アニサマ2018開幕！復活のエイル、有終のWUG、OLDCODEX・Ta_2の“Walk”に沸く

埼玉・さいたまスーパーアリーナで計3日間にわたり行われる世界最大級のアニメソングイベント「Animelo Summer Live 2018 “OK!”」が、昨日8月24日に開幕した。

2005年より毎年夏に開催されている「アニサマ」。14回目の開催となった今年は「“OK!”」をテーマに掲げ、例年通り多くのアーティストが出演。コミックナタリーではその模様を3日間レポートする。

祭典の口火を切ったのは内田彩と三森すずこによるコラボレーション。ダンサーを従えた2人が「DISCOTHEQUE」で息の合ったダンスと歌唱を披露すると、続いてサプライズとして6月に復活した藍井エイルがステージに姿を現す。2015年に出演をキャンセルし、久々の「アニサマ」登場となった藍井は「流星」を熱唱。「お久しぶりです！ こうしてまた『アニサマ』のステージに立つことができてとってもうれしく思っています」と語り、スタッフへの感謝を述べる。その後はミドルテンポの「ラピスラズリ」を歌い上げ、完全復活した姿をファンに見せた。

前半は「アニサマ」初出演のフレッシュな面々の活躍が目立った。テレビアニメ「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」のレンとピトフーイが掛け合いする映像からステージに登場したのはレン（楠木ともり）。彼女はアニメ本編をダイジェストで振り返る映像とともにエンディングテーマ「To see the future」を歌い、最後は愛銃のピンクのP90を手にポーズを決めてみせる。DearDreamは自身が声優として出演するテレビアニメ「ドリフェス！」シリーズの主題歌「PLEASURE FLAG」「ユメノコドウ」を歌唱。曲間のMCでは彼らの決めフレーズ「イケるっしょ！」と今回の「アニサマ」のテーマを合わせた「OKっしょ！」のコール＆レスポンスで会場を盛り上げた。

亜咲花は「私は『アニサマ』の大ファン。ここに立つ夢を毎日見ていた」と熱っぽく語る。彼女は2011年の「アニサマ」でangelaのKATSUが将来同じステージに立つかもしれない観客に向けて語った「『アニサマ』のステージは世界一気持ちいいから、お前ら這い上がってこいよ！」というMCを引用し、「18年生きてきて、今が一番気持ちいい！」と満面の笑みで報告。「キャンプ行くよ！」という掛け声からスタートした「SHINY DAYS」ではハンドクラップとシンガロングを誘発し、温かな空気で会場を満たした。ソロ初出演組の伊藤美来と山崎エリイは、みっく＆エリイとしてテレビアニメ「ママレード・ボーイ」のオープニングテーマ「笑顔に会いたい」をカバー。トロッコに乗って会場を巡り、客席と至近距離で笑顔を交わし合った。

バンドセットとともに登場し、「ティアドロップス」を奏で歌って会場のテンションを一気に引き上げたのはPoppin’Party。自己紹介と2年ぶりの出演を喜ぶMCを挟み、5人は自身たちの楽曲「キラキラだとか夢だとか ～Sing Girls～」、そしてテレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の挿入歌「God knows...」のカバーを畳み掛ける。2年前からさらに磨きをかけたエネルギッシュなパフォーマンスで前半を締めくくった。

後半は“「シュタインズ・ゲート」コーナー”とも言える幕開け。スクリーンに映るダイバージェンスメーターが「20180824」という日付を示し歓声が起こる中、いとうかなこが「シュタインズ・ゲート ゼロ」のオープニング曲「ファティマ」をアニメ映像とともに披露。続けてZweiがエンディング曲「LAST GAME」を歌唱し、畳みかけるように両者のコラボによる「スカイクラッドの観測者」へ。アニサマらしい、作品へスポットを当てたパフォーマンスとなった。中島愛は今年10周年を迎える「マクロスF」より、昨年は「星間飛行」を披露したが、今年は「放課後オーバーフロウ」をセレクト。ペンライトの緑色の灯りに包まれ、切ない恋心の込められた楽曲を大人っぽい表情で歌い上げた。

全身ピンク色の衣装で登場した春奈るなは、リズミカルでキュートなナンバー「桃色タイフーン」で会場をピンク色のライトで染め上げる。さらに黒崎真音、Poppin’Partyの大塚紗英と西本りみとともに「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」の主題歌「瞬間センチメンタル」のカバーを披露して会場を沸かせた。バトンタッチした黒崎は「decadence-デカダンス-」でロックなボーカルを聞かせ、続けて「とある魔術の禁書目録III」の主題歌「Gravitation」をいち早く披露。緩急の激しいドラマティックなデジタルロックで客席を熱く盛り上げた。

