ナタリー PowerPush - GARNiDELiA
オーバーグラウンドで闘う2人の“メジャーデビュー”
数多くのアニメソングを歌い、またさまざまなアーティストのライブでの客演歴を誇るボーカリスト・メイリアと、編曲家、ボカロPとしても活躍するtokuからなるユニット・GARNiDELiA(ガルニデリア)。2010年の結成以来、動画共有サイトで発表した楽曲はいずれも多くのアクセスを集め、また中国・上海でのライブイベントに招聘されるなど、ネットとリアル、国内外を問わない多岐にわたる活躍ぶりを見せている。
そんな彼らが放つメジャーデビューシングル「ambiguous」は、現在放送中の人気テレビアニメ「キルラキル」の新オープニングテーマ。そのドラマチックなナンバーは発売前ながら、すでにアニメの視聴者から高評価をもって迎え入れられている。それぞれソロプレイヤーとしても高い実績を誇り、またGARNiDELiAとしても十分な人気を集める2人が、今またメジャーシーンに殴り込みをかける理由とは? 2人の横顔を追うとともに、その真意に迫った。
取材・文 / 成松哲
キャリアはオープンにしてるつもりなんですけどね
──以前tokuさんにはご自身が主宰しているネットレーベルBALLOOMのコンピ盤のインタビュー企画でナタリーにご登場いただいているんですけど(参照:V.A.「BALLOOM BEST」発売記念特集 とくインタビュー)、それでもGARNiDELiAって我々的には「やっと会えた」って感じのお2人なんですよ。
メイリア(Vo) そうなんですか! ありがたい(笑)。
──メイリアさんはじん(自然の敵P)さんのライブには欠かせないゲストボーカリストで(参照:じん(自然の敵P)、超豪華メンバー集結!熱狂の2ndライブ)、tokuさんはLiSAさんが「爆弾みたいな破壊力がある曲」と評している「crossing field」のアレンジャーで(参照:LiSA「LANDSPACE」インタビュー)。
toku(Key, Compose) なるほど。なのにガルニデとしては初めてですもんね。
──そうなんです。で、彼らのライブレポートやインタビューを書くときに下調べがてら「メイリア」「toku」ってキーワードでググってみたら、お2人ともまあ膨大なディスコグラフィがヒットしまして。
メイリア・toku あはははは(笑)。
──でもキャリアについてはさほど明かされていない。なので「この人たちはいったい何者なんだ!?」と(笑)。
メイリア 確かに何者なんだろ?(笑) キャリアについて聞かれたことがそんなになかったっていうだけで、2人ともオープンにしてるつもりなんですけどね。
toku うん。僕はもともと音楽系の学校を出たあと、アレンジャーに弟子入りして、そのまま編曲家として活動していて。LiSAさんもそうだし、アンジェラ・アキさんだったり、DIR EN GREYさんだったり、けっこう幅広いジャンルの方々のお手伝いをさせてもらってます。
声楽で食ってくのは難しい
──資料には「中学時代にイタリア古典歌曲に傾倒し」とありますよね。
toku 中学校のとき転校したんですけど、そこがNHKの合唱コンクールで10年連続金賞を獲るような学校だったんです。で、その学校の音楽の先生に気に入られて、音楽への扉を叩いた感じですね。
──ただその後クラシックの道には進まなかった。
toku 高校生の頃、漠然と進路について考えてみたときに「合唱の延長線としての声楽で食ってくのは難しいだろうなあ」と思いまして(笑)。当時、Pet Shop Boysや小室哲哉さんや浅倉大介さんの影響で打ち込みはしていたので、現代商業音楽系の学校に進みつつユニットやバンド的なことをやってたんです。それが18歳か19歳の頃で、たぶんそれが転機になったって感じですね。
メイリア へえー! そうだったんだ!
──そのメイリアさんは? プロフィールには「幼少期から歌とダンスに」とありますけど。
メイリア そうですね。小学4年生のときから演技もダンスも歌も全部学べる、みたいなスクールに通ってて、実は11歳のときに1度、デビューしてたり、中学生時代には原宿BJ Girlsっていう6人組のユニットをやってたり。中学時代のそのユニットはその後Chix Chicksに改名したんですけどね。松尾潔さんのプロデュースでジャズや70~80年代の洋楽ポップスのカバーをしたり、そんな活動をずっとやってました。それと並行して、ソロ名義でも「ポケットモンスター ダイヤモンド&パール」のエンディングテーマ(※「風のメッセージ」)や、「神様家族」のオープニング(※「Brand New Morning」)とエンディング(※「図書館では教えてくれない天使の秘密」)とか、色々歌わせていただいてたりもしました。山あり谷ありで今の私ができあがってるわけです。……って、こんなに赤裸々で大丈夫かなあ(笑)。史上初ですね。こんなに自らしゃべったのは!
- GARNiDELiA ニューシングル「ambiguous」/ 2014年3月5日発売 / DefSTAR Records
- 初回限定盤[CD+DVD] 1575円 / DFCL-2054~5
- 期間限定生産盤[CD+DVD] 1575円 / DFCL-2051~2
- 通常盤[CD] 1260円 / DFCL-2053
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CD(初回限定盤・通常盤)
- ambiguous
- Gravity
- ORiGiNAL
- ambiguous(instrumental)
CD(期間生産限定盤)
- ambiguous
- Gravity
- ORiGiNAL
- ambiguous(instrumental)
- ambiguous(TV size)
DVD(初回限定盤)
- 「ambiguous」Music Video
DVD(期間生産限定盤)
- 「キルラキル」OP映像
GARNiDELiA(がるにでりあ)
アニソンシンガーなどとして活躍するメイリア(Vo)と、アンジェラ・アキ、LiSAらのアレンジャー、ボカロP「とく」などの横顔を持つtoku(Key, Compose)からなるユニット。2010年、共通の知人を介して知り合い、オリジナル曲「ARiA」を動画共有サイトに投稿し、toku作編曲、メイリア歌唱のアニメ「フリージング」オープニングテーマ「COLOR」を発表したのと前後して、ユニット結成を宣言する。以来ハードロック由来のヌケのいいギターロックから、ダンスミュージックまで幅広い楽曲群をネットで発表する一方で、2010年末にはミニアルバム「ONE」をインディーズで発表。さらに翌年には東京・JCBホール(現・東京ドームシティホール)での「ニコニコ大会議Final」や、中国・上海での「舞動漫櫻楽祭~ANIME ROCK CONVENTION~」など国内外でのイベントに招聘されるなど、国内外で高い人気を獲得する。そして2014年3月、アニメ「キルラキル」の後期オープニングテーマ「ambiguous」でメジャーデビュー。