「劇場版コナン」ピンガ誕生に「ジョジョ」の存在、青山剛昌が次回作についても明かす

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青山剛昌原作による劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」のティーチイン付き“ブラックボックス”舞台挨拶が本日9月30日に東京・TOHOシネマズ日比谷で開催され、原作者の青山、江戸川コナン役の高山みなみ立川譲監督が登壇した。

「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」“ブラックボックス舞台挨拶”の様子。左から青山剛昌、コナンの着ぐるみ、高山みなみ、立川譲監督。

「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」“ブラックボックス舞台挨拶”の様子。左から青山剛昌、コナンの着ぐるみ、高山みなみ、立川譲監督。

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青山剛昌

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4月14日に全国公開され、現在も全国の劇場でロングラン上映が続けられている「名探偵コナン 黒鉄の魚影」。青山が劇場版の舞台挨拶に登壇するのは2018年公開の「名探偵コナン ゼロの執行人」以来、さらに青山、高山、立川の3人が公の場に揃うのも初とあり、大変貴重なイベントとなった。

高山みなみ

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早速、イベントタイトルの通りブラックボックス(制作秘話)が大いに語られる。アフレコの話題では、高山が現場で監督と相談しながらもセリフを変えていることが明かされる。立川監督も「高山さんは『コナン君これで気持ち合っているよね?』『こういう感情だよね?』と提案してくれる」と、長年キャラクターと付き合ってきて理解しているからこそ出てくる考え方だと感心していた。また実際に大きく変わったシーンとして水中でのコナンと灰原のやり取りを挙げる。キャストの意見を尊重しコンテ尺から1分近く伸びたと立川監督も初めての経験だったと振り返った。

立川譲監督

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さらにこの日は貴重な資料の数々も登場。青山の意見で構図が変わったカットとその原画がスクリーンに映し出される。横たわる灰原を描いたカットについて青山は「より観客を見ているような構図にした」と、当初コナン目線で俯瞰で描かれていた構図を変更した意図を説明。「感覚的」に修正したという青山の言葉にMCも「天才と言うしかないですね」と舌を巻く。立川監督も迫力のましたこのシーンについて「マンガ的な思考とアニメーション的な思考」の違いだと分析し「すごく説得力のある絵で印象に残った」と青山を称賛していた。

青山が変更を加えたコンテ。

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続いて青山が希望して描いたというコナンの原画もお披露目。コナンの原画を描くのは2019年公開の「名探偵コナン 紺青の拳」以来という情報が補足されると、「描かないと高山さんに怒られるからね(笑)。コナンが愛されてないって言われちゃう(笑)」と青山が冗談めかして話し笑わせた。

青山が描いた原画。

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普段はコンテを見た青山から描きたいカットの希望が出てくるそうだが、今作では立川監督のリクエストでジンやベルモットの原画も担当したそう。「最初の頃はラストカットだけとか、あっても2カットくらいで『すごい描いてくれてる!』って思っていた」と明かした高山だが、今は「こんな描いて大丈夫なの!?」と心境が変化しているという。一方で立川監督が「キールも描いてもらえばよかった」と悔やむと、青山は「頼まれてたら描いてたよ」と即答。昔は遠慮からあまり原画を描かなかったが、今は遠慮が無くなったと笑っていた。

青山が描いた原画。

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好きなシーンの話題では高山が「海中のシーンはすごく好きなんですけど、置いといて……」と前置きし、「潜水艦の中に黒ずくめのメンバーが揃っているシーンが好き」と回答。「あんな小さな空間にあの大男たちがピチッとリビングでおしゃべりするような、あのリラックスした感じがいい」と好きなポイントを解説すると客席からも笑い声が漏れていた。続く青山が「コナンが海から上がってきて息を吐く仕草がカッコいい」と褒めると、そのシーンを担当したという立川監督も笑顔を見せる。その後もいくつかのシーンを挙げた青山が、映画を気に入り既に20回以上観ていることが明かされると客席からも驚きの声が上がった。

ボックスからSNSで集められた質問を引く高山みなみ。

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イベントの中ではSNSで事前募集したファンからの質問に答えるコーナーも実施。トップバッターの高山が質問ボックスから引いたのは、「ホテルの部屋割りが気になる」というもの。高山と立川監督の間でも既に話題になっていたそうで、これには苦笑いしながら立川監督が、明言されていなかった園子、阿笠博士、小五郎が一人部屋だと回答。高山からも「子供たちだけで泊まっているの? 光彦と元太が二人部屋? なんか部屋割りへんじゃない?」と質問されていたことを伝えながら「今度そういうシーンがあったら事前に相談します……」と厳密には決まっていなかったことを明かした。

「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」“ブラックボックス舞台挨拶”の様子。

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ロケットランチャーを発射した赤井が秒で退散したことに衝撃を受けたと語るファンからの「赤井はコナンの無事を確信していた?」という質問では、青山が元々「ちゃんと逃げてくれよボウヤ」というセリフがあったことを説明。立川が「コナンを信頼しているんでしょうね」と持論を述べると、青山も「エンジンは止まっても爆発しないところ撃った」と考察する。また立川はコンテでは画面が揺れる演出があったが、それでは衝撃波が起きているからコナンが死んじゃうと青山のチェックが入ったと裏話を伝えた。

会場の観客からの質問に答えるパートでは、客席から多くの手が挙がる。「黒鉄の魚影」のゲストキャラクターにして黒ずくめの組織のメンバーでもあるピンガの死を嘆くファンからは、ピンガの誕生についての質問が。中性的なキャラクターであるピンガだが、青山は「今までのコナンにないような、『ジョジョ』に出てきそうなキャラクターにしたいと思ってあの顔になった」と大胆に告白。立川監督はピンガがメキシコのお酒というところから着想を得て、髪型や戦い方に反映させたと話した。また演じた村瀬歩について青山も「上手いよね」と絶賛。立川監督も「男性声優に女性の声を出してもらった中では飛び抜けていました。かつ、難しいアクションシーンでの吐息での演技がお上手な印象を受けました」と語った。またMCからピンガが亡くなったとは明言されていないとフォローが入ると、すぐさま青山が「亡くなりました」と明言。思わぬ発言に会場が爆笑に包まれ、高山も「全国でため息が聞こえた(笑)。ごめんね!」と全国の生中継先にも気を配り謝罪するチームワークのよさで笑わせた。

コナンの着ぐるみ。

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最後の挨拶では青山が劇場版次回作にも言及。「平次がとんでもないところで戦います」と話しファンたちを沸かせ、「コナンがとんでもないところをスケボーで走ります」とオチをつけつつ期待を煽った。締めには、会場、生中継先を巻き込んでおなじみの「真実はいつもひとつ」の掛け声も。高山は生中継先をもっと増やし、来年は過去最大の「真実はいつもひとつ」をしたいと新たな目標を笑顔で語った。

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劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」

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原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:立川譲
脚本:櫻井武晴
音楽:菅野祐悟
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、林原めぐみ ほか
製作:小学館、読売テレビ、日本テレビ、ShoPro、東宝、トムス・エンタテインメント
配給:東宝

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(c)2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

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