ナタリー PowerPush - TRF

祝20周年!今明かされる革新的ユニットの歩み

お客さんの盛り上がり方が尋常じゃない

──3人ともすごく赤裸々に、あっけらかんとマイナスなことや辛辣なこともお話してくださるので、こちらがビックリしています(笑)。「1位になっても何もうれしくなかった」とか「売れなくなって」とか……。

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CHIHARU 全然。

SAM 売れた時期なんてせいぜい3、4年くらいなんで、僕ら。

ETSU そう(笑)。

SAM その時期に多分ほかの人の10年分くらい売れてると思うけど(笑)。でもそんなもんですよ。なので、どうして今こんなに支持されてるのか不思議で。

──考えてみるとなぜ支持されてるんだと思います?

SAM 多分毎年出てる「a-nation」が大きいですね。「a-nation」はだいたい20分か30分くらいのステージなんですけど、僕らのこと知らないayuのファンや倖田來未のファンに対してパフォーマンスを見せられる場でもあるので、ヒット曲を全部やっていくんです。それでTRFのライブは楽しい、盛り上がるっていうのが10年の間にいろんな人に植え付けられたんじゃないかなと。

CHIHARU そうだね。今はほかのアーティストを目当てに観に来た人でも、盛り上がり方が尋常じゃないんですよ。これはやってるほうもビックリするぐらい。やっぱりYU-KIちゃんのアゲ方もあるし、5人のあうんの呼吸もあるのかな。

SAM 僕らは「楽しませる」っていう姿勢だから割と冷静なんだけどね。

CHIHARU 絶対楽しんでもらう、元気を出してもらうっていうことに5人全員が徹底してる。だから多分それが通じるんだと思います。

鉄板の曲は毎回やろう

──ライブの選曲はどのように決めていくんですか?

SAM たまに5人で話し合うんですけどね、歌い手としてはこういうの聴かせたいとか、それぞれの意見もあるんですよ。ただ4、5年前くらいかな。「a-nation」は自分たちのファンじゃない人のほうが多い。だとしたら誰でも知ってる曲で固めよう、頭から最後まで知ってる曲のほうがお客さんが喜ぶでしょっていう考えになって。それから「鉄板の曲は毎回やろう」「最後は『survival dAnce~』で終わろう」って開き直ったセットになったんです。それでも毎年新しいお客さんは来るわけだから、その人たちのためにやろうかって。

──なるほど。いつも惜しみなくヒット曲をやるのはそういう理由だったんですね。

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CHIHARU そうそう(笑)。惜しみないでしょう? でも「a-nation」ってお祭りだしね。とりあえずみんなが望んでる曲をやってあげないとっていう割り切りになりましたね。

SAM あんまり知らないアーティストのライブに行って聴きたいのってヒット曲じゃないですか。アルバムの曲聴いてもわからないし、変なアレンジされてもね。

──ただ、すごく盛り上がるヒット曲って、皆さんにとっては仕事と割り切ってやっていた時期の曲でもあるわけで。

CHIHARU そうなの。

SAM 不思議ですよね。助けられてます。

CHIHARU 今は見方が変わりましたね。「BOY MEETS GIRL」とか「survival dAnce~」とか、当時全然いい曲だと思わなかったけど、今はなんていい曲なんだろう!って(笑)。

ETSU 曲がかかったときの、みんながワッとなる感じとか「あ、本当に愛されてる」って思うんです。確かにいい曲だし、みんな今も好きでいてくれてるんだなっていうのが見えるからなおさらね。

SAMさんが踊れなくたったときは私も終わるとき

──デビュー20周年を超えて、TRFのダンスは今後どうなっていくのでしょうか。

SAM 特に変わることもなく、淡々と今までやってきたことの延長線上だと思います。ここまできたら解散するでもないし(笑)。

──今は自分の先行きが不安な時期とは違う、むしろ堂々と構えている感じがしますね。

SAM もちろん体力的にパワーとかスピードとかキレとかは若者にかなわないわけですよ。っていうのがどこかのタイミングで、じゃあ違う見せ方してかなきゃ、やってきたキャリアで見せていこうって自分の中の踏ん切りが付いたんでしょうね。若さで勝負するってところからちょっと抜けられた気がしたんですよ。それがあると楽になって、TRFが動かない5年の間に、BoAや東方神起、V6、浜崎あゆみとか多くのアーティストのコンサート演出をやって、ライブを作る面白さっていうのも覚えてきたんですね。そういう意味で空白の5年も無駄ではなかったなっていう気持ちもあります。

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ETSU 今は開き直ってるっていうか「踊れなくなるときが来たらそのときはそのとき」って思う。私、SAMさんが踊れなくなるときが私たちも踊れなくなるときだと思ってるんで。

一同 あははははは!(笑)

CHIHARU 思うよね!

ETSU SAMさんが「もうダメだ」って言ったらそこで終わるのかなっていう。でも、ずっと踊ってきたことが今すごく宝みたいなもので、大事なのは積み重ねたものっていうのが実感としてあるから、ここからまた積んでいけばそのときなりの動きは続けられると思うし、逆に楽しみというか。見えないことで不安に感じるというよりは、積んできた時間を見て今を実感していこうっていう考えになったので、ちょっと楽かな。

4カ月連続リリース第2弾 トリビュートアルバム「TRF リスペクトアイドルトリビュート」2012年12月19日発売 avex trax
トリビュートアルバム「TRF リスペクトアイドルトリビュート」CD+DVD盤[CD+DVD] 2940円 AVCD-38660/B
トリビュートアルバム「TRF リスペクトアイドルトリビュート」CD盤[CD] 2310円 AVCD-38661
収録曲
  1. BOY MEETS GIRL / IRF
  2. EZ DO DANCE / アイドリング!!!
  3. 寒い夜だから… / Dream5
  4. Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~ / 東京女子流
  5. survival dAnce ~no no cry more~ / BiS
  6. Love & Peace Forever / iDOL Street(SUPER☆GiRLS、Cheeky Parade、ストリート生)
  7. BOY MEETS GIRL -DJ KOO PARTY MIX-
DVD収録内容
  • IRF~BOY MEETSしたいGIRLS達~
TRF(てぃーあーるえふ)

TRF

YU-KI(Vo)、DJ KOO(DJ、サウンドクリエイター)、SAM(ダンサー)、CHIHARU(ダンサー)、ETSU(ダンサー)の5人からなる音楽ユニット。1993年に小室哲哉のプロデュースにより、trf名義でシングル「GOING 2 DANCE」、アルバム「trf ~THIS IS THE TRUTH~」にてデビューを果たす。90年代中盤には「survival dAnce ~no no cry more~」「BOY MEETS GIRL」「CRAZY GONNA CRAZY」「Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~」など、数々のミリオンヒットを生み出す。1996年からユニット名を現在のTRFに変更。また1998年より小室プロデュースを離れ、独自のスタンスで活動。各メンバーはソロ活動や、他アーティストの振り付けなども行っている。2012年11月にはベストアルバム「TRF 20TH Anniversary COMPLETE SINGLE BEST」をリリース。これを皮切りに4カ月連続リリース企画をスタートさせ、2013年2月にデビュー20周年を迎える。


2013年2月25日更新