内田雄馬さんが演じるアッシュに、どこか優しさを感じた

──このたびの制作発表会ではアッシュ、英二、マックス、ゴルツィネを演じる4人の声優さんが解禁されました。キャストの方々はどうやって決まったんでしょうか。

内海　オーディションで決まった方もいますし、具体的なイメージが浮かんでいた役に関してはこちらからご依頼させていただきました。

──アッシュ役の内田雄馬さんは？

内海　アッシュはオーディションでした。アッシュはやっぱり誰も思いつかなくて。こんなスーパースターどうやったら見つけられるんだろう……って、かなり難航しましたね。一番最後に決まったと思います。

──内田さんもクールな役どころから穏やかな性格のキャラクター、幼さの残る少年まで幅広く演じられている印象がありますが、どんなトーンでアッシュの声を出されるのか、まだ想像がつかないです。

内海　アッシュって大人びてますけど、こう見えてまだ17歳なんですよね。内田さんが演じたときの、少年らしさが残った声がすごくしっくりきたんです。でも決め手になったのは、オーディションのときにストリートギャングのボスとして振る舞うシーンと、英二とのシーンを聴かせていただいたときに感じた差がすごくよかったからなんです。ボスとしてのアッシュはクールな感じで、一方の英二とのシーンでは口調はキツくても、ほかのシーンのときとは違う優しさをどこか感じて。

──やっぱりアッシュと英二、2人を物語の核とするうえで、英二との掛け合いをどう演じられるかは大切にされたんですね。

内海　もちろんボスとしての威厳やカリスマ性のある雰囲気を感じられるかというのも大事なんですけど、英二とのシーンでしっくりこないとアッシュの姿はイメージできませんでした。

──英二役の野島健児さんもオーディションですか？

内海　はい。もう、野島さんの優しく包み込むような声が英二すぎて……THE癒し！ 「ぜひ野島さんで！」とすぐに私のほうからもお願いさせていただきました。声から滲み出る包容力がすごいです。

──まだアフレコは始まってないんですよね。内田さんと野島さんの掛け合いは聞かれていない？

内海　オーディションのお題となったセリフの中にアッシュと英二の会話のシーンがあったので、それぞれで録っていただいた音声を交互に聴いて、セルフ合成してました。（イヤホンを右耳と左耳にあてながら）「いける！」って（笑）。

──あはは（笑）。声優さんってご自分で準備してきたお芝居と、実際にアフレコでキャストの方と掛け合ったときとでは出てくるものが違うとお話される方もいらっしゃいますし、どんなアッシュと英二が生まれるのか、収録が始まるのが楽しみですね。

内海　そうですよね。……信じてます！

──マックス役の平田広明さんはどういう経緯で決まったんですか？

内海　マックスはコミカルさとシリアスさを兼ね備えた絶妙なキャラクターで、作品上でもすごく重要な役どころなので慎重に探してたんですけど、なかなかイメージに合う方が見つからず。そんなときに林さんと雑談していてお名前が挙がったんです。

林　私が「平田さんはどうですか？」って。

内海　急いで平田さんの出演作を観て、コミカルな演技を聴きながら「マックスだ！」と思ってすぐオファーさせていただいた感じです。スタッフの皆さんもなるほど！って納得していました。

──納得できるという意味で言うと、ゴルツィネ役を石塚運昇さんが演じられるというのもすごくピッタリだなと感じました。

内海　石塚さんに関しては音響監督の山田（陽）さんからご提案いただきました。ゴルツィネはマフィアのボスで、威厳に満ちたとても重要な役なんですが、石塚さんの重厚な声がとてもゴルツィネの持つ威厳や圧力を感じさせていて、イメージにピッタリだったのでお願いさせていただくことになりました。