ナタリー SUPER PowerPush - 桑田佳祐

この時代に生きるすべての人へ── 9年ぶりソロアルバム「MUSICMAN」堂々完成

桑田佳祐へのメッセージ #04 / 平井堅 / インタビューを読む

桑田佳祐へのメッセージ #04 / 平井堅

平井堅は、桑田佳祐の大ファンであることを広く公言しているアーティストの1人だ。誰もがその実力を知るトップアーティストでありながら、シンガーとして、表現者として、桑田から受けた影響は計り知れないという。今回はそんな平井にインタビューを申し込み、彼が桑田佳祐を知ったきっかけや、桑田から受けた影響について語ってもらった。

取材・文/田中隆信

きっかけはドラマ「ふぞろいの林檎たち」

──「Ken's Bar II」に桑田さんの「白い恋人達」のカバーを収録するほど、平井さんは桑田さんをリスペクトされてますが、いつ頃から意識して聴くようになったんですか?

サザンのデビューが1978年ですから、僕が小学校1年のときでした。「勝手にシンドバッド」から聴いてました。でもすごくハマったのは小学校6年のときでした。「ふぞろいの林檎たち」というドラマが放送されていて、その劇中でサザンの曲が流れていたんです。

──サザンのいろいろな曲が流れていましたね。

はい。ちょっとロマンチックな場面では「栞(しおり)のテーマ」が流れたり、シーンごとに流れるサザンの曲がすごくハマっていて、もっともっと好きになったんです。6つ上の姉と4つ上の兄がいて、僕は末っ子なんですが、年上の兄弟からっていろいろ影響受けますよね。「ふぞろいの林檎たち」を観たのは姉の影響でした。当時、姉は高3で大学生活の青春を描いたドラマに興味があったんでしょう。そんな姉の隣で一緒に観てました。同級生で観てた人はそんなに多くなかったと思います。大人なドラマでしたから。僕はちょっと上の世代が好きなものを垣間見てるようなマセた気分でドラマを観て、サザンを聴いていたんです。

歌う人としての桑田さんにすごく惹かれてたんです

──平井さんがシンガーになりたいと思ったとき、桑田さんの存在はやっぱり意識されてましたよね?

歌手になりたいという気持ちは物心ついたときからありました。僕は日本の歌謡曲がすごく好きでしたから、楽曲を提供してもらって歌う“歌謡シンガー”になりたいと思ってたんです。当時だと松田聖子さん、ちょっと前だと山口百恵さんやジュリー(沢田研二)みたいな。桑田さんに対しても、THE BEATLESに影響された桑田さんではなく、歌う人としての桑田さんにすごく惹かれてたんです。歌謡曲が全盛の70年代後半から80年代という時代をくぐり抜けてきたミュージシャンであり、歌謡番組にも出られてましたから、桑田さんというのは希有な存在であり、唯一憧れた人です。

──「ザ・ベストテン」といった番組の中でも、サザンのパフォーマンスは異彩を放っていたのを私も覚えています。

ですよね。あと、中学2年のとき、「綺麗」というアルバムに入っている「旅姿六人衆」を聴いて、思わず泣いてしまったんです。「音楽で涙が流れるんだ!?」っていたく感動しました。そのときに音楽の仕事に就きたいと明確に思うようになったんです。僕にとって、とても大きな出来事でした。

──最後に、桑田さんにメッセージをお願いします。

きっと将来は国民栄誉賞とかをいただいちゃう方だと思うんですけど、大きくなった桑田佳祐ブランドを、いい意味で気にせず、ムチャクチャなことを今後もやり続けていただきたいなと、ファンの1人として思っています。

平井堅(ひらいけん)

1972年大阪生まれのシンガーソングライター。大学在学中にソニーミュージックのオーディションに入選したのをきっかけに、1995年にシングル「Precious Junk」でデビュー。2000年にリリースしたシングル「楽園」がヒットを記録し、その卓越した歌唱力と完成度の高い楽曲で一躍トップシンガーの仲間入りを果たす。2002年には童謡「大きな古時計」のカバーで世代を超えた人気を獲得。その後も「瞳をとじて」「POP STAR」「僕は君に恋をする」など多くの楽曲をヒットチャートに送り込んでいる。また「Ken's Bar」と題したアコースティックライブシリーズを自身のライフワークとして定期的に開催しており、同タイトルのカバーアルバムも2作発表。フェイバリットアーティストはダニー・ハサウェイ。

別冊カドカワ / 総力特集 桑田佳祐

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2011年2月23日発売
定価:1200円
発行:角川マーケティング / 発売:角川グループパブリッシング

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収録曲
  1. 現代人諸君(イマジン オール ザ ピープル)!!
  2. ベガ
  3. いいひと ~Do you wanna be loved ?~
  4. SO WHAT ?
  5. 古の風吹く杜
  6. 恋の大泥棒
  7. 銀河の星屑
  8. グッバイ・ワルツ
  9. 君にサヨナラを
  10. OSAKA LADY BLUES ~大阪レディ・ブルース~
  11. EARLY IN THE MORNING ~旅立ちの朝~
  12. 傷だらけの天使
  13. 本当は怖い愛とロマンス
  14. それ行けベイビー!!
  15. 狂った女
  16. 悲しみよこんにちは
  17. 月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)
初回限定盤DVD収録内容
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桑田佳祐(くわたけいすけ)

1956年2月26日生まれ。神奈川県茅ケ崎市出身。

1978年サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」でデビュー。デビューして以来フロントマンとして、またソロアーティストとして常に日本のミュージックシーンのトップを走り続けている。
ソロ名義では、1987年リリースの「悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)」で活動を開始。以降ソロ活動も精力的に続けており「波乗りジョニー」「白い恋人達」「明日晴れるかな」などヒット曲も多数。2011年2月23日には約9年ぶりのオリジナルソロアルバム「MUSICMAN」をリリースする。