柏木由紀がWACKメンバーをプロデュース!SPY(SELECT 7 plus YUKi)「あなたを狙い撃ち♡」MV撮影レポート

AKB48の柏木由紀がプロデュースを手がけるアイドルグループ・SPY(エスピーワイ / SELECT 7 Plus YUKi)が、6月1日にシングル「あなたを狙い撃ち♡」をリリースする。

柏木は昨年3月にWACK代表・渡辺淳之介プロデュースによるソロシングル「CAN YOU WALK WITH ME??」をリリース。11月にはWACK所属7グループにそれぞれ加入し、コラボ楽曲およびミュージックビデオを発表した。柏木とWACKによるコラボ第3弾では、柏木が自身初となるアイドルグループのプロデュースをすることに。グループのメンバーは、昨年12月に行われた投票企画「VOTE!! WACK SELECT 7」で上位に選ばれたユイ・ガ・ドクソン(GANG PARADE)、月ノウサギ(GANG PARADE)、テラシマユウカ(GANG PARADE)、ハシヤスメ・アツコ(BiSH)、ヤママチミキ(GANG PARADE)、ユメノユア(GANG PARADE)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)に柏木を加えた全8名だ。投票企画は「柏木由紀なりのWACK」関連CD7作品に封入された投票券を使って行われ、多くのリスナーがWACKメンバーに投票した。そんな中、WACK代表・渡辺は個人的に1万枚のCDを購入。その結果、ドクソンがトータル1万708票を獲得して1位に選ばれた。2位の月ノが5114票だったため、ほぼダブルスコアを付けてドクソンがトップに輝くという波乱の展開を見せ、SPYのメンバーが決定した。

音楽ナタリーでは、シングルのリリースを記念した特集を全2回にわたって展開。第1弾では3月某日に行われたミュージックビデオ撮影の模様をレポートする。

取材・文・撮影 / 田中和宏

MV撮影現場レポート

3月某日、SPY「あなたを狙い撃ち♡」のMV撮影が行われた。本MVでは、昨年リリースされた柏木とGO TO THE BEDSによる「柏木由紀なりのGO TO THE BEDS -TRUE SONG-」のMVでもディレクションを手がけた須永秀明監督がメガホンを取った。MVは柏木からのリクエストである「キラキラアイドル感」に特化した内容に。「パッと突然 画面から急に飛び出して」という歌詞になぞらえ、“テレビの歌番組”の世界観が表現された。キラキラしたメインセットの舞台には、「Love」と書かれたハートが逆さまになったオブジェが象徴的に置かれ、かわいらしいセットの中でひと癖ある存在感を放っていた。

MVはダンスシーン、カラフルな蛍光灯を使った歌唱シーン、メンバーがモデルガンをぶっ放すシーンなどからなる。まずチッチ、ユメノユア、テラシマ、柏木が華やかなメイクルームでメイクするシーンからMV撮影がスタート。撮影チームがカメラや人物の配置を考慮しながら、鏡越しでメンバーの表情を捉えた。またこの日は花粉が飛散し始めた時期で、メンバーの一部は待機中に鼻をむずがゆそうにしていたが、本番が始まると気合いで鼻水を引っ込めて撮影に臨んでいた。

セットチェンジを挟み、正午過ぎにメンバー全員がそろった。メンバーカラーはそれぞれ、柏木がイエロー、ドクソンがホワイト、月ノがライトブルー、テラシマがパープル、ハシヤスメがブルー、ヤママチがグリーン、ユメノユアがピンク、チッチがレッド。アイドルらしいフリルの付いたスカートで、上半身がジャージの衣装も柏木プロデュース。腰元には拳銃をしまうホルスターが付いており、「あなたを狙い撃ち♡」のコンセプトに合わせたコーディネートとなっている。柏木はWACKとのコラボレーション第3弾にあたる今回のシングルについて、「今回は私のプロデュースということで、AKB48に寄せたイメージのWACKメンバーに注目していただきたいです」と語ってくれた。

本番撮影前、AKB48の振り付けなどを行う武田舞香先生がメンバーの指導にあたり、フォーメーションや手の角度などを細かく指示。本番では舞香先生の指導を時折挟みつつ、さまざまなアングルでパフォーマンスシーンが撮影された。

