貴族家系の家督者であり、吸血種の統治機関・血盟議会の若手議員でもあるダリ・デリコ（染谷俊之）はある日、血盟議会より停職処分を受ける。これは、血盟議会が実施した異教団殲滅作戦の際に保護された人間種の女スー・オールセン（田中真琴）が身籠った赤子が、ダリの子であるという疑惑がリークされたことを受けてのものだった。だが停職中であるはずのダリは、上司のヨハネス・ヴラド（陰山泰）から、各地で発生していた吸血種の少年少女たちの失踪事件の真相究明を命じられる。

補佐官に任命された下級議員マルコ・ヴァニタス（栗山航）と、合同捜査官として派遣されたヴァンパイアハンターの李春林（東啓介）や歌麿（松浦司）と共に事件を追うこととなったダリ。事件を追う中で捜査線上に浮上した社交倶楽部“黒薔薇館”、そして吸血種の間で伝承される原初の吸血種“トランプ”の不死伝説──事件を解き明かした先で、ダリが辿り着いた真実とは？

本作の舞台となるのは、人間で言うところの思春期“繭期”を迎えた若き吸血種“ヴァンプ”たちを教育・矯正するために設けられたギムナジウム“クラン”。人間とヴァンプの混血“ダンピール”であるソフィ・アンダーソン（西井幸人 / 三津谷亮）は、“汚らわしき者”として周囲から嫌悪されていた。しかし、指折りの名家の生まれであるウル・デリコ（三津谷 / 西井）は、忌むべき存在であるソフィになぜか心惹かれていく。

そんな中、永遠に生き続けているとされる原初の吸血種“トランプ”の存在を知り、永遠の命を渇望するようになるウル。やがてソフィとウルは、“トランプ”の不死伝説に翻弄されていくのだった。