を付けていくんですか！

で、星座から生年月日を決める流れに入ります。これは同じ日に生まれた有名人リストとか、誕生石とかのイメージで決めたり……。ホンチーの場合、同じ日に生まれた有名人は9月5日と9月7日がいい感じだったんですよね。なんか浮世離れしてるカンジで。で、誕生石が9月5日がダイヤモンド、9月7日がゴールドだったんで、まあゴールドよりはダイヤモンド（のイメージ）だなと。そんな感じで生年月日を決めたりしてます。

──はー、言ってみれば「逆占い」ですね。性格が決まったら今度はビジュアル面ですが。

「清楚な優等生」というイメージが決まってきたので、最近で言ったらガッキー（新垣結衣）ってカンジかなーとか、あと連載を準備してる頃よく聴いていたPerfumeののっちとか、この辺の要素も入れたいなあと思って造り始めたんですが……。結構整った顔の人って絵に落とすとあっさりとしてしまって、逆に脇役っぽい顔になっちゃうんですよ。そんな時、現実逃避でボヘーっとYouTubeを脈絡もなく見てたら、若かりし頃の麻丘めぐみさんに出会いまして。

──昭和のアイドルですよね。

衝撃を受けましてね。この時代にこんな可愛い子が！ と。もう、この時代に生まれてリアルタイムで応援したかった！ ってくらいに……これだ、天使を見つけた！ とモデルにすることにしました（笑）。ただ麻丘めぐみも髪型はインパクトあるんですけど、顔はやっぱ薄めの美人顔なので難しかったですね。思うようにモデルに寄せきれないまま連載が始まってしまって。いまいち安定せぬまま……。1話目と比べると今、だいぶ顔変わっちゃってますよね。

──ホンチーは「音痴」ということが発覚してから、グンと魅力が増しました。

外側と内面とのギャップですね。僕「モヤモヤさまぁ～ず」に出てるテレ東の大江（麻理子）アナが大好きで。大江アナってすごく歌がヘタなんですけど、あれを見た瞬間「可愛いなあ」と思って、あ、これ（音痴という要素）入れようと。