「もう知らない仲じゃないだろ」と言われて、「何があったの!」(赤﨑)
──赤﨑さんの演じる命は、3話で正式にヘスティア・ファミリアに加入するという大きな出来事もありましたが、それを含めて、どのような変化や成長を感じましたか?
赤﨑 第1話の冒頭で、いきなり命がベルたちと一緒にいるんですよね。第1期でも一緒には行動したけれど、(カシマ・)桜花たちもいたし、最後の方もみんなで戦う中に「命もいた」という感じだったので、命が単独で参加していることにまずびっくりしました。しかもヴェルフに「もう知らない仲じゃないだろ」と言われて、「何があったの!」って(笑)。
──言葉だけ抜き出すと、妙に意味深ですね(笑)。
赤﨑 1期の後、OVAとかもあったし、アニメに描かれていないところでけっこう交流があったんだなと思って、うれしい気持ちになりました。そういう積み重ねがあったからこそ、大好きなタケミカヅチの元を1回離れようという決意ができた。それは命にとって、大きな変化だったと思います。命はタケミカヅチ・ファミリアの団員だったのだから、言ってしまえば、ヘスティア・ファミリアがウォーゲームで勝とうが負けようが、関係ないと言えば関係ないじゃないですか。でも、放ってはいられないと思って行動もした。それくらいに大きく成長できたんだなと思いました。
──1話のアバンで一緒に戦っているのと、ウォーゲームで一緒に戦っているのでは、立場も意味合いも全然違いましたね。
赤﨑 そうですね。あと、命は強くなったなって思いました。1話でも一撃でモンスターを倒してるシーンとかがあって。描かれていないところで、すごい修行を積んだんだろうな、ということが感じられました。
大森 1期のときは、苦戦してベルたちに迷惑をかけてしまった、みたいなお話でしたからね。
赤﨑 1期では勝った覚えがないです(笑)。
大森 命はベルが現れるまでは、レベル2のルーキーの中で一番くらいの有望株という設定だったんです。でも、1期では苦戦するところがフィーチャーされていましたから。
松岡 命は(魔法の)フツノミタマもよかったですよね。今日の収録回でも、すごかった。
大森 本当にすごくよかったです。赤﨑さんは、フツノミタマの詠唱って覚えているんですか?
赤﨑 覚えてますよ。「掛けまくも畏きいかなるものを打ち破る我が武神よ~」って。
大森 すごい! 自分は今日の収録を聴きながら不安になってしまって、こっそりチェックしていました(笑)。
赤﨑 ゲームとかでも何度も録っていますからね。今日は、ちょっと違うパターンでしたけど。
水瀬 今日のもカッコよかったー。
赤﨑 命の見せ場だったね。放送は、この先の回なのでお楽しみに!
──大森先生は、「戦争遊戯編」を書く際、「ダンまち」全体の物語の中で、どういった意味を持つエピソードだと想定していたのでしょうか?
大森 ファミリアという設定を作品に組み込んだときから、自分の中では、避けて通れないお話だと思っていました。あと、原作を書いていた当時、担当の編集さんに「リリとヴェルフを早くヘスティア・ファミリアに入れて」と何度も言われてたんですけど、頑なに拒否していて。2人は、ウォーゲームのときにヘスティア・ファミリアへ入れると決めていたんです。みんなが集まってくるカタルシスを出したくて、ここまで溜めていた感じはありました。
──命も、いずれヘスティア・ファミリアに加わるキャラクターとして生まれたのですか?
大森 命については、ウォーゲーム編を書く直前ぐらいに、その方向に舵を切った気がします。身も蓋もないことを言ってしまうと、リリとヴェルフだけがヘスティア・ファミリアに加わるという形だと、見え方的にちょっと地味かなと思ってしまって。サプライズという意味ではないけれど、2人だけでなく命も入れようと決めました。でも、書きはじめる直前に決めたことなのに、その先の展開を含めて、違和感は全然なくて。5話以降のアニメの収録を観ていても、命がヘスティア・ファミリアに加わったことはすごく重要なピースだったなと、自分でも強く感じました。
3人とも元いたファミリアを出るときに大変な思いや決断をしている(松岡)
──ヘスティア・ファミリアの正式メンバーが一気に3人も増えたことについて、松岡さんは、どのように感じましたか?
松岡 やっぱり、ファミリアの移籍って簡単なことではなくて。3人とも元いたファミリアを出るときに大変な思いや決断をしているじゃないですか。リリは、ソーマのお酒を飲んでも正気を失わずベルのことを思ってボロボロ泣きながら「戦いを止めてください」と言い、あのソーマの心を動かした。ヴェルフも、ヘファイストスから「そんな勝手な真似を、私が許すと思っているの?」と言われても、あなたの教えてくれたものを大切にしているからこそ、ベルを助けたいという強い意志を伝えてくれた。命も大好きなタケさんに「行かせてください」と言ってヘスティア・ファミリアへ来てくれた。本当にありがたいことですよね。
大森 6巻を書いてたとき、担当さんともずっと話していたのですが、実はウォーゲーム自体は、クライマックスの後の消化試合なんですよね(笑)。もちろん自分としては、ウォーゲームの戦いも盛り上げるために、すごく熱量を注いだつもりではあるのですが。やっぱり一番のハイライトは、みんなが駆けつけてくれたシーン。個人的にはアニメ「ダンまち」の2期を一番象徴しているシーンだとも感じています。
──水瀬さんは、ヘスティア・ファミリアのメンバー増加について、どのように感じましたか?