さらに“テレビ収録風”のイメージを引き立たせるため、舞台に立つメンバーとそれを捉えるカメラの間で、黒の全身タイツを着用したスタッフが大きなテレビカメラを操作。柏木は須永監督と会話を交わしたあと、黒タイツ姿のスタッフに「よろしくお願いします!」と笑顔で声をかけていた。

8人全員でのパフォーマンスシーンの撮影は2時間以上におよんだ。須永監督から「全体撮影は以上になります!」と声がかかると、メンバーたちの顔がほころぶ。全体撮影を振り返り、舞香先生は「(柏木が)前回参加した『柏木由紀なりのWACK』では、どれもWACKらしい振り付けだったので、ゆきりんから『今回はアイドルっぽいもの、楽しくてかわいいものにしたい』と希望がありました。WACKのメンバーにとっては普段やらない動きが多いから難しかったみたいですね。角度とかが難しくて、猫背になっちゃったり、大変だったみたいですけど、練習に練習を重ねてもらって、研究もしてきてくれました。MV撮影の本番はみんなかわいくて、すごくよかったです」と語った。

その後、柏木を除く7人は刀のような長さのLEDライト棒を持って「オイ!オイ!」と合いの手を入れるシーンの撮影へ。この光る棒は、手に持つとずっしりした重さ。ドクソンはそんな光る棒をバトンのように器用に回し、チッチは勇ましく背中に抱えてゴシゴシと棒をこする。モニターで撮影の様子を見つめるメンバーが「ゴシゴシダンス流行る?」と話すなど、和気あいあいとした様子。またドクソンは光る棒でやりたいことがあるようで、再撮影を志願すると、大きく口を開けて、光る棒が口に入っているような動きを見せた。そんな様子に大笑いだったチッチは「私もやりたーい!」と光る棒を再び持ち、「おまた、誰かやった?」とメンバーに確認。誰もやっていないことを確認してから、股に棒を出し入れする動きで笑いを誘う。柏木が不在の間、WACKメンバーたちの悪ノリが少しだけ繰り広げられた。

MV撮影の終盤にはピストルポーズをするメンバーの様子が、かわいいバージョン、コミカルバージョンの2パターン収録された。そして2番のサビに使用される想定で始まった次なる撮影に登場したのは、ハシヤスメとドクソンのメガネコンビだ。2人が並ぶ機会はBiSH、GANG PARADE、その他コラボでもこれまでになかったため、今回の柏木プロデュースで初めてWACKのメガネ着用メンバー2人が肩を並べた。そして月ノ、ユメノユア、テラシマが合いの手を入れるシーンをもって、MV撮影が終了した。

撮影終了後 MVの見どころについて語る

柏木由紀 MVは楽曲と同じく“ザ・アイドル”と言いますか、ポップですね。観ていて元気が出るようなものだし、それぞれの皆さんの個性もちりばめられています。アイドルという型にハメられすぎていない、皆さんのいいところがふんだんに詰まったポップで明るい雰囲気を楽しんでもらいたいですね。

セントチヒロ・チッチ 今回のMVはダンスがメインで、1つ間違えたらヤバいみたいな撮影だったのでずっとドギマギしてました(笑)。

ハシヤスメ・アツコ 柏木さんから学ぶ部分がすごく多かったです。例えば踊り1つ取っても、私はジャンプする場面なら「全力でジャンプしないと!」という気持ちになるんですけど、柏木さんは全力だとしても見せ方が本当にきれいでしなやかなんですよ!

チッチ 必死さが出なくていいんだよね。

月ノウサギ 湧き出るアイドル力みたいなものを感じました。

ハシヤスメ 根幹の部分からして違う存在なんだなと(笑)。

柏木 そんなそんな。こちらも勉強になりました。逆に「全力ってこういうことなんだ」って。

ヤママチミキ 自分たちが踊ってる姿と曲の雰囲気が最初、合ってない感じがして(笑)。「うちらもっと力抜いて、柏木さんみたいにやらないと逆に申し訳なくなるぞ」と。

柏木 テーマは「アイドルらしく」ですが、それぞれの“隠しきれない部分”が出ているのは見どころかも。AKB48の型にどうにかハメようと試みましたが、いい意味でにじみ出る“WACK感”というのはやはりあるんですね。

ユイ・ガ・ドクソン 全力とかわいいの両方ができたら最強ですね!

