コミックナタリー Power Push - 末次由紀「ちはやふる」

A級かるた選手の編集担当が語る“末次由紀の熱量が生まれる場所”

映画「ちはやふる」について末次由紀コメント

初めて映画『ちはやふる-上の句-』の試写を見る前、ブルブルと木綿豆腐のように振動を全身に伝わらせていました。なぜ震えるのか…それは私にはマンガのファンの皆さんへの責任があると思っているからです。

マンガを読んでくれている皆さんの愛情というのは格別で個別なものです。

マンガへの親しみの分だけ実写化に否定的な気持ちの人もいるでしょう。

しかし、マンガのファンの皆さんに伝えたいです。完璧でした。素晴らしい作品になっていました。

“競技かるた”が表現できているか? という厳しい眼線にも十二分に応えられるものでした!

そして、何より面白かった。テンポがよく、キャラクターが愛らしく、呼吸までも大事にしてくださっている俳優の皆さんと、呼吸までも効果として操るスタッフの皆さん。

細胞が振動しているかのような和文様からスタートする『ちはやふる』は、新鮮で鮮烈で青春の眩しさと暗さが詰まっていました。

どなたにもおすすめしたい作品でした。私は映像化して頂く時の運がいいな…幸せだな…と心から思います。

マンガを超えてきているのです…くやしいですが、幸せです。私ももっと頑張ります。

映画『ちはやふる』を作り上げて下さったキャストの皆さん、スタッフの皆さんの素晴らしさに、尊敬が止まりません。

「ちはやふる」表紙集

「ちはやふる」1巻

美しい単行本の表紙も「ちはやふる」の魅力のひとつ。2014年にBE・LOVEにて行われた表紙総選挙では、当時の最新24巻までの表紙がエントリーし、1巻が見事1位に選ばれた。投票総数1万257票を集めたこの総選挙からも、表紙の人気の高さが伺える。美しい表紙の数々を堪能してみては。

「ちはやふる」31巻

末次由紀「ちはやふる」31巻 / 2016年3月11日発売 / 463円 / 講談社
末次由紀「ちはやふる」31巻

全国高等学校かるた選手権大会準決勝。昨年の雪辱を誓う富士崎を相手に、千早たち瑞沢高校かるた部は連覇の夢を追いかける。しかし勝利の女神に願いはわずかに届かず……。そんな中で残された、3位決定戦というチャンス。大好きなかるたを、もう1度みんなとできる──。思いの先に現われたのは、新率いる藤岡東だった。高校最後の団体戦最終戦。運命の対戦カードは、千早と新との直接対決を導き──!?

映画「ちはやふる-上の句-」3月19日より全国公開
映画「ちはやふる-下の句-」4月29日より全国公開

映画「ちはやふる」

小学生の千早は、幼なじみの太一、新と一緒にいつも競技かるたで遊んでいた。しかし彼女にかるたを教えてくれた新が、家庭の事情で故郷の福井県へ戻り、離ればなれになってしまう。「新にもう一度会って、強くなったと言われたい」と願い、1人でかるたを続けてきた千早は、高校で再会した太一とともに競技かるた部を創設。初心者も含めなんとか集まった部員5人で、弱小チームながら全国大会を目指すことに。新に会いたい一心でかるたに情熱を燃やす千早と、その気持ちを知りながら千早に思いを寄せる太一。そして離れて過ごす新は、1人ある悩みを抱えていて……。

スタッフ

原作:末次由紀(講談社「BE・LOVE」にて連載中)
監督・脚本:小泉徳宏
主題歌:Perfume「FLASH」

キャスト

綾瀬千早:広瀬すず
真島太一:野村周平
綿谷新:真剣佑
大江奏:上白石萌音
西田優征:矢本悠馬
駒野勉:森永悠希
須藤暁人:清水尋也
木梨浩:坂口涼太郎
若宮詩暢:松岡茉優
宮内妙子:松田美由紀
原田秀雄:國村隼

末次由紀(スエツグユキ)

福岡県生まれ。1992年「太陽のロマンス」で第14回なかよし新人まんが賞佳作を受賞、同作品がなかよし増刊(講談社)に掲載されデビュー。2007年からBE・LOVE(講談社)で「ちはやふる」の連載を開始。2009年に同作で第2回マンガ大賞2009を受賞するとともに「このマンガがすごい!2010」(宝島社)オンナ編で第1位となる。2011年「ちはやふる」で第35回講談社漫画賞少女部門を受賞。

冨澤絵美(トミザワエミ)

2002年、講談社に入社。同年よりBE・LOVE編集部に配属される。これまでの主な担当作品に「ちはやふる」「昭和元禄落語心中」「地上はポケットの中の庭」「えへん、龍之介。」「アトリエ777」など。