アニメ「モンスター娘のお医者さん」特集 EXITインタビュー|「モン医者」はコントだ! EXITが読み解く“バズりの法則”

現在放送中のアニメ「モンスター娘のお医者さん」は、人間と魔族(モンスター)が共存する街を舞台に、魔族専門の診療所を営む人間族の医師グレン・リトバイトが、さまざまな種族の「モンスター娘」たちを治療し救っていく姿を描くメディカルファンタジー。TVアニメは最終回が目前に迫っており、10月28日にはBlu-ray / DVD1巻がリリースされる。

コミックナタリーでは本作の特集を複数回にわたって展開しており、3回目となる今回は“ネオ渋谷系漫才”や“チャラ男”キャラで知られ、「モンスター娘のお医者さん」とのコラボ動画にも出演しているお笑いコンビ・EXITへのインタビューをお届けする。作品の世界観やキャラクターに触れて感じた魅力についてはもちろん、2次元キャラクターの愛し方、表現者として同作に重ねる思いに至るまで、ざっくばらんに語ってもらった。

取材・文 / ナカニシキュウ 撮影 / 石橋雅人

コントとしても面白い

──アニメ「モンスター娘のお医者さん」の世界に触れてみて、どのように感じましたか?

兼近大樹

兼近大樹 (直前までの雑談から急に真顔になって)俺は、今の日本に必要なものが入ってるなと思いました。多様性を受け入れることの大事さを学べるっていう。今ってSNSとかで、何かちょっと違ったら一気に全員で攻撃するみたいなことが横行しているじゃないですか。この作品を観れば、そんな世界が少しでも変わるんじゃないかな。いろいろな種族がお互いに認め合いながら生きている姿が勉強になるんで、そういう見方でも楽しめるなと。

──そういう見方「でも」。

兼近 もちろん多少の“刺激”もありますけど(笑)。でも本当に学べるところは多いんじゃないかな……って、りんたろー。さんが言ってました。

りんたろー。

りんたろー。 え、俺?

兼近 「太陽が現実だとしたら、これは月だ」みたいなことを言ってましたよ。

──ああ、現実世界を映し出す鏡のような作品であると。

兼近 はい。そんなカッコいい感じのことを。

りんたろー。 言ってないから(笑)。でも本当にキャラクターもすごく多彩で、グレン先生が真面目に診療をするさまに毎回ドキドキできますよね。いち男の子として楽しませてもらっています。

兼近 コントとして観ても面白いなって思うんですよ。

りんたろー。 確かに!

フレッシュゴーレムの苦無。その体は死体を継ぎ接ぎして作られており、欠損の痛みはないのだが、太ももの感度だけはとてもいい、という仕様だ。

兼近 お笑い的な考え方でいうと、グレンはあくまで真剣に魔族を救うためにがんばってるんですけど、モンスター娘たちが「ひゃわわわ」って言ってるさまは、コントチックで面白いですよね。

──なるほど、価値観のズレで笑わせるタイプのコントに似ていると。

兼近 はい。あと、シンプルにキャラデザがかわいいっすね。マジでかわいい。声優さんの声もいいですし、そういう部分も素敵だと思います。

コンプレックスも肯定したい

──“モンスター娘”というジャンル自体はご存じでしたか?

半人半蛇のモンスター娘・サーフェは、尻尾を使って攻撃を繰り出すことも。

兼近 いや、知らなかったっす。

りんたろー。 そういうジャンルがあるんですか?

──“萌え”のジャンルとしては比較的新しめのものかもしれません。

兼近 ゲームとかにもこういうキャラクターよく出てきますよね。

りんたろー。

りんたろー。 なるほど……。実は俺もその要素は持ってて、ワニと人間のハーフだって言われるんですよ。モンスター娘ならぬ、モンスター息子?

兼近 誰の息子よ(笑)。

りんたろー。 そういう部分でファンのみんなも応援してくれてるのかなと。小さい頃からコンプレックスを抱えがちだったんで、そんなところを「つい応援しちゃう」みたいな。

──なるほど。では、モンスター娘たちに対しても単に「かわいい」とかだけじゃなく、仲間意識のようなものも?

ハーピーの少女・イリィ。羽毛が発達しており寒い場所に強い。

りんたろー。 ありますね。1人ひとり個性的な体を持っていますが、それがもしコンプレックスだったとしても俺は肯定してあげたい。

兼近 普通にその種族として生まれて、普通に生活しているだけですもんね。逆に言えば、いろんな種族の中に「人間」っていう種族もいるというだけのことで。

実は僕もギガス族だったんじゃないかって

──お気に入りのモンスター娘を教えてください。

りんたろー。 僕はギガスのディオネちゃんかな。身長はおよそ人間の10倍だけど性格は温厚っていう、ほっとけない感じがかわいいですよね。私生活でも、大きい女性に興奮を覚えてしまうんですよ。実は僕もギガス族だったんじゃないかなって。

兼近 種族が多いな(笑)。ワニなのかギガスなのか。俺は、サイクロプスのメメちゃんが好きっすね。目が大きくてかわいいし、臆病で恥ずかしがり屋なところとか、「やっぱ俺が守んないとダメっしょ」って気持ちにさせてくれますし。たぶん読書とか好きだと思うんですよ。こういうタイプの子って本好きなケースが多い気がするんで、同じ本を読んで感想とか言い合いたいですね。

──実際、そういう女性がお好きなんですか?

兼近 いや、実際はそうでもないです。

りんたろー。 違うんかい(笑)。

兼近 実生活では明るく楽しく生きてるような女性が好きです。あくまでこの世界に俺が人間として入り込むなら、メメちゃんみたいな子がいいなっていう。想像っすね。