新米パパは観るしかナイジェリア!2児の父・ゴー☆ジャスが子育てあるある満載の「Buddy Daddies」に大共感

現在放送中のTVアニメ「Buddy Daddies」は、P.A.WORKSとニトロプラスがタッグを組み、殺し屋バディの一騎と零、彼らが引き取るハメになった4歳の少女・ミリとの暮らしを描いたホームコメディ。実はミリは、一騎と零がある依頼で始末したマフィアのボスの隠し子だった。狙ったターゲットは逃さずどんなミッションもこなす2人だが、家庭ではミリの遊び相手や保育園の送り迎え、食事の準備など苦戦続きで……。3人が仮初めの家族として暮らしながら成長するさまが活写される。

コミックナタリーでは、「Buddy Daddies」の特集を展開。第2回となる今回は、「君のハートに、レボ☆リューション」が決めセリフの宇宙海賊で、2児の父でもあるゴー☆ジャスにインタビューを実施した。子育てあるあるが満載な「Buddy Daddies」に、妻と協力して家事・育児を担うゴー☆ジャスは大共感。自身の子育てエピソードとともに、アニメ好きならではの視点で作品の魅力を語っている。また、ゴー☆ジャスを長年脅かすある“危機的”な状況についても質問した。

取材・文 / 佐藤希撮影 / ヨシダヤスシ

流血が苦手な宇宙海賊も問題ナイジェリア!

──ゴー☆ジャスさんがコミックナタリーの特集にご登場されるのは今回が初めてです。普段からマンガやアニメは楽しまれているんでしょうか?

僕、もともとがめちゃくちゃアニメオタクだったんですよ。地方出身だったので映らないチャンネルもあったんですが、そのチャンネルがギリギリに映る知り合いに頼んで録画してもらったりして、いろいろ観ていました。高校を出てからアニメに携わりたい、声優になりたいと思って代々木アニメーション学院に入ったんですが、声優さんになるのは難しいなと……。そこから俳優やお笑いなどいろいろやって、宇宙海賊にたどり着きました。でも今になって声優に挑戦させてもらったり、こうしてアニメにまつわるお仕事をいただいたりして、一周回って理想の形になっている気がします。

ゴー☆ジャス

ゴー☆ジャス

──なるほど、宇宙海賊に至るまではそういう経緯だったんですね。それでは本題に移りますが、「Buddy Daddies」をご覧になって率直にいかがでしたか?

とっても楽しめました! ストーリーも素敵なんですが、作画も素晴らしくて感動しました。僕、物語の世界観に浸るのが好きなのでアニメはシリーズを一度に観ることが多くて、この作品も没頭してほぼ一気に観たんです。お恥ずかしながらお声がけいただくまでこの作品のことをよく知らなかったんですが、この機会に出会えて本当によかったと思っています。

──“殺し屋バディの子育て奮闘記”と謳う「Buddy Daddies」ですが、ホームコメディ調の序盤と、シリアスな展開が続く終盤とでは大きく印象が変わったかと思います。まず一騎と零がミリと出会い、彼女との暮らしに馴染むまでを描いた序盤から中盤のご感想をお聞かせください。

一騎と零は殺し屋ですから“仕事”に励むシーンもあるんですが、全体的な雰囲気はポップでしたよね。一騎たちが殺し屋ということで「怖いシーンがあるのかな」と身構えてしまって。というのも僕、血がダメなんです。宇宙海賊なのに。

──あら! そうなんですか。

はい、指を切っちゃっただけで救急車を呼びたくなるぐらい(笑)。でも逆に言うと、多少流血表現があっても、こんな僕が楽しめるぐらいだったということで。ミリちゃんが登場してぐっとアットホームな流れになるんですが、一騎と零の爽快感のあるアクションシーンはしっかり観せてくれる、というメリハリがあるところが、拝見していて楽しかったです。後半はちょっとシリアスな展開が多くなってきますよね。だいたい第9話の運動会まで、おだやかなエピソードが続きますが、そこまでにたくさん登場する子育てシーンの数々が、特に僕に刺さりました。

TVアニメ「Buddy Daddies」より。

TVアニメ「Buddy Daddies」より。

──ゴー☆ジャスさんは2児の父ですから、「Buddy Daddies」で描かれる子育て“あるある”には共感いただけるんじゃないかと思っておりました!