2019年3月での解散が決定し、アニサマのステージに立つのは今回が最後となるWake Up, Girls！は、トロッコに乗って登場。元気いっぱいに「極上スマイル」を歌い、客席も「なんだかちがうー！」「豊作！ 豊作！」といった合いの手で応え、会場はお祭りムードに。MCではセンターの吉岡茉祐が「悔しい思いをした年もあったけど、それを乗り越えて、もっとがんばろうという気持ちになった」と話し、「いつも私たちの道しるべになってくれて、本当にありがとうございます」と感謝を述べると、これまでのアニサマでのライブ映像とともに「Polaris」を歌い始める。間奏ではRun Girls, Run！、i☆Ris、Aqours、ミルキィホームズからのサプライズ映像が流れ、驚いた顔でスクリーンを見つめるメンバーたち。感極まった様子を見せつつも最後まで笑顔で歌いきると、「ありがとうございました！」と大きな声で叫び、ステージを後にした。

史上初の3日間連続出演者となる三森すずこは「ユニバ―ページ」と「革命のマスカレード」を優雅に歌い上げ、客席に「全通する人！ 私と3日間一緒ってことですね」と呼びかける。MYTH ＆ ROIDは「オーバーロード」の主題歌2曲を披露し、ダークかつ幻想的な世界観で会場を飲み込んだ。今回アニサマ初登場となるDo As Infinityのステージは、「十二大戦」より安元洋貴演じるドゥデキャプルのナレーションで幕開け。「化身の獣」に続けてアニメ「犬夜叉」シリーズの主題歌「深い森」のタイトルを告げると会場からは歓声が沸き、さらに「君がいない未来」を披露し伴都美子のパワフルな歌声を響かせた。

大きな歓声の中で登場したAqoursは、スクリーンに映るキャラクターとともに1人ずつメンバーがスポットライトを浴びる。ライブは「未来の僕らは知ってるよ」からスタートし、MCでは一言ずつキャラクターボイスで挨拶。「WONDERFUL STORIES」ではスクリーンに映るアニメ映像とシンクロし、「ラブライブ！サンシャイン!!」第2期13話を見事再現してみせた。

トリで登場したのは、4年ぶりのアニサマのステージとなったOLDCODEX。YORKE.がキャンバスに“OLDCODEX We're Here!”と描き上げると、ステージに現れたTa_2は「いけるか！」と何度も会場を煽ったあと「頼むぜ、信頼してるからよ」と告げ、「Growth Arrow」を披露。序盤からトップギアの激しいサウンドの中、Ta_2はしっかりと客席を見据え、語りかけるような熱唱で客席を巻き込んでいく。「次の曲は持っているサイリウムを思いっきり真っ赤に染め上げてほしいんだよね。お願いしてもいい？」と呼びかけ「One Side」へ。汗だくになりながらジャンプし、全力で拳を突き上げながら歌うTa_2に応えるように、歓声は大きくなっていった。

2曲を歌い終えるとTa_2は「実はめちゃめちゃ緊張してます。だってさ、4年ぶりだぜ。オリンピックかよ」と笑顔を見せ、「しかも今回トリだぜ？ 直前にはお前らの大好きなAqoursが出てんだろ？ そりゃ緊張もするさ」というMCでオーディエンスを笑わせる。するとTa_2は「正直に言うと4年前の俺は……アニメが、好きじゃなかった」と切り出し、「どんなに歌っても、『あいつ声優だろ』とか、言われるんだよ。でも『OLDCODEXってアニメすげぇいい曲書くよね』って、周りの人がみんな言うんだよ。『それでアニメ見始めたんだよ』って言うバンドマンもいっぱいいてさ。もう1回アニメを見直そうと思ったんだよ。見直したときに、やっぱり嘘じゃなかったんだよ。本当は俺、心の底でアニメ好きだったんだよ！」と真摯な言葉で4年間の胸中を明かした。

「水泳に打ち込んでるあの青年たちは、向こう見ずでとっても真っ直ぐだから、それを歌にしてやろうと思った。まだこの曲は色がついてないから、その拳と声で俺たちと対話してくれねぇか」と呼びかけると、「Free!-Dive to the Future-」の主題歌「Heading to Over」を披露。ペンライトが消えて真っ暗になった客席から、さらに熱い歓声が沸き上がる。ここまでそれぞれのアニメ映像とともにパフォーマンスしたOLDCODEX。そして「俺フロア行くからさ、フロアの奴らは一緒に俺と楽しくやろうぜ」と告げて「WALK」へ。スクリーンには「黒子のバスケ」のロゴが映し出され、それを背にして宣言通りフロアに降り立ったTa_2は客席を練り歩き、時には身を乗り出してオーディエンスを煽りながら、会場中に一体感を行きわたらせた。歌い終えたTa_2は声を枯らしながら何度も「ありがとうございました！」と叫び、見事にトリを務めあげた。

余韻が残る会場に、出演者が順番に挨拶をしながら登壇。最初に現れたWUGが「アニサマのおかげでここまで大きくなることができました！」と述べるなど、それぞれが自身のステージで語り切れなかった思いを口にする。最後に登場したOLDCODEXのYORKE.は「最後の『WALK』でみんながノってくれたの、超感動しちゃった。本当にありがとう」と口にし、Ta_2は「めちゃくちゃ楽しかったです！」と絶叫。そして勢揃いした出演者で今年のアニサマのテーマソング「Stand by...MUSIC!!!」を歌い、初日の幕を下ろした。

※記事初出時より、本文の表現を一部変更しました。