ナタリー PowerPush - AKB48

高橋みなみ&柏木由紀が語る初ドキュメンタリー映画の裏側

卒業について話すことってメンバー同士ではなかなかない

──今回の映画で、特に印象的なシーンはありますか?

柏木 いっぱいあるんですよ。何カ所かバーッと思い浮かぶんですけど……。

インタビュー風景

高橋 私はいろんなメンバーが卒業について語っているシーンが特に印象的かな。例えば(大島)優子だったら19歳のときから卒業を考えているとか、(篠田)麻里子さまだったら秋元(康)先生が「卒業しよう」と言ったら卒業するとか、メンバー個々の卒業に対する考え方をあまりストレートに聞いたことがなくて。そういったことを言葉にすることってメンバー同士ではなかなかないので、「こんなこと考えてたんだ」みたいな驚きがあります。

──メンバー同士ですら初耳だったことが多いなら、ファンの方々が観たらいろいろびっくりするでしょうね。

高橋 そうですね。あと、ゆきりんが鹿児島弁で話してるシーンもすごく面白かったです(笑)。

柏木 地元の友達と話してるときに、自然と出てきちゃったんですよ。

高橋 すっごい訛ってたもんね。いつもは標準語だから(笑)、鹿児島出身って気付かないくらいなんです。

柏木 普段は出ないようにって意識してるんですよ。電話で話すときはずっと標準語なので、友達から「(標準語になって)変わったね」って言われるのがすごく嫌で。でも4年ぶりに鹿児島に帰って、友達と10分くらい喋ったらあっという間に鹿児島弁に戻って、「何も変わってないね」って言われたので安心しました(笑)。

寒竹監督は心の中に入ってくるのがすごく上手な方

──インタビューシーンは、高橋さんはAKB48劇場やレッスン場、柏木さんは故郷の鹿児島での撮影でしたが、あの場所はおふたりが希望したんですか?

高橋 いいえ。本当にすごいと思うんですけど、寒竹(ゆり)監督が「私たちが一番リラックスできるだろう場所」を選んだんです。AKB48のメンバーには人見知りで初対面だと黙ってしまう子が多いんですけど、寒竹監督とは撮影のときが初対面なのに初めからメンバーをあだ名で呼んでくれて。心の中に入ってくるのがすごく上手な方で、みんなリラックスしていろいろ話してたよね。

柏木 だから嘘もつけないし、本当になんでも喋っちゃうんですよ。

高橋 ともちん(板野友美)があんなに自分のことを喋ってるの、あまり見たことないですもん。しかも豚足を食べながら(笑)。あれこそ、心を開いてる証拠ですよね。

──確かにみなさんすごく自然体でしたよね。コンサートのオフショット映像ともまた違うし。

柏木 舞台裏だと、どこか気張ってる部分があって。

高橋 振り付けとかコンサートの進行とか、常にいろいろ考えてるし。でも映画のあのインタビュー部分では、ゆきりんではなく柏木由紀で、たかみなではなく高橋みなみ。本当に年相応の女の子として映ってます。

──柏木さんはこの撮影で、AKB48に入ってから初めて故郷に帰ったんですよね。なぜ今まで帰らなかったんですか?

インタビュー風景

柏木 AKB48に入ってからは自分のことだけで精一杯で。故郷のことが嫌いとかじゃなくて、考える余裕がなかったし、帰りたいと思う暇もなかったんです。去年この映画のインタビューで「鹿児島出身なんですね。帰省しないんですか?」って言われて、「あ、私AKBに入ってから一度も帰ってないんだ」って初めて気付いて。なので、今回は本当にいいきっかけになりましたね。それと、親の反対を押し切って東京に出てきたので、すぐには帰れないというのもあったんです。お父さんからは「(芸能界に入るのは)絶対にダメ!」って言われてたし、地元の友達にも東京に出てくるギリギリのタイミングで打ち明けた部分もあったので、自分が満足できるようになるまではなかなか帰れないなって。

高橋 ゆきりんって芯が強いし、へこたれないし、本当にすごいよね。だからこそ、ゆきりんの涙を見るとわーって思っちゃう。旧チームBの千秋楽のシーンですっごい泣いてるんですけど、あんな感情的なゆきりんを初めて観たなぁ。

柏木 私、めったに泣かないんですよ(笑)。

高橋 だから、それだけ意味のある涙なんだなぁと改めて思いました。

DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 「10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」 / 2011年1月22日(土)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国公開

製作総指揮:岩井俊二
企画:秋元康
監督:寒竹ゆり

配給:東宝映像事業部

公式サイト:http://www.2010-akb48.jp/

©「DOCUMENTARY of AKB48」製作委員会

AKB48(えいけいびーふぉーてぃえいと)

アーティスト写真

秋元康プロデュースのもと、2005年に始動した次世代型アイドルグループ。劇場に足を運べば毎日会える「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、秋葉原にある専用劇場(AKB48劇場)で、チームA、チームK、チームBが毎日ステージを行っている。楽曲はすべて秋元康が作詞を担当。2006年2月にシングル「桜の花びらたち」をインディーズからリリースし、いきなりオリコンウィークリーチャートでトップ10入りを果たす。同年10月にはシングル「会いたかった」でメジャーデビュー。2007年春には初の全国ツアーも開催されたほか、同年末のNHK紅白歌合戦にも初出場を果たした。

2008年にはレーベルを移籍し、同年10月にシングル「大声ダイヤモンド」をリリース。チャート初登場3位を記録し、着実に人気を高めていく。2009年4月には、アイドリング!!!とのコラボユニット「AKBアイドリング!!!」として、シングル「チューしようぜ!」も発売。オリコンウィークリーチャート初登場2位にランクインし、話題を集めた。同年7月にはシングル曲の選抜メンバーを決定する選抜総選挙を、ファン投票により実施。8月には初の日本武道館公演も実現し、10月リリースの14thシングル「RIVER」は、初のオリコンウィークリーチャート1位を獲得した。

2010年には各チームのメンバー編成をシャッフル。同年2月の15thシングル「桜の栞」、4月のアルバム「神曲たち」も1位を記録し、それぞれ30万枚を超えるヒットとなった。さらに、5月発売の16thシングル「ポニーテールとシュシュ」、8月発売の17thシングル「ヘビーローテーション」はそれぞれ発売1週目に売り上げ50万枚を突破。横浜アリーナや代々木体育館での単独ライブのほか、9月には日本武道館で19thシングルに参加する選抜メンバーを決めるじゃんけん大会も行われ、大きな注目を集めた。10月リリースの18thシングル「Beginner」は発売初週に80万枚を超えるセールスを記録。2011年1月末までに売上100万枚を突破した。