本当に! めちゃめちゃ共感しました。下の娘はミリちゃんと歳が近いですし、子育て自体のお話でいうと、長女のときに経験してきたことも多かったですから。ああ、こういうことあるなあって何度も思いました。

一騎は理想の父であり旦那、零の姿に苦い思い出も蘇る

──作中の中心人物についての印象を伺いたいと思います。まず一騎に関してはどういう印象を抱かれましたか?殺し屋稼業では作戦担当でコミュニケーション能力が高く、ミリの世話も積極的に請け負う人物です。

作中のミリちゃんに倣って一騎たちのことは“パパ”を付けて呼びたくなるんですが、一騎パパはこの作品のムードメーカーですよね。彼が終始明るくしっかりしていて、子育ても自分が主体となっていることで、この作品の軸ができているんだなと感じました。7話では一騎パパの過去が描かれましたが、間もなく生まれてくる自分の子供と妻を失う、というつらい経験があったからこそ、今の一騎パパの明るさが生まれているんじゃないかと思います。子供に向き合う一騎パパの姿勢にも非常に共感しました。

──一騎は料理を始めとする家事もできますし、ミリの成長を積極的に見守ろうとしていましたね。

一騎パパの作る料理はめちゃめちゃ美味しそうでしたよね! いやー、まさしく理想の父であり旦那。自ら進んで子供を育てるんだ、という姿には「自分の旦那さんに見習ってほしい」と思う奥様方たくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか?

──自分たちのちょっとした行動がミリの将来に影響を与えないよう、常に気を配る姿が印象的ですよね。逆に、一騎と対照的なのが零です。無口で引きこもりであり、当初はミリの存在にもかなり戸惑っていました。

僕の話になってしまうんですが、実はもともと人見知りなんです。結婚して子供が生まれたとき、赤ん坊の長女を前に人見知りを発動してしまったんですよ。我が子なのに。だから、いざ子供を前にすると戸惑ってしまうという傾向は、もしかしたら我々男性にはあるのかもしれませんね……。でも初めはミリちゃんとの暮らしに前向きじゃなかった零パパもどんどん成長して、一騎パパが一時いなくなっちゃったときは、熱を出したミリちゃんを必死で看病していましたし。だから育ててみないとわからないことってたくさんあると思うんです。そういう零の姿は、世間の多くの男性はご自分と重なるかもしれません。

──なるほど。

TVアニメ「Buddy Daddies」より、一騎。

TVアニメ「Buddy Daddies」より、一騎。

TVアニメ「Buddy Daddies」より、零。

TVアニメ「Buddy Daddies」より、零。

普段は仕事もしないといけないし、ひと息ついたら例えばゲームとか自分の趣味にも没頭したい。でも実際、子育てが始まってみたら日中にゲームなんてとんでもないことで……。子供をしっかり見ていないといけないし、家の中ばっかりじゃなくて公園に連れていくこともある。

──ちなみにゴー☆ジャスさんがお子さんと関わるときは、一騎と零のどちらのスタンスに近いんでしょう?

断然、一騎パパ。娘たちの面倒も見ますし、家にいるときは料理も掃除も率先してやりますし。僕、ごみ捨てを妻にさせたことがないんですよ。旦那さんたちは自分から家事を進んでやったほうがいいよ、と周りにも呼びかけています。やってない人は家のことに何も口出せませんから。あと娘たちに将来嫌われたくないし……。

ゴー☆ジャス

ゴー☆ジャス

──一騎も成長したミリがグレて、「お前のせいで不良になったんだ」と言われてしまう妄想をしていましたね。

あれ、めっちゃ怖いシーンですよね……。少しでもパパにいい印象を持ってほしいので、なるべく清潔にするように心がけています。