映画ナタリー Power Push - 「ギヴァー 記憶を注ぐ者」
主人公の吹替担当・増田俊樹インタビュー&「太陽」監督 入江悠コラム
児童文学作家ロイス・ローリーの世界的ベストセラー小説をフィリップ・ノイスが映画化した「ギヴァー 記憶を注ぐ者」のBlu-ray / DVDが1月20日にリリース(TSUTAYA先行レンタル)される。舞台は近未来、犯罪も戦争も貧困もない、一見すると理想郷のような社会に暮らす人々が、管理社会の裏に隠された真実に気付き、脱出しようとする物語。メリル・ストリープやジェフ・ブリッジスら実力派俳優ほか、テイラー・スウィフトが出演していることでも話題のSF作品だ。
映画ナタリーでは、本作の主人公ジョナスの吹替を担当した増田俊樹へのインタビューを実施。さらに同じく近未来を舞台にした日本映画「太陽」の公開を4月23日に控える入江悠に従来のSF映画とは異なる本作の魅力について執筆してもらった。
取材・文 / 内藤明子 撮影 / 大田浩樹 ヘアメイク / 北原由梨
リンゴは色彩を知るという意味では大事
──今回撮影でリンゴを持ってもらったのは作品のポイントになっているからなんです。
そうですね。リンゴは主人公ジョナスが色彩を知るという意味でとても重要なアイテムですね。あのリンゴが出てくるシーンまで、モノクロの映像だと気付かずに観ていたくらい不思議な色彩の作品でした。
──オファーを受けたときはどう思いましたか?
劇場公開されるような大きな洋画の作品で、主役を演じさせていただくということですごく緊張しましたが、きっと面白い作品に出会えるはずだとワクワクしました。
──作品を観たときの感想を教えていただけますか?
台本を読んだとき、新しい作品だと思いました。僕があまり洋画を観てないのもありますが、SFって物語が展開していくうちに未知の敵との戦いなどアクション系に発展していくことが多い中、この作品は人と人の物語であり、もともと人間の持っている感情や感性などに触れていると思いました。
人生観が変わりそうな作品が好き
──普段どういう映画を観るんですか?
洋画は文化が全然違って感情移入しにくいので、「アイアンマン」とかマーベル系のアクションくらいで、むしろ邦画のほうが好きです。
──最近オススメの映画はありますか?
劇団ひとりさんが監督、出演している「青天の霹靂」。20代男子は全員観るべきだと思います(笑)。
──どうしてですか?
大きな成功をしていない人ほど主人公に自分を投影できるからです。僕は開始早々、ボロボロ泣きましたね。一番泣いたのはティッシュで作ったバラが立ち上がるシーンです。失敗し続けてきた男が偽物のバラが立ち上がるところを見てどう感じるかってことだと思います。偽物のはずなのに本物になるというのがテーマだと、僕は感じました。
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- 「ギヴァー 記憶を注ぐ者」2016年1月20日発売
- Blu-ray Disc セル
- Blu-ray Discレンタル
- Blu-ray Disc 5076円 / PCXE-50582
- DVD 4104円 / PCBE-54025
- DVDレンタル
- DVD 4104円 / PCBE-54025
あらすじ
いかなる争いも揉めごともない平和な管理社会が確立された近未来。完全な平等世界であるコミュニティの住人は過去の記憶を持っていない。その中で育った青年ジョナスは、過去の記憶を次世代に伝える“記憶を受け継ぐ者=ザ・レシーヴァー”に任命され、“記憶を注ぐ者=ザ・ギヴァー”に教えを請うことに。色彩や音楽など楽しい感情を得ていくジョナスだが、次第にコミュニティの裏側に隠された秘密を知り、この世界に疑問を抱きはじめるのだった。
スタッフ
監督:フィリップ・ノイス
原作:ロイス・ローリー
キャスト
ギヴァー:ジェフ・ブリッジス
主席長老:メリル・ストリープ
ジョナス:ブレントン・スウェイツ
父親:アレクサンダー・スカルスガルド
母親:ケイティ・ホームズ
フィオナ:オデヤ・ラッシュ
ローズマリー:テイラー・スウィフト
増田俊樹(マスダトシキ)
1990年3月8日、広島県生まれの声優、俳優。2011年テレビアニメ「遊☆戯☆王 ZEXAL」で初のレギュラー出演を果たす。その後2013年、アニメ「サムライフラメンコ」の羽佐間正義役でテレビアニメ初主役を務める。そのほか出演作に、映画「ブリングリング」、海外ドラマ「超能力ファミリー サンダーマン」「ウェイワード・パインズ 出口のない街」などがある。