ミュージカルの大曲を“ベストセレクション”で聴き、新たな楽曲に出会える場所
──お二人のミュージカルコンサートの原体験を教えていただけますか?
甲斐 僕が客席で感銘を受けたのは、2015年の「プリンス・オブ・ブロードウェイ」というコンサートです。それに出演されていたラミン・カリムルーさんの歌声に衝撃を受けて、「生歌でこんなにうまい人がいる」ということを初めて知りました。ミュージカルコンサートは、爆音のライブコンサートとは違って歌のアラが見えやすいし、編集がきかないので、お客さんの記憶にそのまま残ってしまう。「それでもこんなにうまい人がいる」ということにびっくりして、すぐに韓国に行ってミュージカル「ジキル&ハイド」を観ました。そこで「自分がやりたいことはこれだ」と確信して、日本でオーディションを受けて、今ここにいます。
ルミーナ すごい行動力ですね! 私は初めて観に行ったミュージカルコンサートではなく、直近の「ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ」というコンサートが記憶に残っています。なじみのあるディズニーの楽曲ばかりなので、童心に帰った気持ちになれましたし、実力のあるキャストが出演されていましたが、歌のうまい下手ではない、「これ、楽しい!」という喜びが湧き上がって、客席で「フー!」と叫んでしまうような、純粋に音楽を楽しむ時間を過ごせたので、とてもいい思い出として心に残っています。
──お二人のように、今回の「The World of Musical Stars」でも、客席で新たな衝撃や感動に出会う人がいるかもしれません。お二人が観客として“ミュージカルコンサート”に求めるものは何でしょうか?
甲斐 コンサートで、単発でミュージカルの楽曲を歌うのは、俳優にとっては実は簡単ではないんです。楽曲はストーリーありきのものですから。一方で、ミュージカルコンサートは数ある作品の中からみんなが大好きな曲を“ベストセレクション”として聴くことができる、ぜいたくな空間でもある。足を運んだミュージカルコンサートが、自分が好きな楽曲を歌ってくれるものだったら大満足ですよね。観客として僕もそう思っているので、お客さんの期待に応えられるナンバーをお届けできるような構成にできたらいいなと思っています。
ルミーナ 私も、自分が好きな楽曲を歌ってほしいという気持ちはあるんですが、まだ知らないミュージカルの楽曲を聴けるというのもミュージカルコンサートの楽しみ方の1つではないかなと思っています。ミュージカルの大曲が並ぶ中、セットや衣裳はなくても、音楽1つで、さまざまな作品の世界に入り込めるというのが、ミュージカルコンサートの魅力。歌う人にとっては気持ちの作り方が違ってしまうかもしれないけれど、お客さんには、一瞬で国も時代も飛び越えられる素敵な時間を堪能していただきたいです。
甲斐 それだ!
ルミーナ あははは!
日本代表のスピリットで臨みたい
──異なるバックグラウンドを持った4人が顔をそろえる珍しいコンサートになりますが、あらためて、お客さんに楽しみにしてほしいポイントはどこですか?
甲斐 僕自身、国際交流コンサートは初めてで、今回、ミュージカルを共通項に海を越えて世界とつながれることを再認識しました。このコンサートをきっかけに、日本から韓国ミュージカルやブロードウェイミュージカルを観に行ってくれるお客さんがいたらうれしいですね。もちろん、日本のミュージカルも素晴らしいものばかりです。でも、海の向こうには全然違う文化や舞台芸術があるということを感じてもらえたら。僕も最近、ベトナムに行きました。今はYouTubeで何でも調べられますが、やはり現地の匂いや空気、人々の生活、食べ物の味などは、体験してみないとわからない。毎回、「行ってよかったな」と思いますし、舞台に立って表現する身としては、体感したことは演技でうそをつかないと思うので、時間が許せばいつでも行きたいです。
ルミーナ 実感って大切ですよね。今回は、ミュージカルコンサートならではの魅力がたくさん詰まっていると思いますし、日米韓の素晴らしいアーティストが集まって、その中に自分が存在できることをうれしく思います。3カ国がそろうことはなかなかないと思いますので、心ゆくまでその空間を楽しんでいただけたらなと思います。
甲斐 マシューさん、ソヒャンさんという世界のミュージカルスターたちの隣で、日本代表のスピリットでがんばりたいですね。大谷翔平選手の言葉を借りれば、「憧れるのをやめましょう」。その日だけは自分を奮い立たせて、楽しく共演できたらと思います。
ルミーナ おおー!(笑) ぜひ、4人の歌声を受け止めに会場へお越しください。
プロフィール
甲斐翔真(カイショウマ)
1997年、東京都生まれ。特撮ドラマ「仮面ライダーエグゼイド」のパラド / 仮面ライダーパラドクス役でテレビドラマ初出演。2020年に「デスノート THE MUSICAL」で初舞台を踏み、近年はミュージカル「エリザベート」「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」などに出演。2025年はブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」、ミュージカル「マタ・ハリ」に出演したほか、「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」でNHK大河ドラマに初登場。自身のデビュー10周年を飾る「KAI SHOUMA Anniversary 10YEARS」が2026年2・3月に控えるほか、ミュージカル「ミス・サイゴン」2026・2027年公演にクリス役で出演する。
甲斐翔真&STAFF (@kai_shouma) | Instagram
ルミーナ
東京都生まれ。2019年、ソウル大学校音楽大学声楽科に入学するために韓国へ渡航。2023年の大学卒業と同時に、韓国版のミュージカル「レ・ミゼラブル」エポニーヌ役でデビューを果たす。また日本での「レ・ミゼラブル」2024・2025年公演でも、エポニーヌ役にキャスティングされた。2026年は1月4日に開催された「Songwriters' SHOWCASE」に出演したほか、キム役でミュージカル「ミス・サイゴン」2026・2027年公演に出演する。
𝐋𝐮𝐦𝐢𝐧𝐚(루미나/ルミーナ) (@lumina_voce) | X