水瀬 神って、冒険者にとっては、いわば親ですよね。親元から離れて別の家に来てくれる。それも強制ではなく、自分の心が動いて、その選択をしてくれたことがまずうれしいですし、そうさせるベルくんはやっぱりすごいな、という気持ちがあります。さらに、ヘスティアにとってのたった1人の眷族であるベルくんが、たくさんの人たちから「この人の力になりたい」と思われるような存在だった。そんな存在と巡り会ったヘスティアもすごいなって思います。みんながヘスティア・ファミリアへ来てくれたとき、1つひとつの出会いが、この日に繋がっているんだなってことを改めて実家しました。あと、ファミリアには入ってないのですが、助っ人に来てくれたリューさんが、エルフとしての掟のようなものを取っ払ってでも魔剣の力を使って戦ってくれるシーンが大好きで。本当に心が動かされました。
──命は、ファミリアを移籍するという大きな決心をして、それをタケミカヅチに伝えますが、赤﨑さんはあのシーンをどのような思いで演じたのでしょうか?
赤﨑 先ほども少し話しましたが、命は本当にタケミカヅチのことが大好きで、すごく尊敬しているんです。でも、そんなタケミカヅチのもとを離れてまで、ベルやヘスティアのところへ行けるのは、命が成長したからだと思うし、もっと上を目指したいという気持ちがあったから。1回離れて、もっともっと大きくなって、またタケミカヅチのところへ帰ってきたい、という思いがあったのかなと思っているんです。大好きな人とずっと一緒にいるのも幸せなことではありますけれど、あえて1回離れてみて、自分は何ができるんだろうとか、自分の可能性も探りたかったのかなと思います。
大森 原作では、このシーンでタケミカヅチに「急がば回れ」という言葉を言わせました。さすが、見抜いていらっしゃる(笑)。
赤﨑 安心しました(笑)。
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リリの加入をどう描くかは一番難しかった(大森)
- TVアニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか II」
- 放送情報
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TOKYO MX:毎週金曜日24:30~
サンテレビ:毎週金曜日24:30~
KBS京都:毎週金曜日24:30~
BS11:毎週金曜日24:30~
AT-X:毎週金曜日24:30~
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U-NEXT、アニメ放題ほか各種配信サービスにて配信中
- スタッフ
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原作:大森藤ノ(GA文庫/SBクリエイティブ刊)
キャラクター原案:ヤスダスズヒト
監督:橘秀樹
シリーズ構成:白根秀樹
キャラクターデザイン:木本茂樹
音響監督:明田川仁
音楽:井内啓二
オープニングテーマ:井口裕香「HELLO to DREAM」
エンディングテーマ:sora tob sakana「ささやかな祝祭」
プロデュース:EGG FIRM/SBクリエイティブ
アニメーション制作:J.C.STAFF
- キャスト
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ベル・クラネル:松岡禎丞
ヘスティア:水瀬いのり
リリルカ・アーデ:内田真礼
ヴェルフ・クロッゾ:細谷佳正
ヤマト・命:赤﨑千夏
リュー・リオン:早見沙織
アイズ・ヴァレンシュタイン:大西沙織
アイシャ・ベルカ:渡辺明乃
サンジョウノ・春姫:千菅春香
ダフネ・ラウロス:小若和郁那
カサンドラ・イリオン:真野あゆみ
ヒュアキントス・クリオ:KENN
アポロン:逢坂良太
©大森藤ノ・SB クリエイティブ/ダンまち2 製作委員会
- 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII Vol.1」
- 2019年9月25日発売 / ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
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初回仕様版 [Blu-ray+CD]
税込8640円 / 10007-48231 -
初回仕様版 [DVD+CD]
税込7560円 / 10007-48236
- 収録話数
第1話、第2話、第3話
- 初回仕様版特典
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- キャラクターデザイン木本茂樹描き下ろしイラスト使用特殊ケース(デジパック仕様+三方背クリアケース)
- 原作・大森藤ノ描き下ろし小説
- 特製ブックレット(12P予定)
- 特典CD(オリジナルオーディオドラマ Vol.1)
- 音声特典
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- オーディオコメンタリー
- 映像特典
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- ノンテロップOP&ED、WEB予告
- 大森藤ノ(オオモリフジノ)
- 第4回GA文庫大賞にて大賞を受賞。2013年1月、受賞作「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」が書籍化しデビュー。同シリーズは本編15巻、2017年にTVアニメ化された外伝小説「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア」12巻、新たな外伝小説「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル」1巻を刊行。2月には初の映画作品となる「劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか -オリオンの矢-」が制作された。
- 松岡禎丞(マツオカヨシツグ)
- 北海道出身。9月17日生まれ。アイムエンタープライズ所属。主な出演作に「ソードアート・オンライン」(キリト役)、「冴えない彼女の育てかた」(安芸倫也役)、「ノーゲーム・ノーライフ」(空役)、「五等分の花嫁」(上杉風太郎役)、「鬼滅の刃」(嘴平伊之助)など。
- 水瀬いのり(ミナセイノリ)
- 12月2日生まれ。アクセルワン所属。声優・歌手として活躍し、主な出演作に「宇宙よりも遠い場所」(玉木マリ役)、「Re:ゼロから始める異世界生活」(レム役)、「ご注文はうさぎですか?」(チノ役)、「五等分の花嫁」(中野五月役)、「彼方のアストラ」(アリエス・スプリング役)など。
- 赤﨑千夏(アカサキチナツ)
- 鹿児島県出身。8月10日生まれ。81プロデュース所属。主な出演作に「WIXOSS」シリーズ(蒼井晶役)、「食戟のソーマ」(薙切アリス)、「中二病でも恋がしたい!」(丹生谷森夏)、「キルミーベイベー」(折部やすな)、「女子高生の無駄づかい」(田中望役)など。