否定してくる人を否定したらダメ
──モンスター娘に限らず、2次元の女性キャラを好きになった経験はありますか? 例えば、ベタなところでは「ルパン三世」の峰不二子とか、「タッチ」の浅倉南とか。
兼近 そうっすね……「ONE PIECE」のベルメールさんとかはめっちゃ好きでしたね。これは完全に女性として(笑)。あと、「いちご100%」の西野(つかさ)ちゃんとか。
りんたろー。 俺は「アウターゾーン」のミザリィかな。「アウターゾーン」、知ってます?
──90年代に週刊少年ジャンプ(集英社)で連載されていたオカルト系の作品ですね。
りんたろー。 すごく不思議な世界観なんですけど、ちょっとエッチなんですよ。そこがよくて。
兼近 それを言い出したら、俺めっちゃあるよ。「電影少女」とか「I''s」とか、ジャンプ系のエッチなマンガはすぐ好きになっちゃう(笑)。
りんたろー。 「GS美神 極楽大作戦!!」の美神令子とかも好きだったな。あと「オヤマ!菊之助」っていうマンガがめっちゃ好きで、青春時代に超読んでましたね。毎回違う女の子のエッチなシーンが出てくるギャグマンガなんですけど、そういう意味では「モンスター娘のお医者さん」と重なる部分もあるのかなって。
兼近 じゃあさ、「H2」は?
りんたろー。 あれは純粋系じゃん。野球マンガだべ。
兼近 そうだけど、メインヒロインの2人がめちゃくちゃかわいいのよ。
──止まらないですね(笑)。こういうお話は盛り上がりやすい一方で、昔あったような「2次元好きとかキモい」みたいな風潮もまったくなくなったわけではないですよね。おふたりはどんなふうに感じていますか?
りんたろー。 周りが認めてあげることも大事だと思いますけど、共通の趣味を持っている人だけで楽しんでもいいと思いますよ。
兼近 そう。否定的なことを言う人たちと関わらなければ、楽しく生きていけるんで。かと言って、ほかを否定したり「あいつら、どうしようもねえよな」みたいなことは言わないほうがいい。それは2次元趣味を否定する人とまったく同じことをしてるだけなんで。それさえしなければ、好きな人たちだけで集まって楽しくやったらいいんじゃないかなと思いますね。
“チャラ男”が取っかかりになって初めて自分たちを観てもらえる
──「モンスター娘のお医者さん」は、“セクシーなシーンのように見える医療行為描写”が大きな特徴ですが、このアニメのコンセプトはあくまでモンスター娘たちを魅力的に描きたいということだけなんです。必ずしもエロが目的ではないという意味では、EXITさんの漫才にも通ずるものがあるんじゃないかと。“チャラい”芸風ではありますけど、実際にやっているのはベタな正統派漫才ですし。
兼近 僕たちの漫才で言うと、普通にやっても誰も観ないですもん。“チャラ男”という見せ方が「何それ?」「ないわー」みたいな取っかかりになって、初めて漫才をまともに観てもらえるっていうのはあるんで。今の話を聞くと、医療行為が「モンスター娘のお医者さん」というアニメに触れてもらうためのフックになっているというのがあるのかもしれませんね。
──キャッチーさをどう乗せるかという工夫の部分で。
兼近 ただ、逆もまた然りなんすよ。チャラ男をやっているせいで嫌われることも、もちろんある。「モンスター娘のお医者さん」にしても、ちょっとセクシーな場面を作ったせいで敬遠されることもあると思う。でも、そのセクシーの部分やチャラ男の部分をきちんと“コント”として観てくれたら、中身のほうにも入り込めるんじゃないの?っていう。
──それはもちろん、核になる部分できちんと良質なものを作っているからこそ言えることですよね。
兼近 そうですね。僕ら、ニュース番組のMCもやってるんですけど(AbemaTV「AbemaPrime」の木曜MCを4月よりEXITが担当している)、チャラ男が真剣にニュース番組をやってるっていうだけでもちょっと面白いじゃないですか。そこにさらに何かもう1つ乗っけるのは大事だと思います。「詳しい」とか「意外としゃべれる」とか。
りんたろー。 人ってやっぱりギャップとか振り幅に魅了されると思うんで。そういう意味では、「モンスター娘のお医者さん」も“バズりの法則”に乗っかってんのかなって思いますよね。天才なんじゃないかな(笑)。
──アニメ作品を観ることがお笑いに還元されることなどはあったりしますか?
りんたろー。 作品をいっぱい知っていることがお仕事につながることはありますね。でも一般的に考えると、お笑いってすごく“分母”を取るんですよ。だから、ネタに使えるのはバズりにバズったあと。それこそ「ONE PIECE」クラスじゃないと、うかつに触れないところがあって。その意味で、僕もようやくこの間「鬼滅の刃」を観ました(笑)。
兼近 共通認識としてネタに取り入れるっていうことはしますね。「ドラゴンボール」に例えるとか。
──なるほど。そこで一部の人だけが知っているようなコアな作品を出すと、分母が狭まってしまうかもしれませんね。
兼近 「何、出してきてんだよ!」っていう、違うボケになっちゃう。
──作品の内容が直接ネタに影響するようなことはあまりない?
りんたろー。 そうですね……さっきの話じゃないですけど、振り幅で考えたりすることが多いです。僕たちが古い言葉を使ったら振り幅出るよねとか、政治の話題を出したらギャップだよねみたいな。
──なるほど。例えばニュースなどに出てきた単語から、「これを兼近さんに言わせたら面白いぞ」とか。
りんたろー。 そうっすね。それこそ、お医者さんネタとかでも振り幅は出るだろうし。医療用語とか。
兼近 「俺らが何をやったら面白いか」で作ってるんですよね。
男性も女性も萌えキュンできる
──では最後に、改めて「モンスター娘のお医者さん」の魅力を読者に伝えていただけますか。
兼近 (いい声で)退屈な日常に刺激を、ほんの少しのスパイスを。Blu-ray / DVD「モンスター娘のお医者さん」、ぜひ購入ぶちかまして! よろたのでーす。
りんたろー。 男性も女性も萌え萌えキュンキュンできる楽しい作品だと思うので、ぜひ観て、買ってください。……モン&ガーファンクル。
兼近 少しもかかってないけど?(笑)
スタッフ 「買ってくだ・さいモン&ガーファンクル」ですよね?
りんたろー。 (小声で)はい……。
兼近 あ、そっちか! 「モン」だからモンスター娘にかけてるのかと思った(笑)。
りんたろー。 ……(スタッフに)ありがとうございます(笑)。
EXIT×モンスター娘のお医者さん スペシャル動画
※2020年11月22日(日)23:59までの期間限定公開。
※取材は新型コロナウイルスの感染予防対策を充分とったうえで実施しました。