ハシヤスメ “全力かわいい”ってなんかいいですねえ。

柏木 本当に今回のMVで皆さんと“全力かわいい”ができたと思います!

SPY

SPY

プロフィール

SPY(エスピーワイ)

柏木由紀(AKB48)プロデュースによるアイドルグループ。名称はSELECT 7 plus YUKiの略。メンバーは柏木のほか、2021年12月のファン投票企画で選ばれた音楽事務所WACK所属のユイ・ガ・ドクソン(GANG PARADE)、月ノウサギ(GANG PARADE)、テラシマユウカ(GANG PARADE)、ハシヤスメ・アツコ(BiSH)、ヤママチミキ(GANG PARADE)、ユメノユア(GANG PARADE)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)という8名。2022年6月1日にシングル「あなたを狙い撃ち♡」をリリースする。

柏木由紀(カシワギユキ)

1991年7月15日生まれ、鹿児島県出身。2007年4月、AKB48旧チームBの一員としてデビューを果たす。2021年3月にWACK代表・渡辺淳之介プロデュースにより、約7年5カ月ぶりのソロシングル「CAN YOU WALK WITH ME??」を発表した。5月にWACK所属7グループに“ユキ・レイソレ”名義で加入し、シングルをリリースすることを発表したが、6月に脊髄空洞症の治療に専念するため一時的に活動を中止。誕生日である7月15日に復帰を果たした。11月にBiSH、EMPiRE、BiS、豆柴の大群、GO TO THE BEDS、PARADISES、ASPとのコラボシングル7作品を同時リリース。12月に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて行われる全グループとのプレミアムライブ「柏木由紀なりのWACK EXHiBiTiON and SELECT 7」に出演した。2022年6月に自身プロデュースによるアイドルグループ・SPYとしてシングル「あなたを狙い撃ち♡」を発表。

BiSH(ビッシュ)

アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dからなる“楽器を持たないパンクバンド”。2015年3月に結成し、5月にインディーズデビュー。2016年5月にavex traxよりメジャーデビューを果たした。人気番組「アメトーーク!」での“BiSHドハマり芸人”の放送、各地の大型フェスへの出演ラッシュ、横浜アリーナや幕張メッセ、大阪城ホールでのライブに続き、代々木第一体育館でのワンマン公演、2021年5月より、初のアリーナツアーを開催。2020年コロナ禍の中、7月にリリースしたライブハウス、CDショップ支援を目的とした初のベストアルバム「FOR LiVE -BiSH BEST-」を発売。同月にメジャー3.5thアルバム「LETTERS」をリリースし、2作連続でオリコン週間アルバムチャートの1位を獲得した。2021年12月24日に、2023年をもって解散することを発表。「BiSHからのPROMiSE」をファンと約束した。「BiSHからのPROMiSE」では「1. 2022年1月から12カ月連続リリース、2. 『COLONiZED TOUR』を開催、3. 『BiSH FES.』を開催、4. ベストアルバム『FOR LiVE -BiSH BEST-』の収益を寄付した全国33都道府県67店舗を回るライブハウスツアーを開催」の4つの“PROMiSE”を掲げている。

GANG PARADE(ギャングパレード)

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動するアイドルグループ。2014年に結成されたプラニメが前身ユニットで、2度の改名とメンバーの増減を経て、2019年4月にワーナーミュージック・ジャパン内のレーベル「FUELED BY MENTAIKO」よりシングル「ブランニューパレード」でメジャーデビューを果たした。2020年3月よりGO TO THE BEDSとPARADISESの2グループに分裂しての活動を開始。精力的にライブを行い、2021年には両グループ合わせて270本ものライブを敢行した。2022年1月1日にGANG PARADEとして再結成。1月15日から行われた再始動後初の東名阪ツアー「GANG PARADE GOES ON TOUR」ではチケットが即日完売した。3月にメジャー2ndシングル「PARADE GOES ON」をリリースし、5月から再始動後最大規模の全国ツアー「GANG PARADE THE GREATEST SHOW TOUR」を開催する。

※記事初出時、本文に一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

2022年4月29日更新