新潮社のWebマンガサイト・くらげバンチで発表された「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」は、作者の宮川が母を亡くした経験を綴ったエッセイ。がんを告知された母・明子と主人公のサトシが過ごした最後の日々から葬儀、そしてその後の生活までが描かれている。
倍償と母子役を演じた安田は「本当に光栄なことです。倍償さんの醸し出す雰囲気のおかげか、すごく穏やかなゆったりした時間を過ごすことができました」とコメント。一方の倍償が「こんな母親思いの息子っているんですね! 安田さんがそうなのかと錯覚起こしちゃう」と話すと、安田は「(作者の)宮川先生はいい息子だったんでしょうね。私はすぐ親元も離れたし、いい息子かっていうのはあれですけど……」と自身と比較してみせた。
脚本を読んだ際の印象を問われた倍償は、「本当に忘れちゃってるんですよね(笑)。なんとなく覚えているのは暑かったのと、あそこで食べたアイスクリームが美味しかったとか、そういうことで」と笑顔で述べつつも、「ただ、作品が“温かい”ということだけはよく覚えています」と振り返った。司会から「原作の中で、サトシとお兄さんが『うちの母親は倍償さんに似ている』と話すシーンから倍償さんをキャスティングされたと伺いましたが」と触れられた大森監督は、「そんなこと言ったかな?(笑)」と答えつつも、「マンガの中でそういったシーンもありましたが、俺は全然気にしてなかったんです。単純に倍償さんと仕事がしたいと思っていたことが一番強くて。倍償さんが出ている大好きな映画がいっぱいあって、この方と一緒に仕事をしてみたいとシンプルに思ったからです」と説明した。
サトシを支える恋人役を演じた松下は、自身のキャラクターについて「岐阜ののどかな場所でのびのび育った、優しさの中にも厳しさがある女性」と述懐。「撮影が進むに従い、男性っていくつになってもお母さんがいないと駄目なんだなと思うようになって。この人を守ってあげなきゃいけないんだという空気を安田さんに作っていただいた」と撮影を思い返した。それを聞いた安田は、「松下さんは『私は奥さん役が多くて、いつだっていい奥さんになる準備はできている』って言ってました」と明かし、会場を盛り上げた。
イベントの最後、安田は「こういうタイトルですが、観終わっていただいたときに笑顔でここをあとにしてもらえるんじゃないかなと、私は映画を観てそういう気持ちになりました」と思いを口にする。さらに共演者やスタッフへの感謝を述べたあと、「何より宮川サトシさんのお母様に感謝を申し上げたいと思います」と語り、イベントを締めくくった。
映画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」は2月22日ロードショー。
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