ナタリー PowerPush - AKB48

高橋みなみ&柏木由紀が語る初ドキュメンタリー映画の裏側

映画が「ただの良い思い出」にならないように

──2010年はシングルを出すたびに「ここが人気やセールスのピークでは?」という声をよく耳にしました。でも、実際にはリリースを重ねるたびにそんな予想を覆していったのが2010年のAKB48だったなという気がします。

高橋 私たちも、去年の状況はびっくりしてたよね。

インタビュー風景

柏木 そうですね。周りに言われて気付くことも多くて。自分たちではなかなかそういうことを考えないし。

高橋 ずっと前だけを見て走り続けてきたんで。だから、「『ヘビーローテーション』が何十万枚売れました」「『Beginner』が100万枚売れました」ということも、後ろを振り返ったときに初めて知って、毎回「おーっ!」って驚くという(笑)。

柏木 特に去年はそういうことの連続でしたね。

──じゃあこの映画はひとつの記録として、1年後、2年後、5年後、10年後に観たとき、その時点でのAKB48の状況によって見え方が変わってくるかもしれませんね。

高橋 そうですね。本当にこの映画が「ただの良い思い出」にならないようにしないと。

柏木 後になって映画を観たときに、「ここがスタートだったな」と思えるぐらいでいたいですね。

高橋 きっと私たちにとって、この映画はちょっとしたタイムカプセルになると思うんです。AKB48には10年計画というものがあるんですけど、結成から5年経った今が折り返しで、6年目に入った今年こそが自分たちにとってやっとスタートラインに立てたのかなと感じていて。特に2011年についてはメンバーみんながシビアに考えていて、「今年が本当の勝負だ」と思ってます。世間的には今年の夏くらいがピークじゃないかって思われてるかもしれないけど、そこを乗り越えるには個人個人ががんばっていくしかないとみんなわかっているので、ここからが本当のスタートなんだと考えています。

AKB48が今の私のすべて

──では最後の質問です。おふたりにとって、AKB48とはどういうものですか?

高橋 おーっ。

柏木 難しいなぁ……。

高橋 今の自分のすべてというか、本当にAKBがなかった人生って考えられないよね。

柏木 考えられないです。「今なくなったら……」というのも全然考えられないし。

高橋 今いきなりなくなったら私たち、ここにポツンと取り残されちゃう気がする(笑)。本当に何もないんですよ。今までAKBに支えられてきたし、AKBは今の私のすべてだし。もし私たちが卒業しても、これからもずっとあってほしいなと思ってます。

柏木 AKBがきっかけで大きく変われたっていうメンバーも多いし、私自身もAKBに入ったことで向上心を強く持てるようになったし、毎日刺激的です。だから、なくなったら本気で困ります(笑)。

インタビュー風景

DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 「10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」 / 2011年1月22日(土)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国公開

製作総指揮:岩井俊二
企画:秋元康
監督:寒竹ゆり

配給:東宝映像事業部

公式サイト:http://www.2010-akb48.jp/

©「DOCUMENTARY of AKB48」製作委員会

AKB48(えいけいびーふぉーてぃえいと)

アーティスト写真

秋元康プロデュースのもと、2005年に始動した次世代型アイドルグループ。劇場に足を運べば毎日会える「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、秋葉原にある専用劇場(AKB48劇場)で、チームA、チームK、チームBが毎日ステージを行っている。楽曲はすべて秋元康が作詞を担当。2006年2月にシングル「桜の花びらたち」をインディーズからリリースし、いきなりオリコンウィークリーチャートでトップ10入りを果たす。同年10月にはシングル「会いたかった」でメジャーデビュー。2007年春には初の全国ツアーも開催されたほか、同年末のNHK紅白歌合戦にも初出場を果たした。

2008年にはレーベルを移籍し、同年10月にシングル「大声ダイヤモンド」をリリース。チャート初登場3位を記録し、着実に人気を高めていく。2009年4月には、アイドリング!!!とのコラボユニット「AKBアイドリング!!!」として、シングル「チューしようぜ!」も発売。オリコンウィークリーチャート初登場2位にランクインし、話題を集めた。同年7月にはシングル曲の選抜メンバーを決定する選抜総選挙を、ファン投票により実施。8月には初の日本武道館公演も実現し、10月リリースの14thシングル「RIVER」は、初のオリコンウィークリーチャート1位を獲得した。

2010年には各チームのメンバー編成をシャッフル。同年2月の15thシングル「桜の栞」、4月のアルバム「神曲たち」も1位を記録し、それぞれ30万枚を超えるヒットとなった。さらに、5月発売の16thシングル「ポニーテールとシュシュ」、8月発売の17thシングル「ヘビーローテーション」はそれぞれ発売1週目に売り上げ50万枚を突破。横浜アリーナや代々木体育館での単独ライブのほか、9月には日本武道館で19thシングルに参加する選抜メンバーを決めるじゃんけん大会も行われ、大きな注目を集めた。10月リリースの18thシングル「Beginner」は発売初週に80万枚を超えるセールスを記録。2011年1月末までに売上100万枚を突破した。